バレーボール芸人・さとゆりが選ぶ「大同生命SVリーグ 2025-26」注目選手「女子は大川愛海選手、男子はアントワーヌ・ブリザール選手」
スポーツ 生中継見放題インタビュー
2026.01.27
「バレーボールあるある」を持ちネタに活動するお笑い芸人のさとゆり。兵庫県の名門・氷上高校出身で現役時代には「春高」こと全日本バレーボール高等学校選手権大会に出場を果たした実績を持つさとゆりに今回、昨年10月に開幕した「大同生命SVリーグ 2025-26」の中から男女それぞれ1試合をピックアップしてもらい、注目ポイントを語ってもらった。「大同生命SVリーグ 2025-26」は、男女全試合を「J SPORTSオンデマンド」でLIVE配信中。また、1月31日(土)・2月1日(日)にGLION ARENA KOBE(兵庫県神戸市)で開催される「エムット presents SV.LEAGUE ALL STAR GAMES 2025-26 KOBE」も「J SPORTSオンデマンド」でLIVE配信する。
■「今でも鮮明に覚えている」春高のセンターコート
小学生の頃にバレーボールを始めて、中学時代には「JOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会」の兵庫県選抜に入ることができました。いつも着用している「兵庫」と書かれたユニフォームは、そのオマージュです。というのも、バレーボールを持ちネタにしたお笑い芸人になった際に、ユニフォームを衣装にしたいと考えたのですが、高校や大学はチーム所有のものだったので自分の手元に残っていなかったんです。唯一あったのが兵庫県選抜のユニフォームでした。ただ当初は手元にあった2枚を着回ししていたので、洗濯のしすぎでボロボロに。今はデザインを流用して、メーカーさんに頼んで制作していただいたものを着用しています。
氷上高校に進学し、兵庫県選抜でレシーブが上達した甲斐もあって、それまでのアウトサイドヒッターからリベロに転向しました。春高で準優勝を遂げたとき、チームはまさに「6人で強い方が勝つ」を体現して、粘りに粘って勝つスタイルで勝ち上がりました。決勝のセンターコートは今でも鮮明に覚えています。大きな体育館で、観客全員からの視線が注がれる。「私たちは今、主役なんや」という気持ちで胸がいっぱいになりました。

さとゆり
■バレーボールとお笑いの舞台、より緊張するのは...
大学に進学したのちに、お笑い芸人になったわけですが、そこで立つ舞台のほうが緊張しましたね。バレーボールでは全国大会に出ましたが、コート上には仲間がいますし、私自身もずっと競技に励んできた分、いざ試合でプレーすること自体に緊張はしませんでした。一方で、お笑い芸人としてはピン(一人)で活動しているので、舞台に立てば誰も助けてくれません。やりがいはバレーボールと同じぐらいとはいえ、お笑い芸人として私はまだまだ6年目。今は芸人の舞台に立つほうが緊張します。一番緊張したのは、芸歴2年目で出演した『細かすぎて伝わらないモノマネ』(フジテレビ系列)です。「回転レシーブする東洋の魔女」をネタにしてオーディションを通過しました。これは、「ネタの締めと同時に舞台装置の穴に落下する」というコーナーで、いざ収録本番は短いセリフも飛びそうになるほど緊張しました。なんとか綺麗に落下することはできましたが、「回転レシーブって、こんなに難しいんや...」と思い知らされましたね。無事にテレビでも放送されて、中学校のバレーボール部の監督からは「お前を見て、今までで一番笑った」とお褒めの言葉をいただきました。
■女子の注目試合は、第6節GAME1(11月15日)の東レアローズ滋賀vs.KUROBEアクアフェアリーズ
東レアローズ滋賀の青柳京古選手が、愛知学院大学時代の3学年上の先輩なんです。その縁もあって東レ滋賀の応援によく足を運ぶのですが、今シーズンは開幕からなかなか結果が出せず...。東レ滋賀とは対照的に、今季は開幕6連勝をあげるなど好調なKUROBEアクアフェアリーズを相手に、その試合で東レ滋賀は第1セットをデュースの末に落とし、またベテランセッターの田代佳奈美選手が怪我をしてしまい、ベンチに下がる展開になります。それでも交代で入った花岡千聡選手が新人らしからぬ安定したトスワークを繰り出し、ミドルブロッカーのジュリエット・ロホイス選手も身長191センチの高さを活かしたブロックを要所で決めて、逆転でホームゲーム初勝利を収めるという見応えある内容でした。
