柳楽優弥×坂東龍汰 兄弟の前に現れたライオンと名乗る謎の男の子。サスペンスそして偉大な愛と絆の物語 「ライオンの隠れ家」【フルーツポンチ・村上健志】

柳楽優弥×坂東龍汰 兄弟の前に現れたライオンと名乗る謎の男の子。サスペンスそして偉大な愛と絆の物語 「ライオンの隠れ家」【フルーツポンチ・村上健志】

弟のために生きる兄・洸人(ひろと・柳楽優弥)と自閉スペクトラム症の弟・美路人(みちと・坂東龍汰)。二人の兄弟の前に現れた「ライオン」と名乗る男の子(佐藤大空)。男の子との出会いによって、兄弟はある事件に巻き込まれていく。重大な真相に迫るサスペンス。そして少年の、弟の、兄の、家族の偉大で繊細な愛と成長の物語。

市役所で働く小森洸人は、両親を事故で亡くしてから自閉スペクトラム症の弟の美路人と二人で暮らしている。コミュニケーションが苦手でこだわりが強い美路人は、知覚・芸術の分野で突出したセンスを持っており、その能力を活かし、小さなデザイン事務所でアーティストとして働いている。洸人はそんな弟の毎日のルーティンに合わせ、彼を会社に見送ってから市役所に出勤し、仕事が終わると彼を迎えに行くという生活を何年も続けていた。弟のペースに寄り添い、安全に静かな毎日を重ねていたある日、家に帰ると謎の少年が現れる。「ライオン」と名乗る少年。少年に渡されたスマホを開くとそこには「じゃあ、あとはよろしく」とのメッセージが。彼は一体誰なのか?預けたのは誰なのか?なぜ、預けられたのか?なぜ、兄弟に預けられたのか?

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■可愛すぎるライオン

突如現れた、ライオンと名乗る5、6歳の男の子。たった一人で見ず知らずの家にやってきたにも関わらず、彼はとても奔放で人懐っこく、そして、かわいい。かわいすぎます。そんなかわいすぎるライオンと兄弟との慌ただしくも楽しい共同生活が、このドラマの中心だと思っていました。預けられた理由は、なんだそれと笑い飛ばしたくなるような理由で、子供を一人にするなんてだめだなと思いつつ、まあ仕方ないかと許してしまうような、ユーモアによってすっ飛ばされてしまう、たわいもないことだと思っていました。

全然違いました。すみませんでした。お手数ではありますが、先述の僕の予想は忘れてください。彼が預けられた謎は、とても重大で物語の中心でした。すっかりライオンのかわいさにやられてしまった僕は、ただごとではない事件の片鱗がちらつくたびに、胸を締め付けられ、温もりや柔らかいものを抱きしめたくなりました。

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■共同生活と真相

弟のために生きる兄、弟、そしてライオン。兄弟の暮らしに加わったライオンのせいで一変する生活。まず、安息を崩されるのは弟でした。そして弟の変化に兄の負担も大きくなります。けれど弟だけではなく、男の子のことも蔑(ないがし)ろにできない洸人。それでも終始、優しさも損なわないお兄ちゃん。徐々に絆を深めていく三人の共同生活。そんな共同生活に安心しきっていたところに真相が近づき、物語は思わぬ方向に進む、、、訳ではないのです。絆を深める共同生活とサスペンスは同時に進んでいくのです。1話からずっとサスペンスと三人の暮らしが並行して続きます。このまま仲良く暮らしてくれという気持ちを毎話揺らされながら物語は進みます。

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■柳楽優弥という模様

見ず知らずの兄弟に預けられたライオンの強さの訳。自閉スペクトラム症の美路人の変化。サスペンスの行方もさることながら、二人の強さがこのドラマの大きな魅力です。ライオンと美路人を演じた佐藤大空さんと坂東龍汰さんがとても素晴らしかったです。そして、二人を優しく見守り続ける兄・洸人。二人を支える兄の物語であると同時に、このドラマはやはり、洸人の物語でした。そんな洸人を演じた柳楽優弥さんが、やはりではありますが、とにかく良い。

狂気でユニークでミステリアスで、どこにでもいそうでどこにもいない。数々の役を演じてこられた柳楽優弥さん。その魅力は言うまでもないですが、柳楽優弥という俳優の魅力の正体は一体何なのだろう。顔が良い。人の話を聞いているとき、遠くを見つめているとき、一言を発した後、その顔が良い。樹齢を感じさせる大木の樹皮のようです。自然界が作る模様を見ていると、妙に引きつけられる。あれこれと意味をつけようとするが、正解はなく、意味に近づこうとする過程に美しさと、間違いなく心が動いたという時間がある。そんな"ひだ"が、陰影が、柳楽優弥にはあります。沈黙したその顔の奥行きに魅了されてしまう。覚悟なのか諦めなのか、強そうで弱くて、迷いと決意を両方持ち、疲れていて愛に溢れている。そんな素晴らしい魅力をこのドラマでは堪能できます。

ライオンの謎と愛の物語。感動と共にご覧ください。

【プロフィール】
村上健志(フルーツポンチ)
1980年12月8日生まれ、茨城県牛久市出身。
2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。

よしもと<br>ドラマ部

よしもと
ドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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