小林陵侑が今シーズンへの意気込みを語る!「目標は、まず1勝」
スポーツ インタビュー
2024.11.14
開幕が迫る「スキージャンプ FISワールドカップ2024/25」。毎年繰り広げられる各国のジャンパーたちによる熱く、華麗な競演を今から待ちきれないファンも多いことだろう。そこで今回は、日本人男子として唯一総合優勝の経験がある小林陵侑選手に、昨シーズンの振り返りと今シーズンの見どころや意気込みなどを聞いた。
――プロ転向初年度となる2023/24シーズンは、2勝を挙げて個人総合2位、スキージャンプ週間は3度目の総合優勝という成績でした。この結果を振り返って、あらためてプロ転向1年目はどんなシーズンでしたか?
「個人的にはバタバタであんまり覚えていないですね(笑)。ただ、昨年は圧倒的にシュテファン・クラフトのシーズンだったと思います」
――プロとして独立されて感じたメリット、デメリットはありましたか?
「メリットしかなかったと思います。自分のやりたいようにやれたので、それによって結果が悪かったとしても自分のせいなので、ある意味でいい覚悟になりました」
(C)J SPORTS
――後半は好調をずっとキープされて僅差の2位も多かったですが、前半戦を終えて自分の中で切り替えた部分というのはあったんでしょうか?
「前半戦は気持ちが詰まっていた部分がありましたが、クリスマスブレイクもあって後半戦はいい感じで気楽にできたというか気持ちを切り替えられたなと思います」
――3月のラハティ大会では師匠の葛西紀明選手の記録を超える64度目の表彰台に上りました。師匠の記録を抜いたというところで、感慨深い思いなどはあったのでしょうか。
「周りで盛り上げていただけるのはうれしいですが、正直全く覚えていません。だからあまりなかったのかもしれません(笑)。ただ、昨シーズンの葛西選手は51歳でワールドカップに出て、ポイントを取っています。これって結構ヤバいことで、仮に僕が同じ年齢になった時にできるかと言われたら無理だと思います。なので、表彰台回数は超えたかもしれないですが、葛西選手に対しては揺るがないリスペクトを持っています」
――今シーズン、小林選手が注目している海外選手は誰ですか?
「クラフトは相変わらずだろうし、アンドレアス・ウェリンガーも強そうだと思います。あとはダニエル・チョフェニックがこの夏にちょっと足を痛めたそうですが、逆にいい感じで冬に入ってくるんじゃないかなと思っています」
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――日本人選手ではいかがですか?
「二階堂蓮選手はこの夏はちょっと苦しんでいるみたいですけど、たくさん失敗して冬につなげられればいいのできて欲しいですね。佐藤慧一選手も結構楽しみです。あの身長をうまく使いこなせて、スキーもちゃんとコントロールできている時がいい時だと思うので、本当にイメージだけだと思います。あとは佐藤幸椰選手ですね。開幕を勝ってから若干苦しんでいるみたいですが、あれほどジャンプが好きで考えている人もあまりいないので、もう1回爆発力を見せてくれるのかなと期待しています」
――最後に小林選手の今シーズンへの意気込みや目標とともにファンへのメッセージをお願いします。
「シーズンがどうなるかわからないですし、もしかしたら全く予選を通らないということがまた出てくるかもしれません。それでも、とにかく僕は表彰台の1位を目指して毎試合進化していきたいと思っているので、シーズンを通して見てもらえたらうれしく思います。目標で言えば、やっぱり勝つことです。厳しい戦いになるとは思いますが、まずはシーズン1勝を目指して頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
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文/安藤康之