朝ドラヒロインへの期待大!女優・河合優実の評価を高めた必見映画3選

朝ドラヒロインへの期待大!女優・河合優実の評価を高めた必見映画3選

2028年度前期の連続テレビ小説「ほんのモキチ」のヒロインに決定した河合優実。「あまちゃん」(2013年)以来、15年ぶりに宮藤官九郎が"朝ドラ"の脚本を担当する話題性はもちろん、放送開始まで約1年10カ月という異例の早さでの制作発表は、主演・河合に寄せられる期待の表れとも言えるだろう。

それに先んじて10月からは、爆発的に知名度を高めたドラマ「不適切にもほどがある!」(2024年)に続く宮藤作品となるNetflixシリーズ「俺のこと、なんか言ってた?」の配信も控えるなど、国民的女優への階段を順調に駆け上がっている河合。ここでは、2019年のデビュー以来、屈指の"若手実力派"として存在感を放つ彼女の、その卓越した表現力が味わえる映画出演作3本を紹介していく。

■日本アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞!壮絶な人生を体現した『あんのこと』

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2019年に18歳でデビューを飾ると、2021年に公開された『由宇子の天秤』や『サマーフィルムにのって』で国内の新人賞を総なめにし、瞬く間に頭角を現した河合。それから約3年――"ふてほど"こと「不適切にもほどがある!」でのブレイクを経て、2024年6月に劇場公開された主演映画『あんのこと』は、第48回日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞に輝くなど、キャリアのターニングポイントとなった1本といえるだろう。

演じたのは12歳から売春で金を稼ぐことを母親から強いられ、過酷な環境で育ってきた21歳の主人公・杏。覚醒剤使用容疑での取り調べをきっかけに、更生者支援を行う刑事・多々羅(佐藤二朗)と出会い、自助グループや介護の職場などに自分の居場所を見出していくが、コロナ禍での度重なる不運によって再び孤立してしまうという壮絶な役どころだ。

骨太な意欲作を放ち続ける入江悠監督のメガホンのもと、2022年のカンヌ国際映画祭・ある視点部門に正式出品され、河合の国際的評価も高めた『PLAN 75』の技術スタッフが集結した作品だけあって、歪んだ社会とその底辺で生きる女性の痛みを容赦なく描き出していく。河合が随所で見せる沈んだ表情や慟哭(どうこく)からも、想像を絶する杏の苦しみが痛いほど伝わってくる。

一方、多々羅との出会いを通じて知った安らぎのある生活に目を輝かせる表情は、まるで無垢な少女のよう。さらに思いがけず暮らしの中に転がりこんできた子どもを必死に育てる愛情深い一面も覗かせるなど、河合は「彼女の人生を、自分が生き直す」と意気込み、綿密な準備のもと、役と真摯に向き合いながら体現。痛烈な社会的なメッセージをはらんだ作品ながら、懸命に生きようともがくヒロインの心情をまざまざと浮かび上がらせた。

■圧倒的な熱量!同世代の女性監督・山中瑶子と念願のタッグを組んだ『ナミビアの砂漠』

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そして同じく"ふてほど"後の2024年に公開されたのが、1997年生まれの新鋭・山中瑶子監督による『ナミビアの砂漠』。本格的な長編第1作ながら、第77回カンヌ国際映画祭の監督週間で(女性監督として史上最年少となる)国際映画批評家連盟賞を受賞した秀作だ。

河合が演じた主人公も、『あんのこと』と同じ21歳。人生に目標もなく、漫然とした日々を過ごすカナ(河合)は、優しい恋人・ホンダ(寛一郎)がいながらも、刺激を求めて自信家のハヤシ(金子大地)に乗り換え、新生活を始めるが、自分でも制御できない感情に振り回されていく。いかにも"Z世代"な無気力さと自分勝手さを炸裂させているカナだが、どこか憎めないのは河合の演技の賜物。小悪魔的な愛らしさ、嘲笑的なまなざし、衝動的な激昂...137分間にわたって吹き荒れる感情のエネルギーと熱量が凄まじい。

またハヤシとの取っ組み合いの大喧嘩や刺激的な恋人同士の戯れなど、体当たりの芝居も圧巻だ。この熱演の裏側には、高校時代に観た山中監督の『あみこ』(2017年)に衝撃を受け、女優を志すきっかけになったという河合自身の想いも込められている。まさに、河合のキャリアを語る上で欠かせない1作だ。

■77歳の主人公(長塚京三)を惑わすミステリアスな大学生を好演!『敵』

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最後に紹介するのは、日本文学界の重鎮・筒井康隆の同名小説を吉田大八監督がモノクロームで映像化し、第37回東京国際映画祭でグランプリほか3冠に輝いた『敵』(2025年)。河合が演じているのは、12年ぶりの映画主演を果たした長塚京三扮する77歳の主人公・儀助の心を揺らす、ミステリアスな女子大生だ。

かつて大学でフランス文学を教えていた儀助は、預貯金であとどれくらい生きられるかを計算し、来たる最期の日に向け、余生を過ごしていた。慎ましくも充実した日々を送っていたある日、パソコンに「敵がやって来る」というメッセージが映し出され、穏やかな暮らしに不穏な影が立ち込めていく。

儀助が足繁く通うバーで出会い、仲良くなった矢先に忽然と姿を消す、どこか謎めいたフランス文学専攻の大学生・歩美を演じた河合。"夢や妄想に侵食されていく老人"という作品のテーマにもマッチした、彼女のさりげない色気が堪らない。夢か現(うつつ)か...物語から姿を消した後も、そこはかとない余韻を残す河合の存在感が絶妙だ。

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2024年1月期に放送された「不適切にもほどがある!」でのブレイク後、立て続けに劇場公開されたこれらの映画たち。天性ともいえる、作品選びのセンスの良さもさることながら、映画への熱量と飽くなきチャレンジ精神もうかがえる。"朝ドラ"ヒロインも楽しみだが、何よりスクリーンで輝きを放つ河合優実の存在感をじっくりと堪能したい。

文/武山奏戸

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