五輪金メダリスト・ウルフアロン、1・4でプロレスデビュー。"勝ちへの執念"語る

五輪金メダリスト・ウルフアロン、1・4でプロレスデビュー。"勝ちへの執念"語る

2020年東京オリンピック(開催は2021年)・柔道男子100kg級金メダリストのウルフアロンが、柔道引退後の第二の人生として選んだのは、なんと新日本プロレスへの入団。小川直也以来となる五輪メダリストのプロレスラー転向として注目を集める中、デビューの舞台として用意されたのは、2026年1月4日(日)の東京ドーム大会。そのデビュー戦を目前に控えるウルフアロンに、現在の心境、そして、プロレスへの思いを聞いた。

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──柔道引退後の次の舞台としてプロレスという場所を選んだのは、なぜだったのでしょうか?

「もともとは、大学生の頃に新日本プロレスの試合をテレビで見て『いつか自分もこういうことをやってみたい』という気持ちがあったんですね。柔道とは違った表現の仕方だったり、相手と気持ちをぶつけ合う部分に心を打たれたというか。その後、柔道を引退しようと思った時に、ここから何を自分の人生の軸にしようかと考える中で、真っ先に思い出したのがプロレスのことだったんです」

──現在はデビュー前の練習生という立場ですが、実際に少しプロレスの世界に足を踏み入れてみて、プロレスの難しさは感じていますか?

「そうですね。以前、永田(裕志)さんに、『柔道は対戦相手と戦うけど、プロレスは観客とも戦わなきゃいけないんだ』って教えていただいて。例えば柔道の場合は、対戦相手に力が伝わっていればいいんですけど、プロレスでは、自分がやろうとしている動きは、観客にもその意図が伝わらないとダメなんです。そこの頭の切り替えを今は必死でやっているところです」

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──EVIL選手がデビュー戦の対戦相手に決まりましたが、試合に懸ける思いは?

「プロレスのキャリアとしては全然かなわないとは思いますけど、これまで僕が柔道で培ってきた力や、この半年間、道場で学んできたものをしっかりと見せつけて、絶対に勝ちたいと思っています。EVILの得意技の『EVIL』は柔道の大外刈りに似ているんですけど、僕、柔道の試合で大外刈りで負けた記憶がほとんどないんですよ。だから、あの技では投げられない自信はありますね」

──試合が目前に迫ってきましたが、今はどんな心境ですか?

「もう、そわそわしますよね。時間がない中で、どんな準備をしていけるのかって。ただ、僕はそこでデビューをするだけで、実際にはそこからずっと試合が続いていくんですよ。皆さん、そこで一旦終わりみたいに思ってるけど(笑)」

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──確かに、そうですね。実際、翌日にも大会はありますからね。

「いつも1月4日の話ばかり聞かれますけど、そのためだけに練習しているわけじゃないから。1月4日で引退するのは棚橋(弘至)さんで、僕はそこからが始まりなので、そこは皆さん、お忘れなきように(笑)。そのデビュー戦は、僕がこれからプロレスをしていく中で一番下手な試合だと思うんです。もちろん、下手なりにやれることは全部ぶつけるつもりですけど、そこから成長していく僕の姿にも注目してほしいですね」

──ちなみにウルフさんは、現在、TBSラジオでパーソナリティを務めていたり、バラエティ番組でも活躍されていますけど、今後は、そういったプロレス以外の仕事にも積極的に挑戦していくんでしょうか?

「いや、プロレス以外というか、プロレスにつながるものならば積極的にやっていきたいという考えですね。これからはプロレスが自分の軸になるので、その軸を太くするためのものならば、何でもやっていきたいですけど。ただ、家に隠しカメラを付けられるドッキリ企画とかは絶対に嫌ですね(笑)」

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──先ほどもお話が出てましたけど、デビューの日に引退される新日本プロレスのエース・棚橋選手への思いは何かありますか?

「正直、まだ関わらせてもらった時間が短いんですけど、近くで棚橋さんを見ていて、周囲への丁寧な対応の仕方とかは本当の勉強になります。いつかは僕も棚橋さんのように新日本プロレスを背負うレスラーになれるように成長していきたいと思っていますけど、棚橋さんほどの対応は、僕にはできないかな(笑)」

──以前、棚橋さんもこのページに出ていただいたんですけど、その時も、まさに現場のスタッフ全員への"神対応"でした。

「棚橋さんは、どこでも、誰に対してもあの対応なんですよ。僕は性格悪いから、『家で一人でいる時に舌打ちとかしないのかな?』とかって思っちゃいますよね(笑)。だから、棚橋さんにはとても追い付けないけど、僕は僕なりの"ウルフアロン像"みたいなものを形成していければいいのかなって思っています」

──その"ウルフアロン像"の最終形みたいなイメージはありますか?

「今のところイメージはないですけど、僕は割と毒も吐くタイプなので。プロレスラーとしてはそこも上手く活用していきたいですね。まだまだ、オブラートに包んでしゃべっていますから。なめたら溶けちゃうボンタンアメぐらいの薄い膜ですけど(笑)」

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──最後に、ジェイコムの視聴者へメッセージをいただけますか?

「1月4日の僕のデビュー戦は、できればテレビではなく、東京ドームまで見に来ていただければと(笑)。僕も以前は、プロレスはテレビの方が見やすいと思っていました。でも、実際に会場へ足を運んだら、試合の音とか、観客の声援とか、臨場感が全然違っていて。『これは会場で見なきゃダメだわ』って気づいたんですよ。なので、お時間のある方はなるべく会場で。それでも無理な方はジェイコムでお楽しみください!」

文/八木賢太郎 写真/中川容邦

ウルフアロン独占密着250日 1.4プロレスデビューまでの舞台裏「ゼロからの挑戦」GET SPORTS特別編

放送日時:2025年12月27日 19:00~

チャンネル:テレ朝チャンネル2

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