2024年のJLPGAツアーを彩った竹田麗央、小祝さくら、山下美夢有ら注目の女子プロゴルファーたちに迫る!
2025.01.09
JLPGAツアーの2024年シーズンを締めくくる「JLPGAアワード2024」が、12月17日に東京都内のホテルで開催された。年間最優秀選手賞である「JLPGA Mercedes-Benz Player of the Year」をはじめ、賞金ランキング1位、平均ストローク1位、明治安田新人賞、敢闘賞など、今年のトーナメントで顕著な成績を上げた選手たちを表彰。そんな彼女たちが活躍した今年度のJLPGAツアーの激闘を振り返る。
圧巻の成績を残した竹田麗央や山下美夢有らの活躍!
2024年シーズンの活躍が最も印象的だったのは、やはり賞金女王に輝いた竹田麗央だ。プロ3年目の今季、4月に地元の熊本で行われた「KKT杯バンテリンレディスオープン」で待望のツアー初優勝を飾ると、翌週の「フジサンケイレディース」も制して2週連続優勝の快挙を達成。その後も破竹の快進撃を見せて、9月には「ソニー日本女子プロ選手権」でメジャー初優勝、9月の「日本女子オープン」も制してメジャー2連勝を達成した。年間8勝という圧倒的な成績で、賞金総額は2021年シーズンの稲見萌寧の記録を超え、史上最高額となる2億6573万16円に達した。
竹田にとってはまさに最高のシーズンとなったが、「こんなに優勝できるとは思わなかった」と言いながらも「今年は予選落ちが4試合もありました。終盤の大事な試合で予選通過ができなかった2試合は、本当に悔しい」と、反省の言葉も忘れない。今季の竹田は自重のトレーニングメニューを中心に、体幹を鍛えることを重視。その成果が飛距離に表れ、ドライバーのヘッドスピードがアップ。持ち前のパワーフェードボールに磨きをかけた。2025年はUSLPGAツアーに挑戦することを表明しており、アメリカでの飛躍が楽しみだ。
3年連続の年間女王こそ逃したものの、山下美夢有の活躍も見事だった。ツアー前半は苦戦が続いたものの、10月の「富士通レディース」で今季初優勝。11月の「大王製紙エリエールレディスオープン」では、初日から首位を明け渡さない完全優勝で今季2勝目。「262」ストロークは2022年大会で藤田さいきがマークした大会レコードを抜き、72ホールのツアー最少ストローク記録を達成した。USLPGAツアーの最終予選会ではトップ通過。竹田と同じく、来季から長期の海外挑戦が始まる。
また、賞金ランキング2位となった小祝さくらも、ツアー2勝を挙げて注目を集めた。3月の「ヤマハレディースオープン葛城」では鮮やかなプレーで逆転優勝を果たし、6月の「アース・モンダミンカップ」では通算16アンダーで優勝。シーズンを通じて安定した成績を収めた。さらに、「全米女子オープン」でも9位タイと健闘し、世界の舞台でもその実力を示した。
アメリカツアーといえば、USLPGAツアーにおいて新人賞「2024 Louise Suggs Rolex Rookie of the Year award」を受賞した、西郷真央の活躍も光った。この受賞は1990年に現JLPGA会長を務める小林浩美以来、日本人2人目のルーキー・オブ・ザ・イヤーという快挙。6月の「全米女子オープン」で2度目の栄冠に輝いた笹生優花、7月の「エビアンチャンピオンシップ」でメジャー初制覇の古江彩佳と共に海外での日本選手の活躍が光った今シーズン。「JLPGAアワード2024」でも3選手の快挙がたたえられた。
さらに、若手の活躍も目立った今シーズンにおいて、特に鮮やかだったのがイ・ヒョソン。5月の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」で、当時アマチュアながらJLPGAツアー初優勝を達成。15歳176日での優勝はJLPGAツアー史上最年少記録を更新した。7月にJLPGAに入会し、晴れてプロデビュー。「ソニー日本女子プロゴルフ選手権大会」以降の9大会に出場し、今後の飛躍が期待されている。
最強男子×最強女子×最強シニアが対決する団体戦
また、1月は「Hitachi 3Tours Championship2024」の模様も放送。本大会は、国内ゴルフツアーの男子JGTO、シニアPGA、女子JLPGAより、2024シーズンを戦い抜いたスタープレーヤーが集結し、団体対抗戦で激突する。今回は、千葉・京葉カントリー倶楽部を舞台に12月8日に行われたが、ベストボール方式の1stステージ、各組合計12ポイントを争うオルタネート方式の2ndステージで争われた。JLPGAチームは竹田麗央をはじめ、桑木志帆、佐久間朱莉、古江彩佳、河本結ら今シーズンを盛り上げた精鋭たちがそれぞれ活躍。特に、初出場ながら派手なプレーで魅了した佐久間の存在感が光った。日本女子のレベルの高さを大いにアピールし、例年にも増して見ごたえ抜群の大会となった。
文/渡辺敏樹