ラグビー日本代表の次世代を担う! 明治大学 ラグビー部(4年) 平 翔太 CTB(センター)
スポーツ インタビュー
2025.08.20
「関東大学対抗戦」の試合は盛り上がるので、
ファンの熱さや応援の雰囲気にも注目して見てほしいです。
いよいよ9月13日に開幕する関東大学ラグビー。大学選手権優勝13回を誇る「紫紺のジャージー」で名高い明治大ラグビー部。その102代目の主将に就いたのが平翔太選手だ。突破力とキックを武器とする主将に、今季こそ日本一を目指すチームの意気込みなどを聞いた。
――明治大のキャプテンになった経緯を教えてください。
「昨年の終わりに周りの同級生から『お前しかいない』と言われ、覚悟はしていました。最終的に4年生のミーティングで決まりました。中学・高校と、これまでキャプテンをやったことがなかったのでプレッシャーは感じていますが、リーダー陣とコミュニケーションを取りながらやっています」
――ラグビーを始めたきっかけは?
「友人のお父さんに誘われて小学1年生の時に体験会に行って、楽しかったので始めました 。主に中学まではSO(スタンドオフ)中心で、中学3年の福岡県選抜で、東福岡でチームメイトになる楢本幹志朗選手(筑波大4年)がSOだったので、そこから12番(インサイドCTB)をやるようになりました。高校も12番がメインでした。12番は10番と一緒にパスとキックでゲームをコントロールできることが楽しいです。またフォワード陣に指示してまとめることも自分の役割なのでしっかりやっています」
――明治大学に進学した理由は?
「中学3年の時に明治大学が日本一になった姿を見て『格好いいな!』と思ったからです。商学部に進んだのは、明治大学のイメージとして商学部があり、将来役立ちそうだと思ったからです」
――今季のスローガン「完遂」に込めた思いは?
「ラグビー面では一つ一つのプレーに最後まで隙を見せずやりきる。私生活では寮生活の徹底というのを目指しています。この言葉には日本一を目指す思いも込められていて、4年生全員で意見を出し合って決めました。寮生活では、練習がオフの木曜日でもみんなで早く起きて朝ご飯を一緒に食べたり、トレーニングをすることを徹底しています」
――今年のチームで重点的に取り組んでいることは?
「現在はアタックを重点においた練習に力を入れており、まっすぐ仕掛けて、フォワード、バックス一体となった攻撃を意識しています。春から前に出るディフェンスも継続しており、相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返して攻撃につなげることを大事にしています。個人的な面では、タックルを強化しています」
――期待しているチームメイトは?
「フォワードでは、高校の後輩でもあるHO(フッカー)藤井達哉選手(3年)です。ディフェンスやアタックで体を張り、メンタル面でも成長しています。バックスは昨年度、桐蔭学園で優勝を経験したSH(スクラムハーフ)後藤快斗選手(1年)です。素早く、判断力があり期待しています」
――今年の明治大学ラグビー部の強みは?
「1年生から4年生まで全員仲が良く、練習中も試合中もコミュニケーションが活発です。自分たち4年生から後輩に話しかけることも意識しています。試合中は指示をしっかり出すことも心がけています。またスキル面では、バックスだけでなくフォワードのパススキルも上達しています」
――今年の目標は?
「もちろん、'18年度以来の大学日本一です。関東大学対抗戦でも入学してから優勝できていないので、今年は全勝して大学選手権に進みたい。今年は同じ12番のポジションに帝京大学の大町佳生選手や、慶應義塾大学の今野椋平選手などキャプテンが多く、特に早稲田大のキャプテンの野中健吾選手は中学時代から対面なので負けたくないですね。早稲田大との『明早戦』は国立競技場で行われるので、やっぱり緊張はしますが、多くの観客の前で試合ができるのはめったにない機会なので楽しみですし、今年こそ早稲田大に勝って優勝したいです」
――大学時代、一番印象に残っている試合は?また「紫紺のジャージー」を着る重みとは。
「大学2年時の『明早戦』ですね。58-38で勝利することができました。去年は負けてしまったので最終学年の今年は勝って終わりたい。また明治大の『紫紺のジャージー』は誰もが着られるものではないですし、年々、そのプライドと重みは強く感じています。明治大のファンはどこよりも多く、熱い声援を送ってくれると思っているので『紫紺を着て負けるわけにはいかない』という気持ちでいつも試合に臨んでいます」
――個人としての将来の目標は?
「U20日本代表に続いて、今春は(日本代表の)エディー・ジョーンズHCが率いたU23日本代表活動にも参加することができました。基本に忠実な練習が多かったですが、オフザボールの意識が高まりました。エディーさんからは、キックやパスでフォワード、バックスを引っ張る部分を褒められました。大学卒業後もラグビーは続けたいと思っていますが、将来的には日本代表に選ばれるような選手になることを目標に、'27年のラグビーワールドカップ出場もチャンスがあれば挑戦したいですね」
――明治大ラグビーのファンに向けてメッセージをお願いします。
「日本一を目指し、一戦一戦全力で戦う姿を応援してほしいです。明治大のファンの期待に応えられるよう頑張ります」
――ラグビーファンに向けて大学ラグビーの魅力を教えてください。
「『明早戦』など関東対抗戦の熱い試合は大学ラグビーの一番盛り上がる試合なので、ぜひ見てほしいです!また、ファンの熱さや応援の雰囲気にも注目してほしいですね」
Personal Information
友人に誘われて小学1年からラグビーを始めました 。中学3年の時に明治大が日本一になった姿を見て「格好いいな!」と思い進学しました。オフの時は、以前は寮の近くのお風呂やサウナに行ったりしていましたが、最近は将来を見据えてウェイトトレーニングを優先しています。食べ物は、蕎麦やうどん、ラーメンといった麺類が好きです。
PROFILE
'03年11月18日生まれ。福岡県出身。笹岡RC→筑紫丘RCJS→東福岡高校→明治大学。身長178cm /体重94kg。ポジションはCTB。U20、U23日本代表。
取材・文/斉藤健仁 撮影/長尾亜紀