映画『侍タイムスリッパー』日本アカデミー賞授賞式翌朝収録!ぶっちゃけ座談会

映画『侍タイムスリッパー』日本アカデミー賞授賞式翌朝収録!ぶっちゃけ座談会

史上初となる"自主映画での日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞"という偉業を成し遂げた映画『侍タイムスリッパー』(2024年)。同作は、現代にタイムスリップしてきた幕末の会津藩士・高坂新左衛門(山口馬木也)が、時代劇の斬られ役として第二の人生に奮闘する姿を描く物語で、コメディでありながら人間ドラマ、そして手に汗握るチャンバラ活劇でもある。

2024年8月に単館上映で公開された後、すぐさま人気となり、公開から1カ月あまりで上映館は全国140館以上に拡大。その後、さまざまな映画賞を受賞し、2025年3月には「第48回日本アカデミー賞」の最優秀作品賞に輝いた。

この前代未聞の快挙に加え、安田淳一監督が個人の貯金をほぼ取り崩してチャレンジした作品であること、10人ほどのスタッフで制作しており、安田監督は車両の手配からチラシ作成まで監督業以外の仕事も複数こなし、演者もスタッフ業を兼任しながら撮影したこと、同作の脚本に感銘を受けた東映京都撮影所が全面協力したことなど、多くの"武勇伝"も話題に。

そんな"ジャパニーズドリーム"を実現させた同作品の快挙を記念して、安田監督、沙倉ゆうの、冨家ノリマサ、田村ツトムによる『「侍タイムスリッパー」ぶっちゃけ座談会』を開催。その模様がJ:COM公式YouTubeチャネルで公開中だ。

この座談会では、4人が9つのテーマから選んで"ぶっちゃけトーク"を展開。企画段階での裏エピソードや撮影秘話、作品に対する思いなどが明かされるほか、「第48回日本アカデミー賞」授賞式の翌朝の収録であったため、4人の興奮冷めやらぬ様子が垣間見える貴重な映像となっている。

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最初のテーマ「山口馬木也」では、冨家が主演の山口について「現場に入ってマッキー(山口)がやってる高坂新左衛門を見た時に、『すごい!』と思ったんですよ」と印象を語り、「あまりにもすごくて、2、3シーンで『マッキー、頑張ろう。この映画はすごいし、マッキーもすばらしい芝居をしているから、絶対何かの賞を獲れるよ』って言って。その頃は、こんなになるなんて思っていないから、『インディーズの映画祭の主演男優賞とか獲ろうぜ』って言ってたのが、何が何だか分からない状態になって!」と述懐。また、安田監督は「馬木也さんは、演じておられるというよりもキャラクター本人に見えることが頻繁にあって、江戸時代の人と一緒に映画を作っているような感覚」と振り返る。

さらに、テーマ「低予算」では、演者と助監督を兼務した沙倉が「一番初めは『自分が出てない日だけ助監督をする』って言ってたんですよ。でも(人手が)いないから、結局は出る日もやらないといけなくて...」と漏らし、「真夏の炎天下でかつら(の羽二重)が割れてくるから日傘を差しに行かないといけないんですけど、差す人が誰もいなくて私が行くしかなくて、(同じ傘に)一緒に入って」と知られざるエピソードを披露。一方、田村は「みんなの気持ちが1つの頂点を目指していたというのが、撮影をやっていてすごく思った。いろんなところで意見の違いとかがあってディスカッションもありましたけど、最終的に頂上はみんな同じところを目指していたので、これだけのいい作品になったのかなって」とコメント。

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そして、テーマ「アカデミー賞」では、安田監督が「まさかこうなるとは思ってませんでしたよね。『第29回新藤兼人賞』(銀賞)をはじめ、『第37回日刊スポーツ映画大賞』(作品賞・監督賞・主演男優賞)、『第67回ブルーリボン賞』(作品賞・主演男優賞)とか、挙句の果てに『第48回日本アカデミー賞』(最優秀作品賞・最優秀編集賞)...。7冠くらい優秀賞に選んでもらって、そこまでで十分やと思ってたんやけど、最優秀編集賞をもらった時に『カメラを止めるな!』(2017年)がもらってたから『やっと追い付いたかな』と思って(最優秀作品賞の発表時は)わりとぼんやりしててんけど、まさか最後の最後で最優秀作品賞がいただけるとは...! 完全に虚を突かれた感じで、野球で言うたら"隠し球でアウト"になったみたいな感じ」と受賞の瞬間の心境を語る。

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加えて、テーマ「配信」では安田監督が俳優陣への思いを明かすほか、テーマ「ファン」では安田監督がリピーターの"作品への愛"に触れたエピソードなどを披露する。

文/原田健

YouTube

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