映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』に見る、キャラクターを際立たせる松本潤の細やかな芝居の魅力
2026.04.22
現在、ラストツアー「ARASHI LIVE TOUR 2026『We are ARASHI』」でアイドルとしてのラストランを迎えている松本潤。日本芸能史に燦然と輝く功績と色あせることのない存在感で日本中を虜にしたモンスターアイドルグループ・嵐のメンバーとして、多くのファンを魅了し続けてきた松本は、アイドルとしてだけではなく俳優としても比類なき才能を備えた押しも押されもせぬスターの1人。
いち俳優としてスポットを当てても、ライブや歌番組、バラエティー番組などで見せるアイドルとしての顔とはまた違った"役者としての魅力"がある。そんな彼の"役者としての魅力"が堪能できる作品が映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』(2021年)だ。
同作品は、個性豊かな刑事専門弁護士たちが、時にぶつかり合いながらも徹底した検証と鋭い観察眼、そしてチームワークで、99.9%逆転不可能とされる刑事事件に挑んでいく姿を描いた松本主演の連続ドラマシリーズ「99.9-刑事専門弁護士-」の劇場版で、ドラマ版の続編。松本演じる超型破りな弁護士・深山大翔、香川照之演じる敏腕弁護士・佐田篤弘の名コンビに加え、新たなヒロインとして杉咲花扮(ふん)する新人弁護士・河野穂乃果も加わり、0.1%の事実を求めて奮闘する。
深山(松本)が所属する斑目法律事務所の刑事事件専門ルームは、新所長となった佐田(香川)の下、新米弁護士・穂乃果(杉咲)も加わり、日々事件に挑み続けていた。そんなある日、彼らの元に、15年前に起きた天華村毒物ワイン事件に関する依頼が舞い込む。その事件には、謎の弁護士・南雲(西島秀俊)とその娘・エリ(蒔田彩珠)が関わっていた、という物語。
劇中で、ドラマに引き続いて超型破りな弁護士役として生きる松本は、2シーズンとSPドラマを経ているため、体に馴染んだかのように深山を熱演。そんな中で特筆すべきは、"考える時に耳を触る"などの個性の強い目立つ特徴はしっかりと表現しながら、一見それらに隠れている、ふいに見せる表情や口調、にじみ出る人間性を、同時に加味する表現が絶妙なところだ。
例えば、"面白くないダジャレを言う"という特徴に加えて、得意げな"ドヤ顔"をすることで、変人感に拍車をかけて人間性を表したり、"「え?」としつこいくらい何度も聞き返す"という特徴に加えて、小憎らしい表情を見せるなど、目立つ特徴に合わせて"助走"ともいえる細かな芝居で、"悪目立ち"しないように補完しているのだ。
どうしても主演として特徴のある主人公を演じることが多いため、役のキャラクターが伝わりやすい特徴的なポイントに耳目が集まりがちだが、実はそれらを表現するための土台となる部分をしっかりと綿密に演じ上げているところが、彼の"役者としての魅力"なのだ。
松本にしか出せない存在感と画面に映った時の華やかさといった"スターとしての魅力"はもちろん、彼の"役者としての魅力"にも注目してみてほしい。
文/原田健




