若き日のジャッキー・チェンがよみがえる!2000年の時を超えた壮大な冒険『A LEGEND/伝説』

若き日のジャッキー・チェンがよみがえる!2000年の時を超えた壮大な冒険『A LEGEND/伝説』

1974年に製作されたものの、カンフーブームの下火によってお蔵入りとなり、後に『ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳』として再公開された幻の初主演作『タイガー・プロジェクト/ドラゴンへの道 序章』。ここから半世紀以上にわたり、アクション映画界のトップスターとして世界を魅了し続けてきたジャッキー・チェン。

そんな彼が、『レッド・ブロンクス』や『THE MYTH/神話』などでタッグを組んできた盟友スタンリー・トン監督と共に挑む最新作が『A LEGEND/伝説』だ。2000年の時を超える壮大な冒険と不滅の愛、そして最新技術によって実現した「若き日のジャッキー」と「現在のジャッキー」が交錯する本作の魅力に迫る。

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武術と喜劇を融合させた独自のアクションを確立

ジャッキーのスタイルの根底にあるのは、幼少期に中国戯劇学院の厳しい修行で身に付けた京劇や中国武術、そしてチャップリンやロイドらサイレント時代の喜劇王たちへの深いリスペクトだ。デビュー当初は「第2のブルース・リー」としてシリアスな武骨さを求められたものの、自身の持ち味とは合わず、長い低迷期を経験することになる。

しかし、ウー・シーユエンからのオファーで出演した1978年の『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランク・モンキー 酔拳』で状況は一変。華麗な武術にコミカルな笑いを融合させた独自の「カンフー・コメディ」スタイルを見事に開花させ、一躍アジアの大スターへと駆け上がった。その後は現代劇へと舞台を移し、『プロジェクトA』での時計台からのダイブや、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』での電飾ポール降下など、CGに頼らない数々の命懸けのスタントで世界中の度肝を抜いてきた。

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悲願の全米進出を支えた盟友トン監督との絆

そんなジャッキーにとって、今回の『A LEGEND/伝説』でメガホンを取るスタンリー・トン監督は、単なる仕事相手を超えた特別な存在だ。かつて全米進出を目指すも、現地のシステムとの違いから苦杯をなめたジャッキー。しかし、彼が悲願の全米ナンバー1ヒットを記録し、真の意味でのハリウッド進出を果たした1996年(香港公開は1995年)の『レッド・ブロンクス』で監督を務めていたのが、他ならぬスタンリー・トンだった。

以降も『THE MYTH/神話』『ライジング・ドラゴン』など、ジャッキーのキャリアにおける重要なターニングポイントとなる大作で幾度もタッグを組んできた2人。今回の「ジャッキー・チェン50周年記念アクション超大作」で、最強のコンビが再び顔を合わせ、かつてないスケールの冒険へと乗り出している。

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馬1万頭が大草原を駆ける圧倒的なスケール

『A LEGEND/伝説』は、ジャッキーが古代の謎を追う考古学者を演じて大ヒットを記録した『THE MYTH/神話』や『カンフー・ヨガ』の系譜を継ぐ"姉妹編"に位置づけられる。本作が描くのは、2000年の時を経て繰り広げられる壮大な冒険と、時空を超えた不滅の愛。その舞台として選ばれた新疆ウイグル自治区の大草原では、現代の映画製作では類を見ないほどの一大ロケーションが敢行された。

スクリーンを埋め尽くすほどの馬1万頭、そして1300人もの騎馬兵を動員した戦闘シーンは、まさに圧巻のスペクタクル。半世紀にわたって体を張り続けてきたジャッキーが、この広大な舞台でどのような大立ち回りを披露するのか、胸が高鳴るはずだ。

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最新AI技術でスクリーンによみがえる若き日の姿

本作における最大の驚きであり、見どころの一つとなるのが、最新のAI技術を駆使して「若き日のジャッキー」をスクリーンによみがえらせている点だ。劇中では過去と現代の記憶が交錯するミステリアスな物語が展開し、若き日の姿と、現在の円熟味あふれるジャッキーの両方が一つの作品に同居する。

トン監督によれば、「『ポリス・ストーリー3』で初めてタッグを組んだ、当時の37歳ごろの彼にどこまで近づけられるかが大きなチャレンジだった」という。劇中の過去パートでの役柄は27歳の若き将軍という設定。2019年の『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』でもVFXを用いた若返り演出があったが、本作では最新技術によってその精度が飛躍している。過去の膨大な映像アーカイブを持つジャッキーだからこそ成立する、映画史においても非常にユニークな演出といえるだろう。

半世紀以上にわたってアクション映画の第一線を走り続け、今なお進化を止めないジャッキー・チェン。その長きにわたるキャリアの重みを背景に、一番の理解者である盟友スタンリー・トンと共に放つ『A LEGEND/伝説』は、単なるアクション映画の枠に収まらない。長年のファンにはノスタルジーを、新しい世代には新鮮な驚きを与える本作は、まさに伝説の新たな1ページとして記憶に深く刻まれることだろう。

文/壬生智裕