「下町ロケット」を見て、改めて「"阿部寛"という役者に何度人生を揺らしてもらっただろう」と考えてみた 「下町ロケット(2018)」【小虎・りょう】

よしもと<br>ドラマ部

よしもと
ドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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「下町ロケット」を見て、改めて「"阿部寛"という役者に何度人生を揺らしてもらっただろう」と考えてみた 「下町ロケット(2018)」【小虎・りょう】

<プロフィール>
りょう(小虎)
1995年12月28日生まれ、愛知県豊田市出身。NSC東京校24期生。2019年に福井祐樹ともに小虎を結成。学生時代からのドラマ好きが高じて、「よしもとドラマ部」の一員としても活躍中。

人の夢や考えを動かせるコンテンツは美し過ぎる。テレビドラマ、映画などコンテンツの魅力はそういった所に多々つまっていると僕は思っている。

今回、「下町ロケット(2018)」を改めて見て思ったこと。"阿部寛"という役者に何度人生を揺らしてもらっただろう...。

「ドラゴン桜」を見た時、小学生の僕は桜木建二の圧に圧倒され「勉強をしないと!東大に入らないと人生終わる!」と歩き回りながら勉強したり、「結婚できない男」を見た時、1人で何でもできる桑野信介に憧れて、親の塾の送り迎えを拒否してみたりして反抗期に突入した。映画『天国からのエール』を見ると今でも何回でも涙が溢れ出てくる。

阿部寛という役者にモロに心を掴まれている。影響が半端ないのだ。もちろん、周りを固める役者陣、脚本、演出、スタッフワーク、全てが結集して一つの作品が出来ている。しかし、阿部寛という役者の影響力と魅力は素晴らしく半端ない。

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今回コラムを書かせていただく「下町ロケット(2018)」もそうだ。こんなに町工場やモノづくりが熱くてカッコ良いんだと、佃航平(阿部寛)に、佃製作所で働く人たちに、皆さんも心を突き動かされると思う。

少なからず僕はこの作品を見た後の次のお仕事は、引き締まって動けている。常に引き締めなきゃなんですけど!

夢と希望の先

元宇宙科学開発機構の研究員で、ロケットの打ち上げ失敗の責任をとって辞職し、現在は父親が遺した下町の工場「佃製作所」で経営者として第二の人生を送っている佃航平(阿部寛)。一度はあきらめかけた佃の夢であったロケット製造を、自社が開発したバルブシステムを使用し、日本を代表する大企業・帝国重工の純国産ロケット開発計画「スターダスト計画」により実現するなど、順調な佃製作所だったが...。

ある日、帝国重工の社長交代により、スターダスト計画は次回で終わるかもしれないと帝国重工宇宙航空開発部部長の財前(吉川晃司)から告げられ、佃はショックを受ける。ロケット製造に関わることは佃の夢であるとともに、今や「ロケット品質」を掲げる佃製作所社員たちの精神的支柱にもなっていたのだ。

そこへ追いうちをかけるように、大口取引先の農機具メーカーから小型エンジンの取引削減を告げられる。性能よりもコスト重視という考えに、技術力が売りの佃製作所は存在意義が揺らぎ始め、佃は強い危機感を抱く。

そんな中、佃製作所の経理部長・殿村(立川談春)の父親が倒れる。殿村の実家は三百年続く農家。父親の看病と畑仕事の手伝いに、週末ごとに帰省する殿村を見舞う佃と山崎(安田顕)。トラクターを運転する殿村をじっと見て、佃はあることに気づく。それは、佃の中に新たな夢が生まれた、瞬間だった。

2015年に放送された前作では、ロケット打ち上げ失敗から諦めかけた夢を、自分の意志と周りの支えで見事に成功させた佃。夢は叶ったら終わりではない。"夢と希望の先"を魅せてくれている。人は夢が叶ったらどうなるんだろう。夢ってどうやったら叶うんだろう。そもそも何故その夢は出来たんだろう。

「誰かの役に立ちたい」「世界を変えたい」。佃の中の根底にはそれがある。

前作のガウディ、今作のランドクロウ、開発着手のきっかけは野望でも欲でもない。常に誰かへの想いから動き始める。本来なら、そんな言葉ばかり並べられたら美し過ぎて胃もたれしてしまう。場合によってはきれいごとの一言で片付けられるかもしれない。

でも、なんでこんなにも、胸に突き刺さるし、泣かせるせりふでもないのに涙が出たり、心が突き動かされるんだ。泥臭さみたいなものもあるのだろうか。

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スカッとするどころの騒ぎじゃない

下町ロケットはTBS系列の"日曜劇場"の枠で放送されていた。さらに原作は"池井戸潤"と、個人的に最高の組み合わせだと思っている。そんな最高の組み合わせの最大の魅力は、スカッとするどころの騒ぎじゃない"圧倒的不利"からの"大逆転劇"を見せてくれる所だ。これを贅沢に見させていただいているという気持ちで僕は見ている。

中でも9話〜新春ドラマ特別編(ヤタガラス編)にかけての殿村(立川談春)の大逆転は号泣とスカッとのジェットコースター状態に陥る。弾けるくらいお芝居が魅力的です。

脇を固める驚きのキャスティング

先程あがった立川談春さんを始め、神田川敦役の吉本新喜劇・内場勝則さんや、トランスミッションの開発に絶対に外せない島津裕役のイモトアヤコさん。本来ならノイズになってしまうかもしれない、たくさんの番組や舞台に出てさまざまなイメージがついている方々だ。しかし、日曜劇場「下町ロケット」のフィルターを通すと最高の役者陣になるのだ。この驚きのキャスティングが見られるのも魅力の一つだと僕は思う。

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個人的なまとめと僕の気持ち

おそらくドラマを見ている多くの人が、"トランスミッション"の話、"特許"や"お金や取引"の話、今どんな作業をしていてどの工程なのか、あんまり分かってないと思う。

でもなんとなく、今みんなの目標が何で、今誰が悪くて、今誰がカッコ良いかは手に取るように分かる。強く引き込まれる。テレビドラマって本当にそれで良い。だって熱量と感動で心がすごく揺さぶられているのだから。

阿部寛さんから始まり、「下町ロケット」の魅力を書き連ねたが文章がまとまらなかった。

ただ何か一つのこと、自分の持っていること、妥協しないという強い気持ちをこのドラマを通じてもらった夜が何度かある。佃航平の声が、僕の脳を、心を、揺らしてくれている。このコラムは僕の熱のラブレターです。

僕も仕事の質にプライドを持って最高の糧にしていきたいです。

P.S. 公式HPで農業機械の技術の解説などが詳しく載っているので、ぜひのぞいてみてください。めっちゃ面白いです!

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