風間俊介、上戸彩、「金八先生」での演技の原点「3年B組金八先生」【夫婦のじかん・大貫さん】
国内ドラマ 連載コラム
2026.07.06
「3年B組金八先生」、武田鉄矢主演の言わずもがなの大名作ドラマですが、単なる学園ドラマの枠を超え、多くの世代にとって「もう一つの青春」のような場所であるかもしれません。今回は私が学生時代に見ていた、第4〜第6シリーズを中心にお話したいと思います。
■第4シリーズ:時を超えて繋がる「タコヤキ」の絆
私が金八先生を初めて見たのは、実は第1シリーズでした。1995年に久々の金八先生、第4シリーズの放送があったのですが、それに先駆けて、夕方頃に第1シリーズが再放送されていたのです。
第1シリーズと言えば、15歳の母でお馴染みの浅井雪乃(杉田かおる)のエピソードが出てくる話題のシリーズです。その第1シリーズで杉田かおるさん演じる雪乃と鶴見辰吾さん演じる保の間に生まれた赤ちゃん「歩」が、第4シリーズにて3Bの生徒として登場するという胸熱の展開がありました。
そして忘れられないのが「タコヤキお守り」。作中のアイテムが現実の生活にも浸透し、実際に私自身も友人と励まし合いながらタコヤキお守りを持ち合った思い出があります。あのアイテムは、テスト勉強や将来への不安といった、当時の私たちの等身大の悩みに寄り添ってくれる「小さな魔法」のような存在でした。ドラマの中の出来事が、私たちの現実の友情と結びつき、思い出の一部となっている。これこそが、長年愛される国民的ドラマの強さなのだと改めて感じます。

「3年B組金八先生(第5シリーズ)」
■第5シリーズ:兼末健次郎という、圧倒的な「翳り(かげり)」
そして忘れてはいけないのが第5シリーズ。風間俊介さん演じる兼末健次郎は、私たち世代にとっては、特別な思い入れのあるドラマの登場人物ではないでしょうか。当時の視聴者として画面越しに感じたのは、「これは本当に演技なのだろうか?」という、良い意味での違和感と底知れぬ恐怖でした。鋭い眼差し、張り詰めた緊張感、そして心の奥底に抱える歪み。健次郎が見せる表情の一つ一つが、あまりにもリアルで、役作りという言葉だけでは片付けられないようなすごみがありました。金八先生が直面した「闇」の深さが、その演技を通じて私たちの心にも直接流れ込んできたのです。今なお語り継がれる伝説的なキャラクターであることは間違いありません。
正直なところ、今でも風間俊介さんがさまざまなドラマに登場すると、どこかで健次郎のような闇を抱えたキャラクターなのではないかと、毎回少し余計な心配をしてしまうところもあります。しかしその点で言うと、近年の映画『先生の白い嘘』では、兼末健次郎以上のとてつもない強烈なキャラクターを演じられたことで、その闇を更新してくださった感もありました。とは言え、「監察医朝顔」などでの爽やかな笑顔も忘れられず、風間さんの底知れぬ演技の幅に、恐れおののく日々なのです。

「3年B組金八先生(第6シリーズ)」
■第6シリーズ:語り継がれる「心の境界線」
そして第6シリーズ。ジェンダーや不登校など、より多様で繊細な問題が教室という閉鎖的な空間に持ち込まれ、金八先生もまた、かつてないほど「正解のない問い」に向き合っていたように思います。このシリーズは、特定の何かに着地させるのではなく、悩み、迷い、それでもなお「個」を尊重しようと歩み続けた時間でした。それは、時代が進むにつれて複雑化していく「多様性」の現代社会を、まるで先取りして描き出していたかのようです。第6シリーズは、金八先生というフィルターを通すことで、私たち視聴者が「他人事」として片付けてはいけないテーマを、一人ひとりの胸に深く突き刺した、重要な転換点だったのではないでしょうか。
シリーズを重ねるごとに変化していく教室の空気。しかし、どの時代でも変わらないのは、教壇に立つ金八先生の「一人じゃないよ」という熱い視線です。皆さんの心の中には、どのシリーズの、どんなエピソードが刻まれているでしょうか。
<プロフィール>
大貫さん(夫婦のじかん)
NSC東京11期生。タカダ・コーポレーションを経て
2016年に旦那の山西 章博と「夫婦のじかん」というお笑いコンビを結成。
普段は芸人として活動しているが、漫画家やイラストレーターとしても活躍中。
コミックエッセイ「母ハハハ!」発売中。第35回フジテレビヤングシナリオ大賞最終。
NHK脚本開発チーム「WDRプロジェクト」2期メンバー。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。