私が現役時代、どちらかといえば守備もこなしながら器用にアタックするタイプのアウトサイドヒッターだったので、SVリーグを観戦する際も似た選手に惹かれます。特に東レ滋賀では大川愛海選手がまさに好きなタイプ。強打もありますが、ブロックアウトや軟打を効果的に使って得点を重ねる姿は見ていて楽しいですね。また、大川選手の対角に入る谷島里咲選手はパワフルなスパイクが持ち味で、そのKUROBE戦では「絶対にこの試合で勝つんだ」という気迫あふれるプレー姿に思わず泣きそうになりました。
青柳選手は、その試合には出場されませんでしたが、本当に素晴らしい選手で、年齢(34歳)をまったく感じさせないですし、おそらく定年ぐらいまで現役を続けるんじゃないでしょうか(笑)。ちなみに「青柳京古あるある」として、一緒にいる人間は必ず太るんです。本人は食べないと痩せてしまう体質で、とんでもない量の食事を摂ります。そうして周りも同じペースで食べていると、気がつけばプクプクに...。一緒に食事する際は皆さん、お気をつけて。
■男子の注目試合は、第6節GAME1(11月29日)の大阪ブルテオンvs.広島サンダーズ
男子からピックアップするのは大阪ブルテオンと広島サンダーズの試合です。大阪Bのアントワーヌ・ブリザール選手と、日本代表でもプレーする広島THの永露元稀選手による両セッター対決に注目が集まりました。
フランス代表のブリザール選手は今季から来日し、ノールックでトスを上げたり、「そこからクイックを使うの!?」とうなるようなセットアップを繰り出すさまは、まるでマジックショーを見ているようです。本当にどこにトスを上げるかわからないので、テレビ中継のカメラすら揺さぶられるシーンがありますし、ときには味方がだまされる場面も。その試合では、大阪Bのミドルブロッカー・西川馨太郎選手が、おそらく想定していなかった状態でクイックを上げられたことに驚き、ブリザール選手から指摘されている様子が見受けられました。ブリザール選手がいることで、アタッカーとしては集中力を切らすわけにいかないという意識が強くなるでしょう。
実は、私はブリザール選手と同い年なんです、それに野球の大谷翔平選手も。信じられないですね、ほんまに(笑)。あれだけ上手なセッターなので、一度トスを打ってみたいです。いいトスをずっと打っていると、そのうちセッターへの感謝を忘れるんですよ。これは「バレーボールあるある」の一つで、やがてセッターが新しい選手に変わったときに、前の選手がどれほどいいトスを上げていたかを痛感するという。大阪Bの選手たちも今、ブリザール選手のトスを「打つのが楽しい」と口にしている様子を見聞きしますから、たとえ私の技術が足りなくても、ブリザール選手はいいアタックを打たせてくれそうな気がします。

西本圭吾選手(広島サンダーズ)
(C)SV.LEAGUE
また、この試合で私は両チームのミドルブロッカーにも注目していました。広島THの西本圭吾選手には、私のYouTubeチャンネルに出演していただいたことがあります。ご自身の母校である福山平成大学で現役生を指導してもらう企画をして、そこで専門性をまじえたきめ細かな指導をされていました。とても勉強になりましたし、西本選手が出るシーンは画面が熱いです(笑)。
一方の大阪Bは、エバデダン ラリー選手の得点後のパフォーマンスにワクワクしますね。(腕をかつぐようにして上に曲げる)"ラリーポーズ"は日本代表でも流行りましたが、最近はそれを封印したといいますか、新しいポーズをいくつか繰り出しています。攻撃力はもちろん、パフォーマンスの幅も増やして進化しているんだと感じます。
かつての私は試合を見るのが苦手で、ただボールを追っているだけでした。けれども学生時代に「ボールを使っていない選手の動きや自分と同じポジションの選手に注目してごらん」と言われて、コート上の選手一人一人に目が届くようになりました。今は楽しく試合を観戦していますが、「これは、あるあるネタに使えそうだ」と思って、その場でメモを取ることはありますね。それに、バレーボールに関連するお仕事をさせてもらっていると競技の知識も少なからず増えていくので、試合を見る際の視点もさらに深くなっていると実感します。
この先の夢は、もう一度、現役に復帰してオリンピックに行くこと!!というのは一旦、横に置いて(笑)。実は昨年、小学生を対象にしたバレーボール大会「さとゆり杯」を開催しました。お笑い芸人として自分が活躍することも大事ですが、子供たちがバレーボールを楽しめて、競技に励んでいる子供たちが輝ける場をもっともっと提供したいです。やはり、バレーボールなくして今の私はいませんから。"バレーボール芸人・さとゆり"なりの関わり方で、新しい角度からバレーボール界が盛り上がるようなことをたくさん実現できればと思います。
PROFILE
1994年9月8日生まれ。兵庫県出身。兵庫県立氷上高等学校在学中に出場した春の高校バレーで準優勝の経歴を持つ。
取材・文/坂口功将




