【アイドルグループ・仮面女子/猪狩ともか】〜リハビリをする時は、ライオンズの存在が 心の支えになってくれます〜 第十一回 プロ野球愛宣言!西武ライオンズ編
スポーツ インタビュー
2025.12.20
不慮の事故により、車椅子でアイドル活動を続けている仮面女子・猪狩ともかさん。幼少期からファンだったという、西武ライオンズへの愛を語ってくれた。

――野球ファン、ライオンズファンになったのはいつからですか?
「母が職場の人の影響でライオンズファンになりまして、わたしもいつの間にかライオンズが大好きになっていました。小学校に入る前から母と一緒に西武ドームに遊びに行っていました。小学生の頃は野球を見ることより、球場に行くことが楽しかったんだと思います。『レオくんとライナちゃんに会いたいな』とか『ヘルメット型の容器に入ったアイスが食べたいな』みたいな感覚でした。高校生くらいからは試合の内容もしっかり見るようになって、ライオンズにどんどん心引かれていった感じです」
――応援をはじめた当時、いちばん好きだった選手は?
「松井稼頭央選手です。理由についてはあまりはっきりと覚えていないのですが...、おそらく幼いながらに『かっこいい選手だな』と思ったのではないでしょうか」
――これまでご覧になった試合でご自身が感動したり、印象に残っている試合は?
「'08年、ライオンズが日本一になった時のことはやはり印象に残っています。私は'18年に事故で車椅子生活になったのですが、高校2年生から専門学校の4年生までは西武ドームでアイスクリームの売り子のアルバイトをしていました。'08年の日本一はちょうどそのアルバイトをしていた時期で、売り子の一人としてライオンズの勝利をたくさん見ました。やはり強くてかっこよかった思い出があります。売り子をしている時は、しっかりと試合を見ることはできないのですが、大きな歓声を聞くと『点が入ったんだな』とか『面白い展開が起きたんだな』と背中でわかるので、ちょっと手を止めてグラウンドの様子を見たりしていましたね(笑)。そういえば当時、わたしの実家では調味料を瓶に入れていたのですが、片栗粉の入った入れ物には『片栗中中』と手書きのラベルが貼ってあったんですよ*。
(*当時、片岡易之、栗山巧、中島裕之、中村剛也の1番から4番の打順がファンの間でそう呼ばれていた)」

――ライオンズを推していて、アイドル活動には影響はありますか?
「どちらもファンの人あってこそ活動できるお仕事で、応援してもらえるから輝けるという共通点があります。よくファンの方から『ステージで頑張っている姿を見ていると、こちらも頑張ろうと思うんです』と言っていただくことがあるのですが、その気持ちは自分が野球を見ていて感じていたことと同じなので、すごく光栄ですね。そして自分がファン側である時は、その憧れの対象である野球や、プロ野球選手には感謝の気持ちでいっぱいだったのですが、実際に自分が〝応援される側〟になった時に、私もファンの皆さんにたくさん支えられていて、その存在のおかげで『頑張ろう』と思えていることに気づきました。お互いがお互いを必要としている関係なのだと今は思っています」
――'18年、'19年のリーグ優勝の時の思い出は?
「'18年はわたしが事故で怪我をした年で、ちょうど一番苦しい時期だったので優勝がとても嬉しかったことを覚えています。事故によって車椅子生活になったけれど、車椅子でも球場で試合を楽しむことができましたし、さらにチームの優勝を見させていただきました。'19年もリーグ優勝をして、2連覇を見ることができて幸せでしたね。当時、リハビリをするときにはライオンズの存在が支えてくれました。最近、わたしは装着型のサイボーグをつけてウオーキングするリハビリを行っているのですが、目の前に栗山さんが掲載された雑誌を開いて置いています。栗山さんの姿を見ながらリハビリをしたら、かなり効果が高かったんですよ。トレーナーさんに『これまでよりも、足が動かせていますね』って言われました(笑)」

