「トムとジェリー」の意外と知らない豆知識5選!名前の由来から最終回の都市伝説まで
2026.05.22
食べること、寝ること、ネズミを追いかけることが生きがいのネコのトム。そして、トムが飼われている家の壁穴に住む、いたずら好きでお茶目なネズミのジェリー。彼らのコミカルな追いかけっこを描く「トムとジェリー」は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラのクリエイターコンビによって1940年に誕生した。
極力セリフを排除し、キャラクターの豊かな表情とダイナミックな動き、そして音楽の連動で魅せる理屈抜きのドタバタ劇は、言語や国境、そして世代をも超え、今なお世界中で愛され続けている傑作だ。今回は、誰もが知るこの名作アニメーションの「実は知らなかった!」と驚くような奥深い豆知識を紹介する。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
【豆知識1】トムとジェリーの元の名前は「ジャスパー」と「ジンクス」
グレーの毛が特徴のネコのトムは、「トーマス・ジャスパー・キャット・シニア」というゴージャスな本名を持っている。一方、ハツカネズミのジェリーも、本名は「ジェラルド・ジンクス・マウス」である。
実は1940年に公開された記念すべき映画1作目『上には上がある(原題:Puss Gets the Boot)』において、彼らは「トムとジェリー」ではなく、トムが「ジャスパー」、ジェリーが「ジンクス」と呼ばれていた。私たちがよく知るキャッチーな名前は、1作目のヒットを受けてシリーズ化が決まった際、スタジオ内で新しい名前を公募して決定されたものだ。ちなみに、このネーミングを提案したアニメーターのジョン・カーには、賞金として50ドル(現在の価値で800ドル以上)が贈られたという。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
【豆知識2】謎に包まれた家政婦「Mrs. Dinah Two Shoes」の素顔
初期の作品において、トムが飼われている家の家政婦として登場する「Mrs. Dinah Two Shoes」。彼女はトムをほうきでたたいて叱りつけるなど強烈なインパクトを残しているが、首から下、主に足元しか映らないことで有名だ。
しかし、長いシリーズの歴史の中で、彼女の顔がはっきりと画面に映るエピソードがたった1つだけ存在する。それは1950年に公開された『土曜の夜は(原題:Saturday Evening Puss)』というエピソードだ。顔が映るのはほんの一瞬だが、長年足元や靴しか見てこなかったファンにとっては、非常に衝撃的なレアシーンとして語り草になっている。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
【豆知識3】ケンカばかりじゃない!「一時休戦」して共闘することも
昭和40~50年代に子どもだった世代なら誰もが歌えるであろう主題歌の一節「トムとジェリー 仲良くケンカしな」。このフレーズが象徴するように、基本的には彼らは仲が悪いという設定である。これは現実の"ネコ=捕食者、ネズミ=被食者"という関係を、マイルドに描いたものだ。時に、トムがジェリーを捕まえて本気で口へ運ぼうとする場面すらある。
しかし、賢いジェリーはいつもトムの手をすり抜け、鮮やかに反撃してみせる。一方で、二人が探偵としてお互いに協力し合い、共通の敵に立ち向かったり、事件の真相を究明したりするエピソードも少なくない。自然界の厳しいパワーバランスを軽やかに飛び越え、時に友情すら感じさせる関係性が、この作品に普遍的な魅力を与えているのだ。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
【豆知識4】ネットでまことしやかに語られる「感動の最終回」はデマ!
ネット上では、「トムが寿命で先に亡くなり、残されたジェリーも悲しみのあまり新しいネコにわざと食べられ、天国でトムと再会する」という、非常に涙ぐましい最終回のストーリーが都市伝説として広く出回っている。
しかし、これは完全にデマである。そもそも「トムとジェリー」シリーズは現在も続いており、公式の最終回自体が存在しない。あまりにもよく出来た感動的な創作ストーリーであったため、「本当の最終回」として口コミで広まり、多くの人が信じ込んでしまったというのが真相だ。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
【豆知識5】キッズ向けアニメとあなどるなかれ!実は米アカデミー賞の常連
テレビ放送のイメージから「誰もが楽しめるキッズ向けアニメ」として語られがちな本作だが、実は映画界の権威ある賞に何度も輝いている作品でもある。世界の映画賞の最高峰とされる米アカデミー賞の「短編アニメーション賞」部門において、1943年から4年連続で受賞。現在までに計7回ものオスカー像を獲得している。
セリフに頼ることなく、動きや表情、そして見事な音楽の連動だけで感情と笑いを表現した映像技術は当時から高く評価されていた。誕生から85年以上が経過した今見ても色あせないことを考えれば、この高い評価にも納得できるはずだ。

(C) Warner Bros. Entertainment Inc.TOM AND JERRY and all related characters and elements are trademarks of and (C) Turner Entertainment Co.
「トムとジェリー キッズ」や「トムとジェリー ショーなど、本シリーズは時代に合わせてさまざまなスタイルで楽しむことができる。さらに5月29日には、シリーズ初の全編フルCGアニメーションとなる最新作『トムとジェリー 時をこえる魔法の羅針盤』が公開される。こうした制作の背景や裏話を知った上で作品を見返すと、また違った面白さを発見できるはずだ。
文/中村実香




