曽田陵介と秋田汐梨が『惑星ラブソング』を通じて伝えたい思い...「平和について考えるきっかけになってほしい」

曽田陵介と秋田汐梨が『惑星ラブソング』を通じて伝えたい思い...「平和について考えるきっかけになってほしい」

6月13日(金)より全国公開される映画『惑星ラブソング』は、広島を舞台にアメリカ人観光客と地元の若者が出会い、過去と現代が交錯する平和をテーマにした物語だ。本作で主人公のモッチを演じる曽田陵介さん、ヒロインのアヤカ役の秋田汐梨さんの二人に、撮影の思い出や作品への思いをたっぷり語ってもらった。

250603_wakusei02.jpg

――まずは、本作に臨む上で最初に感じたこと、自分の役をどう捉えたのかを教えてください。

曽田「平和をテーマにした映画なのですが、生々しい場面が続く戦争映画とは異なり、誰もが見られる内容になっていて、ファンタジー要素もある。面白い作品に参加させてもらえるという喜びがありました。モッチは将来の目標が定まっていない役どころなのですが、僕自身も広島の大学に通っていたこともあり、すごく共感できて等身大で演じられそうだと。僕も当時は将来の夢とか特になかったし、大学生ならではのモヤモヤ感とか、先の見えない悩みなど、わかるところが多かったです」

250603_wakusei03.jpg

秋田「今の若い世代にとっては、戦争の知識などもあまりないかなと思うし、この映画を通して、皆が関心を持てればいいなと思いました。アヤカはモッチと対照的に将来に希望を抱いていて、根拠のない自信を持っている女の子です。私自身は明確な目標こそないものの、なんとなく『大丈夫だろう』と思っちゃうタイプなので、結構似ているなと思いました」

250603_wakusei04.jpg

――実際に演じる上で、強く意識したことはありましたか?

曽田「『平和』というテーマに対して、しっかり知りたいと思ったので、広島平和記念資料館に行ったりして学びました。その上でテーマを背負って演じようと心がけたのですが、この作品はライトな感じで描いているから、その点も意識しましたね。現代の若者らしく重くならない感覚というか、多分モッチも重い気持ちになるのを避けたいだろうと思ったので」

秋田「私が意識したのは、モッチとの関係性ですね。恋愛関係になるのかならないのかという......。モッチのアヤカへの感情は見えているんだけど、アヤカの具体的な気持ちは描かれていなくて。でも、きっとアヤカもモッチへの思いはあるけれど、自分の将来のほうが大事なんだと思うんです。映画の中では、アヤカのモッチへの気持ちが少しずつ見えてくるように演じられたらなと意識していました」

250603_wakusei05.jpg

曽田「撮影に入る前の本読み段階で、時川(英之)監督から『セリフを変えたいところがあれば変えていいよ』と言ってくださったりして、じっくりディスカッションする時間があったのはよかったですね」

秋田「監督は『自由に演じてください』というスタイルが基本で、まずは演じてみてから『こうしてほしい』ということがあれば逐一伝えてくれるんです。その都度話し合う感じで撮っていましたね」

曽田「撮り方も結構自由なんですよ。カメラを固定せずに手持ちで撮ることも多かったです。現場で生まれたものを重視する監督さんだと思いますね」

250603_wakusei06.jpg

――撮影中に特に印象に残ったこと、苦労したことなどを教えてください。

曽田「外国人の方と共演するのが初めてだったので、とても新鮮でしたね。ジョン役のチェイス・ジーグラーさんとは、クランクイン前に仲良くなりたいと思って、一緒にご飯に行ったんです。『アメリカではこう演じるんだ』とか、演技の話とかも結構できて、とても勉強になりました。英語はできないので、翻訳アプリでの会話でしたけど(笑)」

秋田「とにかく英語のセリフが大変で......。アヤカはアメリカ留学を考えている子なので、英語の発音もしっかりしないとダメかなと思い、練習しました。それでも、英語のセリフに感情を乗せるのが本当に難しかったです。私自身はまったく英語がダメで(笑)」

250603_wakusei07.jpg

曽田「僕もジョンと会話する場面が難しかったです。彼の長い英語のセリフがあって、聞いている僕が意味を理解していないと、表情の演技ができないので。受けの芝居をしっかりしないといけないから、出てくる英単語を懸命に調べたりしましたね」

秋田「私は八嶋智人さんと共演できたのがうれしかったです。以前、舞台でご一緒したことがあって、その時は私のお父さん役だったんです。その時もビシバシ指導していただいて......。その舞台を見てくださった方には、前回とは違う関係性のお芝居を楽しんでもらえたらうれしいですし、八嶋さんには少しでも成長したと思ってもらえていたらうれしいです。あとは外国人スタッフが多い現場だったので、それも刺激でした。皆さん自分の意見をズバッと言うところなど、文化の違いを感じられたことが収穫でした。自分の意見をはっきり伝えるのが苦手な私にとってはいい経験でした。今後に生かしたいです」

250603_wakusei08.jpg

――最後に、本作を通じて何を感じてもらいたいかを教えてください。

曽田「原爆ドームでの深夜の撮影が印象に残っています。広島で最も象徴的な場所だし、より丁寧に気持ちを込めて演じたので、いい場面になっていると思います。CGを交えた映像美をぜひ楽しんでほしいです。もちろん、平和について若い人たちが考えてくれる作品になればうれしいです。あとは、映画を通じて広島の街の魅力も感じてもらえたらいいかな。大学時代にも感じたけど、本当に街の人たちがあったかいんです。気さくに話しかけてくれるし『兄ちゃん、大丈夫か?』なんて、いつも気にかけてくれて、本当にいい街なんですよ」

秋田「これまで原爆や戦争については、『過去の悲惨な出来事』という捉え方をしていました。歴史の授業で習うことみたいな......。でも、それを踏まえて、現代に生きる私たちが今後にどう生かし、どう変えていくのかという考え方が大事だなと、この作品に参加することで強く感じました。重厚なテーマだけどライトに描かれていて、見やすい映画だと思うので、見た人たちが『平和』の意味を考えるきっかけになったらうれしいです」

250603_wakusei09.jpg

取材・文/渡辺敏樹 撮影/皆藤健治

スタイリスト/岡村春輝(FJYM inc.)(曽田陵介)、髙橋美咲(Sadalsuud)(秋田汐梨)

ヘアメーク/中原ありさ(is)(曽田陵介)、菅長ふみ(秋田汐梨)

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

国内ドラマ 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

チャンネル:J:COM STREAM

映画 見放題

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

映画 連載コラム

もっとみる

映画 インタビュー

もっとみる