松本若菜×松村北斗の不思議な偽家族?を応援したくなる理由「西園寺さんは家事をしない」【小虎・りょう】
国内ドラマ 見放題連載コラム
2026.04.12
ドラマを見るときの感想や影響はさまざまで、「失恋したときに恋愛ドラマを見て涙が出る」「ホームドラマを見たときに家族に連絡したくなる」などなど挙げればキリがない。
このドラマを初めて見たときに強く思ったのは、作品内の"理由"が上手すぎる。共感はしない。しかし見やすい。
このドラマは、全11話の中で"理由"がはっきりしていて、少し無理のありそうな設定を秀逸に成立させている。当たり前のことだが、その当たり前が意外と今のドラマにはない。だからタイムリープしてみたり、やたらとリアルにリアルを重ねたり、大ボケに振り切るのだと思う。それは、決して悪いことではない。面白いし。
でもこのドラマの"理由"は素晴らしいのだ。そんなドラマ「西園寺さんは家事をしない」を紹介します。
■あらすじ
西園寺一妃(松本若菜)は、アプリ制作会社でバリバリ働く38歳の独身女性。大ヒットアプリを数々生み出すなど仕事ができる上に明るくポジティブでコミュ力高め。面倒見も良く上司や先輩・後輩、取引先からの信頼も厚い。そんな誰もが憧れる西園寺さんが絶対にやりたくないこと......それは家事! 「掃除なんてしなくても死なない」「料理できなくてもご飯は買えるから問題なし」「服やパンツは全自動洗濯乾燥機から取り出してそのまま着れば効率的」と、あの手この手で家事をしない生活をしてきた西園寺さんは、マイホームを買い、創意工夫を凝らした"家事ゼロの暮らし"を実現させる。
そんな自分史上最高の生活を満喫していたある日、年下のイケメンエンジニア・楠見俊直(松村北斗)が西園寺さんの勤める会社に転職してくる。アメリカ帰りの天才肌だが、無愛想で変わり者の楠見に手を焼く西園寺さん。そんな楠見、実は4歳の娘・ルカを育てる訳ありシングルファーザーであることが判明! さらに、トラブルで家を失った楠見親子とどういうわけか「偽家族」として一緒に暮らすことに......!?(公式HPより)

(C)TBSスパークル/TBS (C)ひうらさとる/講談社
■偽家族をするまでの"理由"
ラブコメにありがちなひょんなことから始まる共同生活。この手のドラマは、だいたい感情の収集が追いついていないし、恋愛するまでの展開が早すぎるし嘘すぎる場合が多い。
そう"理由"が存在していないのだ。
「西園寺さんは家事をしない」→【タイトル的にあーなるほどね!家事しないから代わりにイケメンにしてもらってそっから共同生活が!】
「西園寺さんは家事をしない」はこんなものではない。西園寺さんも楠見も常識人で収入もある。そのため、恋人でも夫婦でもない人間が共同生活をすることの違和感が、きちんと描かれている。共同生活をしなくてはならないやむを得ない理由を、きちんと段階を踏んで描いている。
子供がいること、楠見が奥さんと死別していること、そして何より西園寺さんと楠見の性格の幅がとても見応えがある。この段階を丁寧に描くことによって、偽家族という若干無理のある設定をリアルに引き立て、コメディとして、またドラマとしての要素を強くしている。
■役者陣をもう愛してしまう
"理由"の話をしたが、役者陣のパワーが強過ぎて成立させている部分も紹介したい。
松本若菜という女優を「仮面ライダー電王」で知った。主人公のお姉ちゃん。おっとりとした役。「復讐の未亡人」では色気と狂気を併せ持つ夫を殺された妻。今回の「西園寺さんは家事をしない」は元気でポジティブ究極の"陽キャ"でありながら、嫌われる要素もない。
カメレオン過ぎる。正直すご過ぎる。ここまでポジティブで腹が立たず、それどころか主人公を1番応援したくなる。今のご時世のドラマで、こんなにもまっすぐな主人公を愛せるのだろうか。松本若菜の西園寺さんは愛せるのだ。これも松本若菜の幅から出た覇王色だと思う。
個人的に、4話の終盤の楠見の娘・ルカ(倉田瑛茉)の芝居に脱帽した。感情が難し過ぎるのだ。死別した大好きな母に対する思いと、母ではないが近くにいる大好きな西園寺さん。通常のドラマなら、母を思い出し西園寺さんに八つ当たりしてもおかしくない。4歳の子役の心情では出せないはずだ。ぜひ見てほしい。

(C)TBSスパークル/TBS (C)ひうらさとる/講談社
■まとめ
個人的にエバースさんの漫才に似ていると思いました。佐々木さんの世界で"理由"を潰して潰して、その世界から出られなくなった町田さんが奮闘する面白さ。
"理由"って、見やすく面白くするためにはとても大事だなって日々感じることが多いので、このドラマはとても勉強になりました。
あと、西園寺さんの元同僚であり料理系YouTuberとして出てくる横井(津田健次郎)がカッコ良過ぎます。自分たち世代(1995年生)の男はみんな、津田健次郎さんが大好きなんです。海馬だもん。横井のコメディパートすごく気持ち良いです。別れ際の男らしさとか注目してください!
主題歌のBUMP OF CHICKEN「strawberry」が流れるタイミングで泣きそうになるんですけど、西園寺さんの明るさで涙引きます。それぐらい西園寺さんは陽キャです。家事をしないことはそんなに重要ではありません。もっともっと家族のことを考えたくなるドラマです。
ひうらさとる先生の原作も読ませていただきました!ホタルノヒカリもそうですが、"優しくて強い女性"をすごく丁寧に描く方なんだなと強く思いました!!
本当にすごい。"理由"が大事って痛感しました。皆さんも西園寺さんが出した「全員が幸せになる方法」ぜひ見てください。
【プロフィール】
りょう(小虎)
1995年12月28日生まれ、愛知県豊田市出身。NSC東京校24期生。2019年に福井祐樹とともに小虎を結成。学生時代からのドラマ好きが高じて、「よしもとドラマ部」の一員としても活躍中。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
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吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。




