宮世琉弥の「沼」に落ちる!『顔だけじゃ好きになりません』『恋わずらいのエリー』で見せるギャップの魔力

圧倒的なビジュアルと、役ごとに印象を塗り替えていく演技力。若手俳優の中でも、宮世琉弥はひときわ目を引く存在だ。映画『顔だけじゃ好きになりません』では、学校イチ顔が良い青髪の先輩・宇郷奏人に。『恋わずらいのエリー』では、さわやかな笑顔の裏に毒舌を隠した"オミくん"こと近江章に。どちらも少女コミック原作の学園ラブコメディーで、立ち位置だけを見れば"学校イチのモテ男子"。ところが、だ。2作品を続けて見ると、その印象は驚くほど違う。

整った顔立ちに目を奪われたはずが、いつの間にか追いかけているのは、その奥にちらりとのぞく別の顔。宮世琉弥という俳優の引力は、ビジュアルの先に待つ「ギャップ」にあるのかもしれない。奏人先輩とオミくん。タイプの異なる2人を入り口に、その"沼"をのぞいてみたい。

■クールな先輩の"こじらせかわいい"素顔『顔だけじゃ好きになりません』

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2025年3月7日に公開された『顔だけじゃ好きになりません』は、安斎かりんの同名コミックを、『ライアー×ライアー』などの耶雲哉治監督が実写化したラブコメディー。

宮世が演じる宇郷奏人は、学校イチ顔が良いと評判の青髪男子。整った顔をこよなく愛する才南にとっては、遠くから眺めているだけでも幸せな"推し"だ。ところが奏人は、授業をサボりすぎて退学寸前。学校公式SNSのフォロワー10万人達成が退学撤回の条件となり、才南にSNSの"中の人"を頼んだことから、推しとファンによる極秘ミッションが始まっていく。

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まず目を奪われるのは、やはりそのビジュアルだ。鮮やかな青髪も含め、漫画から飛び出してきたような存在感。しかも原作者の安斎によれば、連載開始直後から読者に「奏人先輩に似てる!」と宮世の名前を挙げられていたという。才南が一目見るたびに大騒ぎするのも、無理はない。

けれど、奏人の本領はそこから先。クールで近寄りがたく、何を考えているのかもつかみにくい。そんな彼が才南と過ごすうち、少しずつ感情をのぞかせていく。不意打ちのハグやキス未遂で翻弄したかと思えば、ふとした瞬間にこぼれる不器用さ、そして弱さ。

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才南がどんどんひかれていくのは、そんな"こじらせかわいい"素顔だ。宮世が舞台挨拶でポイントに挙げたのも、「ほかの女の子に見せない、才南だけへの笑顔などの表情」。耶雲監督も「才南にだけ見せる笑顔や、弱い表情、すねている感じとかキュンとした」と絶賛していた。

胸キュンの作り方にも、宮世自身のこだわりがにじむ。耶雲監督によれば、劇中の壁ドンはもともと脚本になかったもの。宮世の提案で加えられたのだという。ドキッとする一瞬まで考え抜かれた奏人だからこそ、"顔が良い"のさらに先へと引き込まれてしまうのだろう。

■さわやか王子の"ウラ"がクセになる『恋わずらいのエリー』

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そんな奏人とは違う方向から"ギャップ"を見せてくれるのが、2024年3月15日公開の『恋わずらいのエリー』だ。藤ももの同名コミックを三木康一郎監督が実写化。原菜乃華とのW主演で、宮世にとって映画初主演作となった。

演じるのは、学校イチのさわやか王子・近江章、通称オミくん。地味で目立たないエリーにとっては、彼を眺めながら妄想を膨らませ、その内容を"恋わずらいのエリー"の名前でSNSにつぶやくことが日々の楽しみだった。

ところが、その王子様にはとんでもない"ウラ"があった。実は口が悪く、エリーに自分の素顔を知られてからは、からかうように距離を詰めてくるオミくん。おまけにエリーの妄想まで本人にばれてしまい、現実の恋は妄想以上に騒がしく動き出す。

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ここでクセになるのが、宮世の表情の切り替えだ。みんなの前では、文句なしのさわやかスマイル。ところがエリーと2人になった途端、視線も空気もふっと変わる。からかうような顔を見せたかと思えば、今度はアンニュイな表情。

しかもこのオミくん、モテるのに恋には意外と不器用。余裕たっぷりにエリーをからかっていたはずが、いざ自分の気持ちが動き始めると、顔を出すのは戸惑いや照れ。その照れ顔一つにもこだわりがあったようで、宮世は公開後の舞台挨拶で「原作で描かれた、オミくんが恥ずかしくなる時に口が波打って見える表情を再現するのが難しかった」と振り返っている。

めくるたびに違う顔が現れて、つい「もう少し知りたい」と思わされてしまう。それがオミくんのずるさだ。

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■ラッパーに死神、刑事まで!1つのイメージに収まらない演技の振り幅

もちろん、宮世の引き出しはラブコメディーだけではない。2022年のドラマ「君の花になる」では、劇中ボーイズグループ・8LOOMのメンバー役で注目を集め、翌年の「パリピ孔明」では若き天才ラッパー・KABE太人に挑戦。2024年の「スノードロップの初恋」では、死神役で連続ドラマ初主演を果たした。

さらに2026年放送の「未解決の女 警視庁文書捜査官 Season3」では、自身初の刑事役に。お調子者でおしゃべりな"ポンコツ系陽キャ"という役どころで、また一つ異なる表情をのぞかせた。

華やかなビジュアルで観客をひきつけながら、役を演じるたびに、その奥にある新たな魅力を発見させてくれる宮世琉弥。クールな先輩の不器用な素顔も、さわやかな王子様が見せる意外な一面も、彼が演じるからこそ心を動かされる瞬間がある。役柄によって異なる表情を見せながら、どの人物にも思わずひかれてしまうようないとおしさを宿しているのが、俳優・宮世琉弥の魅力なのだろう。

次はどんな人物として、どんな表情を見せてくれるのか。知れば知るほど抜け出せなくなる宮世琉弥の"沼"は、まだまだ深そうだ。

文/すなくじら

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