藤岡真威人&大友花恋が若い世代に猛烈アピール「ハラハラキュンキュンの世界です!」

藤岡真威人&大友花恋が若い世代に猛烈アピール「ハラハラキュンキュンの世界です!」

時代劇専門チャンネルとJ:COMが共同で製作した北大路欣也主演、藤沢周平原作の大人気オリジナル時代劇シリーズ最新第8作「三屋清左衛門残日録 春を待つこころ」に、藤岡真威人と大友花恋が出演。

同シリーズは、前藩主用人の職を退き、隠居した清左衛門(北大路)の第二の人生を、身の回りに起こるさまざまな出来事と共に描いた作品。3月8日(土)放送の第8作では、ドラマ「君とゆきて咲く~新選組青春録~」(テレビ朝日系)で、父・藤岡弘、も認める殺陣を披露し話題となった若手俳優の藤岡と、ドラマ「厨房のありす」(日本テレビ系)など話題作に多数出演し、存在感を放つ演技で注目を集める大友が参加し、清左衛門と若者との新たな交流を描く。

ある秋の日、清左衛門(北大路)が訪れた中根道場では、御前試合の前稽古に励む青年剣士・窪井信次郎(藤岡)の剣技に、みな目を奪われていた。しかし御前試合当日、信次郎はライバル・岩上勝之進(大貫勇輔)との決勝戦に臨むも惨敗してしまう。信次郎は遠藤派重鎮の息子、勝之進は朝田派重鎮の息子で、試合の結果は派閥争いにも影を落とす。自暴自棄となり道場に通わなくなった信次郎を、清左衛門は野歩きに誘う。清左衛門と山道を歩く途中で信次郎は、小さな社で祈りを捧げる巫女・照日(大友)に心を奪われる、というストーリー。

今回、シリーズ初出演となる藤岡と大友にインタビューを行い、出演が決まった時の感想や互いの印象、北大路の印象、現在"恋"していることなどについて語ってもらった。

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――出演が決まった時の感想は?

藤岡「もう、びっくりでした!北大路欣也さん主演の第8作まで続く人気シリーズで、多くの人に愛されてきた作品ですし、本格時代劇は僕にとっては初めてだったので、『今の僕にできるのだろうか』という不安も少しあったのですが、いろいろな巡り合わせでお話をいただけたのなら、自分のできる限りをもって飛び込んで挑戦したいなと思いました」

大友「何作も続く、愛されているシリーズなので、その世界に参加させていただいて、その世界で生きられるというのは、うれしさと同時に緊張もありました。私にとって時代劇は今回が2作目で、初めて時代劇に出させていただいた時は右も左も分からなくて、ただついていくのに必死なまま終わってしまったので、今回は『照日という役を私がいただいたからこそ、私にできることは何だろう』というのを模索して、少しでも自分から発信できたらいいなという気持ちで撮影に臨みました」

――台本を読んだ感想は?

藤岡「『僕にできるのか』という最初に感じた不安が吹っ切れるくらいの脚本で、そんな作品の主軸となる信次郎という役をやらせていただけるなんて本当にやりがいがあると感じました。大人でも子供でもない未熟な青年である信次郎が、若さ故のいろんな思いを抱えながら、清左衛門をはじめとする周りの人に導かれ、人と出会いながら成長していくという、その過程がすごく自然で。自分自身も共感する部分がすごくあって、『等身大の彼を演じたら、信次郎と共に自分も人として成長できるんじゃないかな』と感じました。『この作品は自分にとって多くの糧になる』と思い撮影に臨みました」

大友「最初は照日のことを意識せず、物語を一視聴者として純粋に楽しく読ませていただきました。物語の中にうっすら漂っていた事件と若い2人の恋愛が、最後に清左衛門のもとで見事につながる様子が読んでいてとても楽しかったです。2回目以降は、照日として読んだのですが、彼女の抱えているものとか過去を読めば読むほど感じて、物語の輪郭もくっきりしてきて、最初に読んだ時とは違う楽しさがたくさんありました。ご覧になる方も、何回も繰り返し見てもらうことで新しい気付きがあるんじゃないかなと思います」

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――役に共感したところは?

藤岡「信次郎とは年齢も近く、自分も『こんな感じでやってみよう』と考えて臨んだものがうまくいかず、『あの時、もうちょっとこうしておけば良かった』と思うことがありました。『自分を過信するのではなく、謙虚に物事を捉えて、それに向かって努力していればもっとうまくできたのかな』と後悔することが多くて...。この物語も信次郎が挫折するところから始まるのですが、僕だけじゃなく、きっと誰しもが通る道で、その点はすごく共感できると思いました。また、信次郎はすごく素直で、自分の弱さに気付いて、それを認め、どう対処していくかを考え、成長して、乗り越えていく姿も、とても自分に似ている気がします。『信次郎の純粋さが見てくださる人に伝わればいいな』と思いながら演じました」

大友「照日は過去に秘密を持っていて、普段の会話とか日常生活であまり感情や気持ちを言葉にしない子なんです。だからこそ演じる時に、そのシーンだけを切り取って台本を読んでしまったら、照日の印象がすごくぼやけてしまうだろうなと思い、演じる時はなるべく彼女の過去を頭の中でイメージするようにしていました。そのために、照日としてそれまで起こったことを日記として書いてみて、その日記を繰り返し読んで、文字が私の中でちゃんと映像になるまでイメージを湧かせてから撮影に臨むように心がけていました。

そうすることで気付いた彼女との共通点は、私自身も辛いこととか苦しいこと、ちょっとマイナスなことは、あまり誰かに言わないんですよね。うれしかったことや楽しかったことはみんなと共有したいと思うから言うんですけれど、ネガティブなことは外に出さない。そういうところは私に通ずる部分かなと思います。照日ほどの辛いことだと、さすがに周りに助けを求めると思いますけれど...(笑)」

――互いにお芝居を交わした印象は?

