梶裕貴がアニメ『MAO』で摩緒役に込めたこだわりと「るーみっくわーるど」への愛
アニメ 見放題インタビュー
2026.04.18
『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』『犬夜叉』『境界のRINNE』など、数々のヒット作を生み出してきた高橋留美子の最新作『MAO』のTVアニメが、2026年4月より好評放送中だ。呪いを受け、900年間を生き続けている主人公・摩緒を演じる梶裕貴に、高橋留美子作品への熱い思いや、役作りについて語ってもらった。

■梶裕貴が語る、高橋留美子最新作『MAO』への憧れと主人公・摩緒役に込めた思い
──まずは、『MAO』という作品の印象や、本作にまつわる思い出を教えてください。
「高橋留美子先生の作品は以前から大好きだったので、新連載が始まったときから胸を高鳴らせていました。昭和、平成と連載を続けてこられた漫画界のレジェンドである先生の新作が、令和になってもリアルタイムで読めることが本当にうれしくて。週刊誌のペースで、それだけのシリーズを描き続けられるというのは、本当にとてつもないことですよね。2020年に『MAO』第2巻発売にあわせて"るーみっくわーるど"ファンとして取材を受けたときに、摩緒のイラスト入りサイン色紙をいただいたのですが、僕の出演作を拝見しています、と先生がメッセージをくださって。夢のような体験でした。当時はいつかアニメ化したらいいなという段階でしたが、『そのときには声優として関われたら』という思いがすでにありました」

──その後、摩緒役として百火役の下野紘さん、華紋役の豊永利行さんと共に、連載100話達成&コミックス累計100万部突破記念のダイジェストムービーに出演されていましたね。
「3人で特番の生配信をした際に、そこでもまたイラスト入りサイン色紙を頂戴し、そこには『ついに実現しましたね』というメッセージを添えてくださっていて。先生が僕を摩緒役に希望してくださったと知って、感動しました。とはいえ、その時点ではTVアニメ化が決まっていたわけではなく。なので、ひとりのファンとして『テレビ放送でも見たいな』という気持ちと、『テレビシリーズになるときにキャストが変更されるのはよくあることだから、ぬか喜びしないように......』という気持ちの両方がありましたね(笑)。だからこそ『TVアニメ化が決まったので、引き続き摩緒の声をお願いします』というお話を聞いたときは、うれしくてたまりませんでした。『らんま1/2』や『犬夜叉』といった、先生の作品の中でもタイトルを冠した名前の主人公役は、子どものころからの憧れでしたし、そんなキャラクターを演じるのは声優としての夢でしたから」

■『犬夜叉』世代の原点と、900年間を生き続ける摩緒の孤独に寄り添う役作り
──摩緒の印象や、どのように役作りをされたかについて教えてください。
「平安時代を生きていた摩緒は、もともとすごくピュアで優しい人。けれど猫鬼と刺し違えて痛み分けのような形になり、呪いをかけられ、苦しみながら900年間を生きてきました。不老不死の体となってしまい、ともに時間を重ねていける人もいなくなって......孤独に時代の変遷を見届けてきたのだろうと思うと、想像しただけで正気を失ってしまいそうになりますよね。そうして、いろいろなものを乗り越えてきたのが大正時代の摩緒なので、多少の出来事では一喜一憂しないメンタルだと思うんです。彼は、常人の何百倍もの経験値を自分の内に抱えているから、感情の起伏もあまりない。声のトーンとしても落ち着きつつ、喋り口調も淡々とした人物になるんだろうなと。ただ、ベースには平安時代のピュアで優しい摩緒がいるはずなので、(黄葉)菜花に心を開いていく感情のグラデーションは丁寧に表現していかなくてはなと考えていました。菜花はもちろん、乙弥、百火、華紋、猫鬼など、話す相手によって温度感や声色の違いを演出することが大事だろうなと」

──摩緒を演じるうえで、とくに大変だったところは?
「低いトーンかつ淡々とした喋り口調のキャラクターなので、摩緒でいられる音域と感情表現の幅が狭いんですよね。なので、その範囲をはみ出ないよう、繊細なコントロールをしていくのが難しかったです。それに、キャストみんなが『MAO』という作品が大好きで、すごく和気あいあいとした雰囲気のアフレコ現場だったので、摩緒役としては、そんな和やかなムードに引っ張られすぎてはいけないという意識がありました(笑)。とはいえ、今回は座長という立ち位置なので、スタジオの隅で孤独に役作りに徹するのも違うなという思いもあって。休憩中の自分と収録中の摩緒との切り替えは、すごく強く意識していましたね」

■アフレコ現場の裏話と、令和・大正を繋ぐアニメ『MAO』の見どころ
──アフレコ現場での印象的なエピソードや、放送が始まっての感想を教えてください。
「ひとりの『MAO』ファンとしても、菜花役の川井田(夏海)さん、乙弥役の寺澤(百花)さんをはじめ、本当にみなさんぴったりなキャスティングだと、毎回感じていましたね。猫鬼役の松山(鷹志)さんなんて、役にぴったりすぎて、ちょっと嫌いになるくらいでしたから(笑)。それから、佐藤(照雄)監督が毎週のように差し入れをしてくださって。旬の果物は毎回必ずあって、プラスで和菓子などもご用意してくれて。みんな、休憩中に食べるのを楽しみにしていましたね。優しさにあふれた素敵な方でした。そんな佐藤監督の指揮のもと完成した、アニメ『MAO』。色がつき、音が入り、動いている摩緒たちを見ると、シンプルに感動しましたし、なによりアニメーションの質が本当に高いなと感じました。劇伴も素晴らしくて。和テイストを基調としつつも、令和、大正、平安の3つのイメージが視聴者にうまく伝わるよう、バランスよく構成されていて、まさに『これしかない!』と感じられる音楽でしたね」

──令和の現代を生きる中学生・黄葉菜花は大正時代と現代を行き来することができますが、梶さんが過去に行けるとしたら、いつを選びますか?
「3歳半の娘を絶賛子育て中なので、自分がそれくらいのころ、親がどう育ててくれていたのかを見てみたいような......でも見ないほうがいいような、複雑な気持ちがあります(笑)。もっと近いところでいえば、生まれてすぐの娘にもう一度会ってみたい気もしますね。あのころは早く大きくなってほしいな、という気持ちが強かったのですが、今ふり返ってみると、あの二度と戻ってこない赤ちゃんの時期をもっとかみしめておきたかったなと。写真や動画では頻繁に見返すのですが、やっぱり肌と肌で触れ合うコミュニケーションが一番ですからね」

取材・文/中島文華 撮影/番正しおり
ヘアメイク/中山芽美(エミュー) スタイリスト/帆苅 球
※放送は変更となる場合がございます




