映画『八つ墓村』とあわせて見たい!古谷一行が演じた「金田一耕助シリーズ」おすすめ5選
2026.09.03
ボサボサの長髪に羽織袴姿で、頭をかきむしりながら難事件を解き明かす――。そんな金田一耕助像を決定づけたのが、古谷一行主演の「金田一耕助シリーズ」だ。テレビドラマでありながら映画さながらの重厚な映像美と、横溝正史作品ならではの土着的な恐怖や濃密な人間ドラマで今なお高い人気を誇る本シリーズを、ホームドラマチャンネルでは一挙放送中。尾上松也主演の映画『八つ墓村』(9月18日公開)を前に、シリーズの中から古谷一行が演じた金田一耕助を堪能できる5作品を紹介する。
■八つ墓村
シリーズ屈指の恐怖演出と映像美を味わえる一本。戦国時代の落武者伝説が残る岡山県の八つ墓村を舞台に、「祟り」だとささやかれる連続殺人事件が発生する。横溝作品らしい土着的な風習や因習、一族を巡る愛憎劇に加え、東宝や大映京都、映像京都など劇場映画の制作陣が手掛けた重厚な映像表現が、作品全体に不穏な空気を漂わせる。「八つ墓明神の祟りじゃ!」という異形の老人の名ゼリフも印象的で、閉鎖的な村に渦巻く恐怖と緊張感がじわじわと高まっていく。横溝正史作品を代表する人気作だけに、シリーズの魅力を知る入口としても最適だ。
■獄門島

(C)東阪企画
古谷一行版・金田一耕助の魅力を最も堪能できる代表作。俳句になぞらえた見立て殺人と、島に残る因習の謎に金田一が挑む本格ミステリー。古谷一行が演じる金田一は、天才探偵というよりも人間味あふれる"泥臭さ"が魅力で、和装姿で島中を駆け回り、地道な聞き込みを重ねながら真相へ迫る姿が印象的だ。島独特の閉塞感と張り詰めた空気が作品の緊張感を高め、巧みな見立て殺人と緻密な謎解きが最後まで見る者を引き込む。シリーズ屈指の完成度を誇る名作として高い人気を集めている。
■悪魔の手毬唄

(C)東阪企画
横溝正史ならではの因習と人間ドラマを味わえる名作。鬼首村(おにこうべむら)では、古くから伝わる手毬唄の歌詞になぞらえた連続殺人事件が発生する。20年前の事件とも複雑に絡み合う謎を、金田一が丹念な推理で解き明かしていく。巧妙な見立て殺人だけでなく、事件の真相とともに浮かび上がる登場人物たちの悲しい運命も見どころ。サスペンスと濃密な人間ドラマが見事に融合し、横溝正史作品ならではの切なさと余韻を味わえる一作となっている。
■悪魔が来りて笛を吹く

(C)東阪企画
シリーズの中でも異色のゴシックミステリー。銀座の宝石店で起きた「天銀堂事件」を発端に、死んだはずの元子爵の目撃談が相次ぎ、金田一が事件を追う。遺書に記された「悪魔が来りて笛を吹く」という一節と、不気味に響くフルートの音色が事件の鍵を握る。山村ではなく旧華族の邸宅を舞台にした異色作で、豪華な空間が醸し出す独特の雰囲気も見応え十分。どこか場違いな空間で飄々(ひょうひょう)と振る舞う古谷一行演じる金田一の人間味も、この作品ならではの魅力となっている。
■本陣殺人事件

(C)東阪企画
金田一耕助の原点に触れるなら外せない一作。原作小説で金田一耕助が初めて登場した記念すべき作品。婚礼の翌朝、一柳家で新郎新婦が惨殺されるが、現場は雪に閉ざされた完全な密室だった。本格ミステリーの醍醐味(だいごみ)が詰まった密室殺人の謎はもちろん、若き金田一が地道な調査と推理で真相へ近づいていく過程も見どころ。物語終盤、遺骨を抱える男に花の付いた小枝を差し出す場面では、不器用ながらも優しさを持つ古谷一行版・金田一の人柄が静かに伝わってくる。
文/editaholic



