ミラノ・コルティナ2026パラリンピック開幕迫る 6競技の注目ポイントを解説

ミラノ・コルティナ2026パラリンピック開幕迫る 6競技の注目ポイントを解説

オリンピックに続いて、2026年3月6日〜15日まで開催される「ミラノ・コルティナパラリンピック2026」。約50カ国から665名の選手が参加し、6競技79種目が行われる。今大会は、冬季パラリンピックが初開催された1976年から50周年のメモリアルでもあり、パラリンピック史にとって大きな節目。国際パラリンピック委員会(IPC)は、「史上もっとも美しく魅力的な冬季パラリンピック」にしたいと意気込んでいる。

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■花形競技のアルペンスキー、過酷さ極まるバイアスロンに注目!

6競技の内訳を簡単に説明すると、まずは冬の花形競技であるパラ・アルペンスキー。パラリンピックでは、滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転(スーパーG)、スーパーコンビ、大回転(ジャイアントスラローム)、回転(スラローム)が実施される。

障がいの種類により、立位、座位、視覚障がいの3つのカテゴリーがあり、さらに障がいの程度や種類によってクラスが分かれる。「計算タイム制」で導入され、実走タイムに選手のクラスによって決められた係数をかけた計算タイムが、選手の記録となる。仮に100秒の記録だとしたら、係数80%の選手の計算タイムは80秒で記録される。係数は、障がいが重いほど小さく、障がいが軽いほど大きくなるので、障がいの程度が異なる選手同士が競い合うことが可能だ。障がいの程度差による有利不利を抑えるための仕組みとされている。また、「チェアスキー」と呼ばれるマシンを使用して行う座位カテゴリーは、時に時速100kmを超える速度で雪面を滑り降りるスピード感抜群の種目だ。

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次はパラ・バイアスロン。クロスカントリースキーのフリー走法と射撃(伏射)をミックスさせた競技だ。登り坂、下り坂、カーブなど起伏のあるコースを1周し、射撃を繰り返し行ってゴールするまでのタイムを競う。今大会では男女別に3種目(7.5km/射撃2回、10km/射撃4回、12.5km/射撃4回)が実施される。射撃で的を外すごとにペナルティが課せられるため、正確に命中させるほどタイムは上がる。射撃の技術と走力に加えて、持久力と集中力が求められるハードな競技で、見どころも抜群。障がいのカテゴリー分け、計算タイム制についてはアルペンスキーと同様だ。

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クロスカントリースキーは、「雪原のマラソン」とも呼ばれる。こちらも障がいの種類によって立位、座位、視覚障がいの3カテゴリーに分けられ、その中で順位を競う。走法にはクラシカル走法とフリー走法の2種類があり、距離は約1kmのスプリント種目から、5~10kmの中距離、そして20kmなどの長距離種目などさまざま。大会では走法と距離を組み合わせた種目が行われ、リレー種目なども実施される。

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■大会屈指の人気スポーツ、迫力満点のパラ・アイスホッケー

次に、大会屈指の人気競技であるパラ・アイスホッケー。下肢に障がいがある選手が「スレッジ」と呼ばれる専用のソリに乗ってプレーする。2本の短いスティックを用いて、駆動用のアイスピックが付いているグリップエンドで氷を押しながら漕ぐように前に進む。また、巧みにスティックを持ち替えて、反対側のブレード部分でパスやシュートを繰り出しながら、パックをゴールに運んで得点を競う競技だ。車いすバスケットのような障がいの程度により選手に持ち点を設定するルールはなく、下肢に一定の障がいがある選手が参加できること、男女混合でプレーすることが可能な点も特徴だ。

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■エキサイティングなパラ・スノーボード、車いすカーリングも必見!

日本人選手の活躍も目立つ、パラ・スノーボードも注目。上肢または下肢に障がいのある選手が、1枚のボードで雪の斜面を滑り、スピードを競う競技だ。パラリンピックの場合、上肢障がい(SB-UL)、下肢障がい(SB-LL1、SB-LL2)の3クラスに分かれ、バンクドスラロームとスノーボードクロスの2種目で男女別に競う。バンクドスラロームは、バンクと呼ばれるコーナーが連続するコースを2回滑走してベストタイムを争うもの。一方、複数の選手が一斉に滑走するスノーボードクロスは、勝ち抜き戦形式。ゴールまで一瞬のミスも許されないスリリングな展開で、最後まで見逃せない。なお、下肢障がいのクラスは、障がいの程度により、重いクラスSBLL-1と軽いクラスSBLL-2に分類される。

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最後は、人気上昇中の注目競技である車いすカーリング。車いすの選手がチームを組み、氷上でストーンを滑らせて得点を競い合う。オリンピックのカーリングでは、ブラシで氷をはく「スウィープ」でストーンの軌道を変えるが、車いすカーリングにはスウィープがない。そのため、よりショットの正確さと戦略が勝負のカギを握る。座った姿勢でもストーンを押し出しやすいよう、専用のスティックを用いるのも特徴だ。車いすが動かないように、後ろからサポートすることも認められている。パラリンピックでは、従来のミックス(男女混合4人制)に加え、今大会からの新種目としてミックスダブルス(男女混合2人制)も行われるが、日本は金メダルの有力候補とされているので必見だ。

今大会は、オリンピック同様にイタリア北部複数の都市で開催される広域モデル。アイスホッケーはミラノで、アルペンスキー、スノーボード、車いすカーリングはコルティナ・ダンペッツォで、クロスカントリー&バイアスロンはヴァル・ディ・フィエンメなど、地域ごとに特色ある会場で熱戦が展開される。J:COMでは、「ミラノ・コルティナ2026パラリンピック」を3月7日(土)~16(月)の期間、毎日放送・同時配信する予定。Jテレ、地域情報アプリ「ど・ろーかる」、J SPORTS、動画配信サービス「J SPORTS オンデマンド」で視聴可能だ。日本人選手の活躍を中心に、普段はなかなか見られないパラスポーツの迫力とアスリートたちの奮闘に拍手を送ろう!

文/渡辺敏樹

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