――ライオンズといえば球場ご飯(獅子まんま)が有名ですが、猪狩さんのお勧めは?
「やっぱりクラフトピザ(L's CRAFT)が好きです。本格的に釜で焼いているピザで、どれもとても美味しいんですが、特にお気に入りなのはペパロニですね。スモアとか甘い、デザート系のピザや5種類のチーズを使ったピザなどもお勧めですよ」
――'25年シーズン、猪狩さんがライオンズ選手を表彰するとしたらどの選手ですか?
「贔屓目もありながら、西川愛也選手です。プロ野球選手って成績と比例して人気がアップしていくと感じるんですが、'25年シーズンの西川選手はこれまでにも増して人気が出ているなぁというのを肌で感じました。やっぱり昨シーズンの結果が人気として表れているんだと思います。ノーヒットが続いた時期(63打席)もあって、それを乗り越えての今があると考えると、本当に輝いて見えますよね。球場でも西川選手の名前入りユニフォームを着ている人が増えていますけど、私もビジターユニフォームのほうは西川選手の名前が入ったものを持っています!」

――'25年シーズン、ライオンズの選手で新人賞を選ぶとしたらどの選手ですか?
「渡部聖弥選手です。実は私、今、『渡部選手って新人だっけ?』って一瞬考えてしまいました(一同笑)。それくらいチームに馴染んでいて、中心的存在で、今季、活躍していましたよね。本当に『新人なのかな?』と思うくらいの素晴らしい活躍でした」
――来季、ライオンズが優勝するために猪狩さんがキーマンだと思う選手は?
「期待を込めて武内夏暉投手ですね。私、武内夏暉投手が入団して初めての登板となった4月4日の試合でセレモニアルピッチをさせていただいたんです。その試合で武内投手は見事、初勝利を挙げたのでご縁を感じますし、ルーキーだったシーズンに二桁勝利を挙げて新人王にも輝いた選手。とても期待しています」
――'25年シーズン、球場で見たライオンズファンの印象は?
「すごく楽しそうですよね。特に外野席のファンの皆さんはとても活気があります。熱心に応援される方を見ると『わたしも頑張って応援しなきゃ!』という気持ちになりました。外野にも車椅子席があるので一緒に応援してみたいです。そういえば車椅子席に行くときは外野席の真ん中にある通路を通るのですが、いつもファンの皆さんに『いがともちゃん!』って声をかけていただいて、それもすごく嬉しいです。球場で見かけたらまたぜひ声をかけてください!」

――普段は、どのように試合をチェックされていますか?
「球場へ行けない時は、スマホに入れた速報アプリで試合経過を追ったり、配信などで試合を観戦することも多いです。ただ、お仕事の合間などで外にいるときは基本的には映像より速報で見ることが多いかもしれません。すごく気になる試合だと移動中の車で、スマホで配信を見ることもあります」
――球場へも通われているようですね。
「テレビ観戦は解説を聞きながら見られる楽しさもありますが、球場では生観戦だからこその雰囲気、臨場感を楽しみながら見ています。得点が入ったときには球場全体がワーッと盛り上がりますし。ライオンズは応援フラッグが名物なのですが、一斉にフラッグが降られて、スタンド一面にひらめく風景は本当に感動します。そういう景色を見ると『やっぱり生観戦っていいなぁ』って思います」
――来シーズン、ライオンズに期待することは?
「まずは、ドラフト4位で指名された東北福祉大の堀越啓太選手に注目しています。飯能出身の選手で、私もほぼ地元なので応援しています!堀越選手を含めたルーキー全員、期待していますので頑張ってもらいたいです。もちろん栗山巧選手、中村剛也選手、炭谷銀仁朗選手といったベテラン勢にも頑張ってほしいです。お三方にチームを支えていただいて、新人や若手選手が力を発揮できるようにぐいぐい引っ張っていってほしいですね」

私が怪我をして苦しい時期だった
'18年の優勝はとても嬉しかったです!
Profile
猪狩ともか
'91年12月9日生まれ。埼玉県出身。'14年から芸能活動を開始。候補生・研究生などを経て、'17年にアイドルグループ仮面女子でデビュー。翌18年、事故により脊髄を損傷。以降、車椅子でのライブ出演を行う。作詞活動や障がい者理解を広めるための発信、講演活動など幅広く活動を行っている。
取材・文/市川忍 撮影/佐野美樹




