なぜ「アイナナ」こと「アイドリッシュセブン」はこれほど愛されるのか?マネージャーと共に歩んだ10年の軌跡
2026.06.03
"アイナナ"の愛称で知られる「アイドリッシュセブン」は、2015年にスマートフォン向けアプリとして配信開始された。魅力的な楽曲はもちろん、「神風怪盗ジャンヌ」や「満月(フルムーン)をさがして」で知られる少女漫画家・種村有菜がキャラクター原案を担当したことも話題を呼んだ。プレーヤーは小鳥遊事務所の新人男性アイドルグループ・IDOLiSH7のマネージャーとなり、トップアイドルを目指す彼らとともに奮闘する。

アイドリッシュセブン
(C)BNOI/アイナナ製作委員会
漫画や小説、音楽ライブなど、メディアミックス展開が盛んに行われており、2018年にアニメ化された。現在までに全3期とスピンオフシリーズの「アイドリッシュセブン Vibrato」が放送されている。東京アニメアワードフェスティバルでは、ファン投票によって選ばれる「アニメファン賞」を2021年、2022年、2024年と3度にわたり受賞。また、2023年にはIDOLiSH7ら4グループが集結したライブを描く『劇場版アイドリッシュセブン LIVE 4bit BEYOND THE PERiOD』、2025年にはアニメ第1期の劇場総集編が前後編で公開された。TBSチャンネルでは、「アイドリッシュセブン10周年記念!TBSチャンネルアイナナ祭り アンコール」と題して、6月に合計31番組もの「アイドリッシュセブン」関連コンテンツを放送する。

アイドリッシュセブン 10th Anniversary Event "A10TiON PLEASE!!!!"
(C)アイドリッシュセブン
■華やかな世界の裏側を描く、胸をえぐるシリアスな一幕も
アイドルたちの奮闘や成長を描いた作品はたくさんあるが、"アイナナ"の特徴の一つは、華やかな世界の裏側でもがき苦しむアイドルの姿に胸をえぐられるエピソードだろう。
テレビアニメ1期では、3000人を収容できる野外会場での初ライブで、観客が9人という苦いスタートのあと、特定のメンバーだけが他事務所から引き抜かれそうになってグループ内に不和が生じる。さらに、7人全員でIDOLiSH7としてデビュー準備をしていたのに、事務所が荒らされ新曲が盗まれる。がんばるだけでは到底乗り越えられないような、苦難に次ぐ苦難が襲いかかってくるのだ。
2期にあたる「アイドリッシュセブン Second BEAT!」ではIDOLiSH7のセンターが変わったことで、同じグループのファン同士で衝突が起きるといったシーンも描かれており、ファンとしての応援の仕方を考えさせられる場面もある。見ているのがつらくなるほどの逆境で、心身ともに傷つき、それでも仲間とともにステージに立って、まばゆい輝きを放つアイドルたちの生きざまが描かれているのだ。
■異なる魅力を持った4つのグループ
メインとなるIDOLiSH7は、歌唱力が高いセンター・七瀬陸らが所属する7人グループ。マネージャーに先んじてグループの方針を考えるようなメンバーがいたり、俳優業も行うメンバー、MCが得意なメンバーがいたりと、とにかく個性豊か。聞くと元気をもらえる楽曲も多く、思わず応援したくなるグループだ。
1期からIDOLiSH7のライバルグループとして存在感を放つのが、八乙女事務所の3人グループ・TRIGGER(トリガー)。プロ意識が高く、クオリティにこだわったステージが魅力の実力派だ。さらに、絶対王者の異名を持つトップアイドルのRe:vale(リヴァーレ)、大胆不敵で刺激的なステージから人気急上昇中のŹOOĻ(ズール)も登場。IDOLiSH7以外のグループにもしっかりとスポットがあたり、その心情やバックボーンが丁寧に描かれている。
■次元を超えてアイドルを感じさせる、リアルなメディアミックス展開
また本シリーズは、次元を超えてアイドルたちの存在を感じさせてくれる点も魅力だ。声優陣によるイベントはもちろん、リアルアイドルのような各グループの単独ライブ、さらに"VISIBLIVE"と題したアイドルたちによるライブも開催されている。

アイドリッシュセブン VISIBLIVE "HiGH TENSiON FUSiON!!!!"
(C)アイドリッシュセブン
彼らの活動は企業の目に入ることとなり、作品としてのコラボではなくアイドルを起用したブランドアンバサダーなど、さまざまな商品やキャンペーンのPRも担当している。
10周年をすぎてもその勢いがまだまだ止まらない「アイドリッシュセブン」。アイドルたちの光り輝くステージとその影にある苦悩と葛藤を、ぜひその歩みを堪能してほしい。

アイドリッシュセブン First BEAT! 劇場総集編 舞台挨拶ダイジェスト
(C)BNEI/アイナナ製作委員会
文/中島文華




