あいみょんが紡ぐ言葉の力...甲子園弾き語りライブなど過去公演を振り返る
2025.04.16
兵庫県西宮市出身、1995年生まれのシンガーソングライター、あいみょん。中学生の頃から曲作りを始め、個性的な歌詞の世界観や親しみやすいメロディーなどがあいみょんの楽曲の特徴になっている。そんなあいみょんの過去のライブツアーの模様を『3ヶ月連続 "春のあいみょんまつり"』 と題し、日テレプラスで放送する。4月26日(土)には「AIMYON TOUR 2022 "ま・あ・る"」、「AIMYON 弾き語り LIVE 2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場」、5月31日(土)には「AIMYON TOUR 2024-25 "ドルフィン・アパート"」がオンエアされる。
2015年2月にリリースされたWEST.の「ズンドコ パラダイス」のカップリング曲「Time goes by」で作詞家としてデビューしたあいみょんは、3月にタワーレコード限定シングル「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」でインディーズデビューを果たす。タイトル通り、センセーショナルな歌詞の世界観を持つ曲で話題となった。5月には同曲を収録したミニアルバム『tamago』も発表。
翌2016年、unBORDEよりシングル「生きていたんだよな」でメジャーデビュー。この曲は、ドラマ「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」のオープニングテーマに起用された。2017年8月にリリースした3枚目のシングル「君はロックを聴かない」が全国のラジオ局でパワープレーとなり、あいみょんの名と音楽が一気に広がっていく。
あいみょん「AIMYON 弾き語り LIVE 2022 -サーチライト-」
大きくブレークするきっかけとなったのは、2018年8月にリリースした「マリーゴールド」だ。"青春""儚さ"などを感じさせる恋愛ソングで、SNSでの反響も大きく、この年の大晦日には「NHK紅白歌合戦」に初出場し、同曲を披露している。
2019年には『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』の主題歌に起用された「ハルノヒ」、石原さとみ主演のドラマ「Heaven?〜ご苦楽レストラン〜」(TBS系)主題歌の「真夏の夜の匂いがする」、吉沢亮や吉岡里帆らが声優を務めたアニメ映画『空の青さを知る人よ』の主題歌として書き下ろした「空の青さを知る人よ」と、リリースするシングルすべてにタイアップが付き、ヒットを記録。どれも作品に寄り添う世界観を持ち、人々の共感を得た。
2020年に入っても、あいみょんの快進撃は続く。多部未華子&大森南朋出演のドラマ「私の家政夫ナギサさん」(TBS系)の主題歌「裸の心」など、聴く人の心に響く楽曲を次々に世に放っていった。2020年の大晦日には「NHK紅白歌合戦」に2度目の出場を果たし、「裸の心」を歌唱した。
フォークソングや昭和の歌謡曲などのテイストを感じさせる楽曲が特徴と言えるあいみょん。"言葉=歌詞"を重視しており、文学的な歌詞は幅広い層に支持され、いつまでも輝く普遍性もある。
あいみょん「AIMYON TOUR 2024-25 "ドルフィン・アパート"」
2019年2月には東京・日本武道館での弾き語りワンマンライブ「AIMYON BUDOKAN -1995-」を成功させ、ライブにも定評のあるあいみょんだが、中でも伝説級といえるのが4月26日(土)放送の、2022年11月に開催された阪神甲子園球場での弾き語りワンマンライブ「AIMYON 弾き語り LIVE 2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場」だ。
「やっぱりなんとなく、なんとなーく。地元を意識して活動している自分がいて、西宮でいつか、欲を言えば甲子園球場でいつの日か。ワンマンライブができたら。と、ずーっと思っていました」とライブの特設サイトにコメントしている通り、地元でのライブ、特別な場所でのライブということで大切な一日となった。甲子園球場での弾き語りワンマンライブは史上初。センターステージに登場したあいみょんは「憧れてきたんだ」(ファーストアルバム『青春のエキサイトメント』収録)でライブをスタートさせた。憧れていた場所でのライブの1曲目として最もふさわしい曲だと言える。この9年前に大阪・梅田で路上ライブをやっていて、7年前に上京。そして地元凱旋。多くのファンが360度ぐるりとあいみょんを囲み、彼女の歌を聴く。それも弾き語りというあいみょんの原点とも言えるスタイルで。全19曲、3時間に及ぶライブは唯一無二の時間と空間を作り出してくれた。
5月31日(土)に放送される「AIMYON TOUR 2024-25 "ドルフィン・アパート"」は、2024年9月28日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAYでスタートした最新ツアーから、2025年2月13日に行われた大阪城ホールでの模様が放送される。3月6日に30歳の誕生日を迎えたあいみょんにとって、20代最後となる貴重なライブでもある。大阪城ホールという大きな会場でも、あいみょんの楽曲と歌声にはそれを遠く感じさせない力があり、観客一人一人と向き合ってくれているような感覚に包まれる。ヒット曲、代表曲もたっぷりと、最新のあいみょんの魅力をじっくりと味わってもらいたい。
文/田中隆信