2025年ドラフトの目玉となるスラッガー 創価大学 硬式野球部(4年)立石正広 学スポ PRESS~若き挑戦者たち~ Vol.2
スポーツ インタビュー
2025.09.20
「秋季リーグは自分らしいプレーを心がけラストシーズンにふさわしい結果が残せるように頑張りたいです!」
'25年10月23日(木)に行われるプロ野球ドラフト会議。今年の最注目と言えるのが立石正広選手だ。長打力はプロと比べても上位クラスと評価され、複数球団による1位指名の可能性も高い。そんな立石選手に、秋に向けての意気込みやドラフトについてなどを聞いた。
――高校進学で高川学園を選んだ理由は?
「小学校の時に全国大会に出て、高川学園中学の監督に声をかけていただいたことがきっかけです。中学の部活がリトルシニアの連盟に入っていて、硬式のクラブチームという形でやっていて、そのまま高校に内部進学しました」
――甲子園('21年夏)ではホームランも打ちましたが出場した感想は?
「プレーよりも試合の前後に、高野連の運営の方から凄く急かされたのが印象に残っています。試合もあっという間に終わってしまったという感じです。ホームランを打てたことはやはり嬉しかったですし、大きな舞台で活躍できたことは楽しかったですね。ただ当時は"プロ野球へ行く"という考えはまったくありませんでした」
――創価大学を選んだ理由は?
「高校3年当時は、まだコロナ禍の影響があって大学の練習に参加することがほとんどできなかったんです。そんな中で、自分の親戚が創価大出身ということで縁あって練習に参加させてもらい、その後、熱心に監督から誘っていただいたことが決め手になりました」
――大学に入って感じたこと、影響を受けた選手などはいますか?
「入学当時4年生だった門脇誠さん(巨人)です。当時の監督からも『門脇を見て学べばプロになれる』と言われていたのですが、本当に意識が高くて、普段の取り組む姿勢から違いました。あれだけ努力されていた門脇さんでもドラフト4位という順位だったので、プロの世界は本当に厳しいんだなとも思いました。他校の選手では1年秋の関東選手権で対戦した古謝樹(こじゃたつき)投手(桐蔭横浜大→楽天)です。自分も調子は良かったのですが、まったくバットに当たりませんでした。こういう選手がドラフト1位なんだなと思いました。その試合は4年生が最後の大会で、せっかく(1年生の)自分が試合に出させてもらったのに結果が出せなかったというのも悔しかったです」
――3年生から大学日本代表に選ばれて、一緒にプレーした1学年上の渡部聖弥選手(西武)、西川史礁選手(ロッテ)などがプロでも活躍しています。そんな先輩方を見て感じるところはありますか?
「プロ入り1年目でもしっかり結果を残せるところは凄いと思います。ただ自分はこう見えても負けず嫌いなので、一緒にプレーしていてもスイングや打球の速度は決して自分が劣っているとは思いませんでした。ただ渡部さんや西川さんと比べると、自分はちょっとしたことで調子の波ができてしまうところがあるので、そこは今後、修正していく必要があると思っています」
――大学日本代表のチームで刺激になったことや、仲良くなった選手はいますか?
「今年からセカンドでプレーしていますが、同じセカンドの勝田成(近畿大)は守備が本当に上手くて、打球への入り方や捕ってから投げる動きなどは凄く参考になり刺激になりました。昨年一緒だった外丸東眞(慶応大)とは仲が良く、先日も一緒に食事に行きました。普段はふわふわしているように見えるのに、勉強もできるそうなので少し意外だなと思いました(笑)」
――今年春のシーズンを振り返ってみてどうですか?
「打率3割5分、ホームラン3本、打点10という目標を立てていたので、それをクリアできたのは良かったです。ただ大学選手権では初戦で敗れて、内野安打1本に終わったので、そこは不本意でした。特に相手の東亜大学が自分の出身である山口県のチームで、知っている人も多くいたので余計に悔しかったです」
――その後の日米大学選手権はどうでしたか?
「大会ではなかなか結果が出ませんでしたが、オープン戦から状態は良かったです。少し考え過ぎてしまった部分があって、最後は割り切って臨んで上手くいきました。あらためてメンタルが大事だなというのを学べたことは良かったです」
――自分が評価されていると感じるポイントはどこですか?
「バッティングの打球スピードや遠くへ飛ばせる部分だと思います。他の選手よりも長打、ホームランの確率は高い方だと思います」
――逆に課題と感じるところはどこですか?
「無駄な力が入るとどうしても左足を強く着き過ぎて、体が伸び上がった状態になり打ち損じることが多いです。いかに力を抜いて強く打てる打席を増やせるかを常に考えています」
――大学生活の4年間で成長したと感じる部分は?
「プレーはもちろんですけど、それ以上に自分で主体的に取り組めるようになったことだと思います。高校まではどうしても与えられたことをこなすという感じでしたが、大学では自分で自由に使える時間も多くて、そこを何にどう使えるかで変わってきます。サボろうと思えばいくらでもサボれますから。そういう点ではやはり門脇さんを見ていたというのは大きかったと思います」
――ドラフト会議と秋のシーズンに向けての意気込みは?
「色んな方が評価していると言ってくださるのですが、ドラフトは、本当に自分の名前が呼ばれるのかという不安はありますし、やはり緊張します。秋のシーズンは昨年、明治神宮大会で準優勝という悔しい思いをしたので、まずはリーグ戦が大事ですけど、全国優勝を目指しています。個人的には自分らしいプレーをして、ラストシーズンにふさわしい成績を残したいです」
・PERSONAL INFO
両親はバレーボール選手でしたが、子どもの頃から野球が好きで、仲の良い友達に誘われて小学校から本格的に始めました。野球以外の趣味は「YouTube」を見ることで、福留光帆さんと、かまいたちさんのチャンネルをよく見ます。プロに入って有名になれたら、ぜひお会いしたいですね。
・立石選手のプロフィール
'03年11月1日生まれ。山口県出身。高川学園3年で夏の甲子園に出場。創価大では4度のベストナインを獲得。3年時から大学日本代表で中軸を任せられ、国際大会でも活躍。
取材・文/西尾典文 撮影/佐野美樹