福岡ソフトバンクホークスの川瀬晃選手が語る映画『FUKUOKA SoftBank HAWKS REVIVAL―2024優勝の軌跡―』の見どころ
スポーツ インタビュー
2025.03.28
福岡ソフトバンクホークスの2024年の戦いを綴った長編ドキュメンタリー映画『FUKUOKA SoftBank HAWKS REVIVAL―2024優勝の軌跡―』が、2025年2月20日(木)よりJ:COM STREAMの見放題で独占配信中。白熱した試合の裏側や選手たちの素顔など、チーム専属カメラだからこそ捉えることができた貴重映像がたっぷり収められている。
今回は、ホークスでユーティリティープレーヤーとして活躍する川瀬晃(ひかる)選手に、本作の見どころや作品から感じた思いなどについてインタビュー。昨シーズンの手応えや、プロ10年目を迎える今シーズンの抱負とともに語ってもらった。
僕たちと一緒に優勝したような気分に浸ってほしい
――まずは、映画をご覧になった感想から聞かせてください。
「選手の準備の仕方や怪我との向き合い方など、普段目にすることのできない部分が、細かく描かれている点が魅力だと思います。また、ベンチからの撮影はとても迫力があります。映画を見ている方が、選手たちと一緒に優勝したような感覚を味わえるのではないでしょうか」
――印象深いシーンはありましたか?
「京セラドーム大阪でのミーティングのシーンが、今でも印象に残っています。実際にあの場にいたのですが、小久保監督の口から出た"替えのきかない選手"という言葉が心に響きました。そういう選手になってやるぞという決意とともに、このメンバーで絶対に優勝したいという思いも生まれました。あのミーティングから、2024年のシーズンが始まったと言っても過言ではありません」
――ご自身が活躍するシーンも登場しますね。
「一年を通してカメラが回っていることは知っていました。ただ、自分では気づかないところも撮ってくださっていたので、その時の心情を思い出しながら楽しく鑑賞させてもらいました」
――映画のなかで、選手としての"美しさ"への問いかけがありました。ご自身にとって、"美しさ"とはどういうものでしょうか。
「"選手としての立ち振る舞い"だと思います。美しさというものは、プレー中やベンチにいる時など、ひとつひとつの所作に現れます。多くのファンが見守るなかで野球ができるのは、とても特別なこと。だからこそ、プロとして恥ずかしくない立ち振る舞いを常に意識しなければいけません」
映画で描かれている"プロ野球選手のすごさ"を、もっと体現したい
――さて、2024年は開幕から1軍定着、自己最多となる105試合出場と、これまで以上に存在感をアピールできたのではないでしょうか。ご自身はどのように捉えていますか?
「シーズンを通して1軍に定着できたのは初めてだったので、よい経験をさせてもらいました。自己最多出場を更新したことで自信につながったし、それを超えたいという意欲も湧いてきました。ただ、スタメンの数が減ってしまったことは、やはり心残り。走攻守にわたって、もっとレベルアップする必要があると感じています」
――手応えを感じた部分はありますか?
「年々、守備の面で安定感が増しているという実感があります。だからこそ、途中出場の機会も増えたのかなと思います。常に完璧な状態でいることは簡単なことではありませんが、いつ呼ばれてもいいように、初回からしっかり準備しておくことを心がけています」
――特に印象に残っている試合を教えてください。
「やはりプロ初のサヨナラ安打を放った試合(2024年4月27日・対埼玉西武ライオンズ)ですね。外野が前進守備だったということもあり、打った瞬間は抜けると確信しました。それまではベンチで選手を迎える側でしたが、迎えられることは初めてだったので、すごく興奮したのを覚えています」
――今シーズンはさらなる飛躍が期待されますね。どのような一年にしたいですか?
「打たないと試合に出られないということは、自分でも強く感じています。チームバッティングはもちろん、打率も気にしながらスタメンの数を増やしていきたいですね」
――最後に、J:magazine!の読者とホークスファンの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
「スタメンで9回まで出場することを目標に掲げているので、そこに注目して応援してもらえたらうれしいですね。この映画で一年を振り返ることで、今年こそは日本一を獲りたいという思いが強くなったし、より多くの試合に出たいと改めて感じました。映画で描かれている"プロ野球選手のすごさ"を、もっと体現できるように頑張ります」
文/岩崎洋明 撮影/菅祐介