柳町達インタビュー:2026年の目標は3割&2ケタ本塁打 ホークス3連覇への鍵を語る

柳町達インタビュー:2026年の目標は3割&2ケタ本塁打 ホークス3連覇への鍵を語る

〜第十四回 プロ野球愛宣言!現役選手編〜

プロ野球への愛を語ってもらう本連載に、現役選手が初登場。2025年福岡ソフトバンクホークスの日本一に大きく貢献した柳町達選手。プロ6年目の才能開花の裏には、どんな要因があったのか。昨季を振り返り、今季へかける思いを語ってもらった。

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――昨季は最高出塁率を受賞するなど、優勝に貢献されました。
 
「NPBアワードの表彰式に呼ばれて、『ドラフト5位でプロに入った僕が、賞をもらえるようになったんだな』と感慨深かったです。『プロになれた』とようやく実感が湧きました」

――(今となっては大変失礼ながら)2019年のドラフト会議でホークスが柳町選手を指名した際、「12球団で最も選手層が厚い常勝軍団の中で埋もれてしまわないか?」と心配でした。

「正直言って、自分でも『ホークスか......』と思いました(笑)。あの戦力の中で上にあがるのは非常に厳しいなと。入団を決めた時、僕はその年にホークスが指名した支配下選手の中で最下位でしたから、『もう、這い上がるしかない』と腹を括りました」

――結果的に、ホークスに入ったことで今があると。

「チームのレベルが高いということは、日頃から一流選手の練習を見たり、考え方を聞いたりできるメリットもあります。ホークスには、若手よりレギュラーの先輩たちの方が練習量が多いという伝統もあります。こちらからすると、『もっと休んでよ』と思ってしまうこともあるのですが(笑)」

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――勉強になった先輩はいますか?

「中村晃さんは今でもずっと憧れの先輩です。自主トレにも連れていっていただきました。中村さんからは『常に自分で考えてやれ』と言われてきました。中村さん自身、自分と向き合ってきた選手でしたから」

――昨年5月2日のロッテ戦は2点差を追う9回2死無走者の場面から、中村選手と柳町選手の連打で大逆転のきっかけをつくりました。

「いま振り返ってみると、まるでドラマのようなシーンでしたね」

――その時点でチームは最下位と苦しんでいましたが、結果的に逆襲の大きな転機になりました。

「負けが込んでいる時って、劣勢になると『今日も負けるのか』という雰囲気になりがちです。でも、なんとかつないで、つないで、逆転できた。殻を破れた試合だったと感じます」

――そもそも昨季は開幕2軍スタートでした。

「オープン戦で結果が出なかったので、仕方がないです。競争を勝ち抜こうと思っていたところで、近藤健介さんなど外野手に故障者が出て、1軍に呼ばれました。正直言って、自分としては『チャンスが巡ってきた』とうれしかったです。近藤さんの代わりにはなれないですが、自分なりのパフォーマンスでチームに貢献したいと考えていました」

――4月22日時点では、打率.118と苦しみました。出場機会も不定期で、準備するのは大変だっただろうと想像します。

「4月中は結果が出なかったんですけど、だんだんボールの見え方やタイミングの取り方がよくなっていく感覚がありました」

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――4月23日には曽谷龍平投手(オリックス)の高めのストレートをライトスタンドに放り込み、小久保裕紀監督も「衝撃的」と表現しました。

「僕自身も衝撃的でした(笑)。本当は先発出場するはずだった佐藤直樹(今季から楽天へ移籍)が故障欠場して、急遽スタメンで使ってもらった試合でした。リーグを代表する左投手の高めの速球に反応できて、スタンドまで持っていけたのは自信になりました。個人としては、あの試合が転機でしたね」

――対左投手の打率を見ると、'24年は.224と苦しんだのが、'25年は.322と劇的に向上しています。

「昨季は左投手の外角の見え方が変わってきて、いいアプローチができました。左投手は外に逃げていく球が多いんですけど、引っ張るヒットが多くなりました」

――柳町選手といえば、勝負強いイメージもあります。昨季も得点圏打率.306とチャンスで結果を残しました。

「なんでなんですかね(笑)。でも、チャンスになると『絶対にランナーを還すぞ』と集中力が研ぎ澄まされる感覚はあります」

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――6月末から29打席連続無安打とスランプもありましたが、終盤にかけて状態を取り戻したことを小久保監督も評価していました。

「昨季はシーズン中からウエイトトレーニングを継続していたのですが、体力的にもいい効果が出たと感じています」

――最高出塁率、ベストナインのタイトルも獲得。今季は自信を持って臨めるのでは?

「いや、毎年12月後半くらいになると、不安のほうが大きくなっていくんです。毎年恐怖で、キャンプ直前になると眠れなくなるんですよ(笑)」

――今季の目標を教えてください。

「チームがリーグ3連覇するために、僕は打率3割、2ケタ本塁打を目標にしています。昨季はフェンス直撃など、あと少しで本塁打にできなかった当たりが多かったので、もう少し飛距離を伸ばせるようになって、今季はそこを超えていきたいです。あとは日本ハムに移籍した有原航平さんとの対戦を楽しみにしています(笑)」

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――今季も開幕を迎えました。プロ野球ファンの方へひとことお願いします。

「野球の楽しさは、シンプルだと思うんです。投げる、打つとそれぞれに役割があって、大谷翔平選手(ドジャース)のような華やかな選手は、僕も見ていて興奮します。その中にはいろんなタイプがあって、変化球でかわす技巧派投手もいれば、僕のようなヒットを打つのが得意な打者もいる。選手たちが試行錯誤しながら駆け引きをする姿を、ぜひ今シーズンも楽しんでいただきたいです」

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<プロフィール>'97年4月20日生まれ、茨城県出身。慶應義塾大では好打の外野手として活躍し、`19年ドラフト5位でソフトバンクに入団。6年目の昨季はセ・パ交流戦でMVPを受賞するなど、チーム逆襲の原動力に。昨季は規定打席を初めてクリアし、リーグ1位の出塁率.384を記録、自身初のベストナインを受賞。パ・リーグ連覇に大きく貢献した。


取材・文/菊地高弘 撮影/中川容邦 (C)福岡ソフトバンクホークス

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