赤楚衛二が再び仮面ライダークローズに変身!テレビシリーズのその後を描いたスピンオフ作品「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」

赤楚衛二が再び仮面ライダークローズに変身!テレビシリーズのその後を描いたスピンオフ作品「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」

今、最も勢いに乗る俳優の1人である赤楚衛二。2019年に馬場ふみかとのW主演作「ねぇ先生、知らないの?」(MBS)で連続テレビドラマ初主演を飾ると、翌2020年には「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(テレビ東京)で単独初主演を果たす。以降は、現在放送中のドラマ「相続探偵」(日本テレビ)の灰江七生役をはじめ、数多くの作品に出演している。

そんな赤楚の転機となったのが、平成仮面ライダーシリーズの第19作目となる「仮面ライダービルド」(2017~2018年テレビ朝日)だ。若手俳優の登竜門として知られる人気シリーズで、主人公の相棒である万丈龍我(仮面ライダークローズ)役を務めたことで、彼の知名度は大きく向上。同作のテレビ放送終了後には万丈龍我を軸にしたスピンオフ作品『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』(2019年公開)が製作されているが、ここでも役者としての確かな存在感が発揮されている。

そんな『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』が3月11日(火)あさ9時50分に日本映画専門チャンネルで放送される。

本作は、テレビシリーズ完結後の世界を描いた作品だ。テレビシリーズの最終話で万丈は桐生戦兎(仮面ライダービルド/犬飼貴丈)と共に、2枚のパンドラパネルとパンドラボックスを合わせてスカイウォールのない並行世界と現実世界を融合。仇敵であるエボルトのいない新世界を創り上げた。

新世界では、かつて犠牲になった仲間たちや人々も生き帰った一方で、万丈と桐生を除いてパンドラボックスにまつわる記憶は全てリセット。仮面ライダーやエボルトに地球を滅ぼされかけた過去を忘れて、平和な日常を取り戻していた。そんな時、パンドラボックスから見たことのない地球外生命体が襲来。その正体はエボルトの兄・キルバスで、かつてエボルトに奪われたパンドラボックスを取り戻しにやってきたのだった。

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もともと熱血漢で、ちょっとお調子者なところのある万丈。しかし、今作では世界を守るために自己犠牲を厭わないキャラクター性が強調され、物語に厚みを加えている。例えば、キルバスを倒す方法として、桐生は万丈の中に残るエボルトの遺伝子を最大限増幅させて、復活させることに可能性を見出す。しかし、それは過去世界の悪夢が再びよみがえるほか、万丈の体がパンクするリスクをはらんだ諸刃の剣でもあった。

さらに、万丈は両親の死が交通事故ではなく、実はエボルトによって殺されたのだと明かされており、本来であれば心情的にも受け入れがたいものであったはずだ。それでも万丈は世界を助けるために怒りを押し殺し、全てのリスクを背負ってエボルトを復活させ、共闘する道を選ぶ。これはひとえに愛と平和のためなら自分はどうなってもいいという万丈の自己犠牲の精神に他ならない。

本作を語る上で、そんな万丈のキャラクターを見事に表現する赤楚の演技はやはり特筆すべきものだ。現在の活躍を予感させる若き日の赤楚に注目しながら、作品を楽しんでほしい。

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文/安藤康之

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