当たり前のことを高強度で泥臭く前進するチームへ。【飯沼蓮/浦安D-Rocks SH(スクラムハーフ)】ラグビーが教えてくれたこと~楕円球に魅せられた人々の熱い思い~
スポーツ インタビュー
2026.01.20
昨季、入替戦で残留し、2年目のディビジョン1に挑む浦安D-Rocks。若きリーダーSH飯沼蓮選手に、今季の戦い方と構築中のチームのDNA、さらには自身の目標について聞いた。
――昨季、初めてディビジョン1を戦い、最下位に終わりました。昨シーズンを振り返っていただけますか?
「初のディビジョン1は、本当に苦しいシーズンでした。前半戦は大差で敗れる試合が多く、自分たちの通用しない部分と向き合う時間が続きました。ただ、後半戦になるにつれチームが良くなり、自信も持てるようになりました。その一方で、80分間の中で10分ほどスイッチが切れてしまう時間帯があり、今季は80分の中で集中が切れる時間を無くすことが課題です。ディビジョン1は甘くないと実感しつつも、もっとやれるという期待も生まれましたし、最終的に残留できたことは良かったと思います」
――個人的には昨季はどんなシーズンでしたか?
「前半は悩むことが多くて2試合ほどリザーブになりましたが、それが自分を見つめ直す良い機会になりました。自分の強みやメンタリティを考え直し、ミスを恐れず直感的にプレーすることで、後半はパフォーマンスが向上し、自分のラグビーが形になってきた感覚があります」
―― 印象に残っている試合はありますか?
「故郷・山梨での東京サントリーサンゴリアス戦です。35-40で負けはしましたが、ディビジョン1で戦えるという手応えを感じられた試合になりました」
――今季に向けてチームとして自信のあるところは?
「良い選手が多く揃っていることです。ただ、ラグビーは個人プレーだけで勝てるスポーツではありません。D-Rocksはまだ若いチームで、今はチーム文化やDNAを作り上げている段階です。苦しい場面でも自分たちの強みを信じ切れるチームが強いと思っていますが、今の自分たちには80分間を通した集中力とタフさがまだ足りていません。特に試合の一部で集中が途切れることが課題です」
――チームのDNAとして、どのようなところを強くしたいと思っていますか?
「タフであること、接点やブレイクダウンに強くこだわること、そして当たり前のプレーを高いインテンシティ(強度)でやり続けることです。今シーズン、新しく就いたグラハム・ラウンツリーHCもタフな指導をされ、練習量は他チームの2倍に感じるほどです。特にコンタクトの部分では、他チームに負けない自信があります」
――ラウンツリー新HCの指導はいかがですか?
「経験豊富で、選手との距離感も良く、練習は厳しいですがユーモアもありバランスの取れた指導をされる方だと感じています。難しい言葉より、「当たり前のこと」を繰り返し求めるスタイルで、継続することの大切さを教えてくれています」
――あらためて今季のチームの強みは?
「フィジカルとフィットネスに強みがあり、後半に強い『ラストクォーター(最後の20分)チーム』を目指しています。80分間、苦しい中でも、自分たちのペースに持ち込めることが武器です。前半で焦らずプランを実行し、後半に主導権を握る試合運びを理想としています」
――今季のチームと、個人の目標は?
「チームとしてはタフで泥臭いプレーを見せ、入れ替え戦圏内を確実に回避したいです。シーズンを通して自分たちのプロセスを大切にしていけば、自然とそれ以上の結果が見えてくると思います。個人としてはゲームコントロールだけでなく、アグレッシブにチームを引っ張り、攻守にわたって良い流れを生み出すプレーをしたいと思っています」
――昨夏、日本代表での活動も経験しました。代表への思いは?
「日本代表の活動ではコミュニケーションの重要性を学びました。エディー・ジョーンズHCからは味方選手の名前を呼んで、細かく指示を出すことを求められました。今はチームでも常に声を出し続けることを意識し、コミュニケーション力のさらなる向上を目指しています。もちろん日本代表でプレーすることは目標ですが、そこにこだわりすぎず、とにかく常に最高の自分でいることが代表につながっていくと思っています。目標として持ちつつも、今の自分の状態を最高にしていくことを心がけています」
――最後にファンへのメッセージをお願いします。
「昨季は、多くの地域でたくさんの応援をいただき、本当に力になりました。今シーズンは昨シーズン以上の結果を出し、D-Rocksを応援して良かったと思ってもらえるよう努力します。しっかりファンのみなさんに恩返しをしていきたいです」
Personal Words
ラグビーで組織やチーム文化を
信じ切る大切さを学びました
父も母もラグビーをしていたので、自然と3歳ごろから始めました。両親も弟も家族全員SHで、親からはパスなど直接教わりました。ラグビーで学んだのは組織やチーム文化を信じ切る大切さで、これはラグビー以外の社会でも生きる考え方だと思っています。趣味は読書で、メンタル面や脳科学などの啓発的な本を読むことにハマっています。オフはなるべく携帯電話には触らず"デジタルデトックス"をして、自然と触れ合うことでリラックスしています。
PROFILE
'00年2月8日生まれ。身長170cm /体重 75kg。山梨県出身。日川高校→明治大学→浦安D-Rocks。浦安加入1年目で主将を務め、2年目で1部昇格へ導く。ポジションはSH。U17、18、高校日本代表。
取材・文/斉藤健仁 (C)URAYASU D-Rocks




