長澤まさみ、眞栄田郷敦、豪華スタッフによる社会派作品 テレビで放送されていたことがすごい歴史に残るテレビドラマ!「エルピスー希望、あるいは災いー」【フルーツポンチ・村上健志】
国内ドラマ 連載コラム
2026.09.05
路上キス写真を撮られたスキャンダルによって、エースの座を転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)。ニュース番組の担当を外され、深夜のバラエティーの1コーナーを担当することとなる。そんな彼女のもとに、同じ番組の若手ディレクター・岸本拓朗(眞栄田郷敦)から12年前に発生した10代の女性を狙った「八頭尾山連続殺人事件」の犯人とされる死刑囚・松本良夫が、実は冤罪かもしれないと相談される。
冤罪事件を追う二人は真相に近づけるのか?報道には一体何ができるのか?報道では一体何ができないのか?一体何をしてしまったのか?事件の行方と事件を追う二人の心の変化に心臓を鷲掴みにされる歴史的傑作。
渡辺あや氏(「カーネーション」など)の脚本を、プロデューサー・佐野亜裕美氏(「カルテット」など)の熱い情熱で数年に渡りドラマ化を実現させた作品。監督は大根仁(「モテキ」など)。超豪華なスタッフ陣による本作は、数々の好評価を受けている。

(C)カンテレ
■テレビでこれをやるテレビの覚悟
12年前の事件の犯人として逮捕された死刑囚・松本良夫。彼が逮捕に至る要因の一つとして大きな役割(責任)となったのは、当時のメディアの報道のよる印象付けだった。報道によって生み出された冤罪(疑惑)を、時を経て、メデイアの人間が真相を明らかにしようとする。しかも、それは深夜のバラエティー番組の出演者であるアナウンサーと一人の若手ディレクター。
死刑が確定した事件の再捜査を促すのは、ただごとではない。相手は国家権力。そのきっかけになる事実を見つけることはできるのか、見つけたところで国家権力はおろか、自らが所属するテレビ局の上層部を納得させ、放送までこぎつけることができるのかも分からない。(わずかなネタバレを含みます)本作の事件を追う二人に、壁として立ちはだかる敵としてのメディアは、ドラマ上のいわゆる悪役としての権威ではありません。恐らくそれは、本当に今、現実に存在するメディアそのものなのです。
なんとなく疑っているテレビの闇。誰かにとって都合の悪い真実を隠し、誰かに都合の良い方向へと印象を誘導する。そんなテレビにとって都合の悪い疑念を、このドラマでは正面から描く。やけに濃くされたキャラクターに悪者を背負わせ、当然成敗されるべき相手として描いてはいません。敵は、組織全体の雰囲気、慣例、権威、自分自身の保身、見えない大きな力、今のテレビそのものなのではないかと思わせられるリアルさがあるのです。
テレビ放送されたドラマが、テレビ自身の闇と戦うこの作品には歴史的な価値があります。

(C)カンテレ
■とにかく面白すぎる
ドラマとしての意義や、扱うテーマのシリアスさばかりを讃えてしまうと、何か教材的な堅苦しさを覚えてしまうかもしれません。しかし、そうではありません。このドラマの中心は圧倒的な面白さです。真面目さや説教臭さに肩身狭い思いをすることもなく、難解さに気後れすることもありません。事件の真相に近づく物語に引き込まれます。権威であるメディアや、さらにその背後にあるものの裏側に触れてしまう緊張感に、鼓動が大きく動きます。最終話ではあまりに没頭し、自意識を失い、熱を帯びる僕をかたどる輪郭だけが、テレビの前にいました。1話ごとに何かが解決するという物語ではなく、全10話をかけて描かれる冤罪(疑惑)事件の行方という骨太な内容。爽快とは程遠いが、傷だらけで、体当たりで、指先だけでも進もうとするこのドラマの進んだ先にあった答え(それは問いかもしれないが)とは一体何なのか?

(C)カンテレ
■長澤まさみ、眞栄田郷敦、鈴木亮平
主に事件を追う、長澤まさみさんと眞栄田郷敦さんが、とにかく危うくてすさまじい。そして、鈴木亮平さんが「とにかくもう!」です。岡部たかしさん、三浦透子さん、安井順平さんなど、出ている俳優さん皆さんがちょっとエグいです。元々、みなさんすごい役者さんなのですが、なんか気迫というか、覚醒というと失礼かもしれないですが、会心のエネルギーを、生じゃないのに生で見ているような錯覚に陥ってしまいました。
面白すぎるドラマをぜひ。
【プロフィール】
村上健志(フルーツポンチ)
1980年12月8日生まれ、茨城県牛久市出身。
2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
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(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。