藤岡「照日は過去に辛いことがあったので、序盤からずっと暗い顔をしているんです。でも、大友さんはカメラが回っていない時は本当に明るくて!そのギャップに助けられたなって思います。これでもし本番と撮影裏でも暗い表情をしていたらどうしようって思っていたので(笑)」

大友「お芝居されている時の所作とか佇まいに加えて、お声もすごく凛々しくて、『本当に信次郎、そのままだな』という印象で見ていました。殺陣もすごくきれいですし、立っている時の姿勢とか、すごく作品の空気感にフィットしている感じがあって、さすがすてきな俳優さんだなと思っていました」

藤岡「うれしい(笑)ありがとうございます!」

大友「でも、普段はこんなに柔らかいんです(笑)。さっきおっしゃっていましたけど、私も素直さや真っ直ぐさというのは(藤岡と信次郎の)2人に共通している部分だなというふうに感じていました」

――北大路さんの印象はいかがでしたか?

藤岡「画で見た時の強さといいますか、映像で拝見していた時に、北大路さんの目力に圧倒されて。実際にお会いしても、そこの印象は変わらずで感動しました。でも、撮影していない団らんの時は、本当に温かくて!常に皆さんに気を配っていらっしゃって、ちょっとふざけて場を和ませてくださったり、お芝居の面でも『こうした方がやりやすい?』と聞いてくださったり。でも、いざ本番になるとビシッと決める。『今まで見てきた北大路欣也さんだ!』ってちょっと興奮していました(笑)」

大友「実はご一緒するのは今回が2回目なんです。でも、前回はほとんど同じシーンがなく、向き合ってお芝居するのは今回が初めてだったので、撮影が始まる前は『あんなにオーラを放っている方と向き合ってお芝居をするなんて、どうなってしまうんだろう...』という緊張がありました。でも、今作で初めてお会いした時にごあいさつしたら、『楽しもうね』と軽く声をかけてくださったんです。それがすごくうれしくて。リラックスできて、肩の力が抜けた瞬間でした。普段からオーラのある方で、カメラを通して映像で見てもパワーが落ちないで届くんですよね。それが北大路さんのカッコいいところの1つだし、清左衛門に通ずる部分ですし、それを実際に向き合って感じられたことは一生の財産になると思っています」

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――信次郎と照日は互いに惹かれ合い恋に落ちますが、お2人が今"恋"していることは?

大友「私は、"文字"に恋しています。本を読むことも好きなのですが、最近はそれだけにとどまらず、ラベルに記載されている成分表示まで読んでいます(笑)。書くことも好きで、さっきお話した(役づくりのための)日記もそうなのですが、誰かに手書きでお手紙を書いたりもしています」

藤岡「僕はお散歩が好きですね。京都はお散歩できるコースがたくさんあって、撮影期間中の密かな楽しみでした。自然がいっぱいあって歴史的な神社仏閣もあったから、オフの日は1人で神社にお参りして御朱印集めをしたり。京都でしか味わえない空気や景色を楽しみながらリフレッシュして、また次の日の撮影を頑張っていました」

――時代劇を見る機会が少ない若い視聴者の方にメッセージをお願いします。

藤岡「この作品は、若い方でもすごく見やすいと思っています。時代劇って、どこか堅苦しいイメージがあったり、興味があってもどこから手を付けていいか分からないというイメージが、かつての僕にもあったのですが、今回の作品はすごく見やすくて分かりやすいんです。僕の友達もこのシリーズを見てくれて、『時代劇をもっと見てみたいと思った』って言ってくれて、それが本当にうれしかったし、『やっぱり同年代でも楽しめるんだ』と確信しました。時代劇ならではの世界観を保ちつつ、フレッシュな要素も入った今作は、初めての方にもぜひ見ていただきたいですし、時代劇ファンの方にも新しい印象を持ってもらえたらと思います」

大友「時代劇の魅力のひとつは、私たちと地続きの先人の皆さんの暮らしを、エンターテインメントを通して知ることができるところだと思います。

そんな中でこの作品は、不可解な事件があったり、若者の悩みや恋があったりと、ハラハラキュンキュンの世界なんですよ!若い人にとって時代劇っていうと、ちょっとハードルが高くなってしまうと思うんですけど、私たちの暮らしに通ずる現代劇と、自分たちではちょっと想像がつかないSFのいいとこ取りみたいな魅力も入っているので、ぜひ若い皆さんにも楽しんでいただきたいなと思います」

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文/原田健 撮影/中川容邦

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