真犯人はだれ？ダークヒーローの田中圭をビール片手に拝む夜 「ブラックポストマン」【夫婦のじかん・大貫さん】

＜プロフィール＞
大貫さん(夫婦のじかん)
1981年7月8日生まれ、栃木県出身。NSC東京11期生。タカダ・コーポレーションを経て2016年に旦那の山西章博と「夫婦のじかん」というお笑いコンビを結成。普段は芸人として活動しているが、漫画家やイラストレーターとしても活躍中。コミックエッセイ「母ハハハ！」発売中。第35回フジテレビヤングシナリオ大賞最終。

皆様はじめまして。ドラマ大好き芸人の大貫と申します。普段は吉本興業にて「夫婦のじかん」というコンビ名で活動しており、その傍ら漫画家としても活動しています。

毎クールほぼ全てのドラマを見ているのですが、ドラマが好きすぎるあまり去年初めて脚本を書きフジテレビのヤングシナリオ大賞に応募してみたところ、見事最終候補まで残ることができました。そんな私がこのコラムを書くにあたり、俳優さん方は勿論のこと、脚本や演出、ロケ地など、様々な視点からドラマの魅力をお伝えしていければと思っております。

さて、今回のドラマは「ブラックポストマン」。
苦しみを抱える子どもが、とあるポストに手紙を投函すると、「ネバーランドの悪魔」が制裁してくれる。そんなストーリーと共に次々と訪れる衝撃的な展開に目が離せないのはもちろんのこと、主演の田中圭さんの郵便配達人姿にも目が離せない内容となっております。

このコラムを読んでくださっている皆さんには、ぜひ、ブラックポストマンのポスタービジュアルを見ていただきたいです。田中圭さんの顔が、何とも絶妙な左右非対称だからです。元々人の顔というのは左右非対称ではありますが、いつもの田中圭さんよりもずっと左右非対称であるような気がします。田中圭さん演じる副島力也は、明るく落語好きな好青年。しかしその裏の顔は、ダークヒーロー。やはり、表の顔と裏の顔を使い分ける今回の役どころを象徴させているのでしょうか。さすがの表現力です。

「おっさんずラブ」のヒットもあり、ここ最近は純粋でまっすぐなイメージを田中圭さんに持つ方が多い気がしますが、「リバーサルオーケストラ」の常葉朝陽のようなSっ気のある役もとても良かったです。2015年にテレビ神奈川で放送されていた「びったれ!!!」というドラマでは、元極道の司法書士という役どころを演じていた田中圭さん。普段はスーツにメガネのおとなしい司法書士なのですが、スイッチが入ると元極道の血が騒ぎ出す。この変貌ぶりが実に見事なあまり、私はそのスイッチの瞬間だけを録画して編集した自分用のブルーレイディスクを作り、夜な夜なビールを片手に鑑賞し、日々の活力にさせていただいています。二つの顔を持つ役どころを演じる上で、田中圭さんの適任っぷりは言うまでもなく、ブラックポストマンでの役柄もぜひ、注目していただきたいです。

(C)テレビ東京

副島の幼馴染であり、刑事でもある祖父江ひなた役は、高橋メアリージュンさん。正義感で満ちあふれ、かつダイナミックさや華を感じ、敵に回したら完全アウトだろうなという空気感満載です。でも、副島とは幼馴染なんだよね！と、ほっとする瞬間もあるのです。が！やはりそこは敏腕刑事！という場面も満載で、ハラハラドキドキが止まりません。

副島の後輩・草薙桃役には、志田未来さん。画面の中に志田未来さんが映っていると、それだけで目が離せなくなります。私の中での「ながら見させない俳優ナンバー1」である志田未来さん。今作でもしっかりとドラマを引き締めてくださっています。

また、小泉孝太郎さんは2年前に獄中死した水野真を演じられています。この水野がまた物語のキーパーソンになってくるのですが、詳しいことは言えないので、ぜひ、本編を見ていただきたいです。フジテレビの深夜に放送していた番組「孝太郎が行く」シリーズを見ていた者としては、爽やかさの塊のような小泉孝太郎さんが、年齢を重ねるにつれドラマの中でさまざまな変貌ぶりを魅せてくれ、ワクワクが止まりません。小泉孝太郎さんと言えば2014年の「ペテロの葬列」が大好きなのですが、この時の高橋一生さんも「夜な夜なビール案件」ですよね。

少々脱線しましたが、郵便局員の先輩役として、ハリセンボンの近藤春菜さんも出演されています。ストーリー上、どうしても重くなってしまう展開が多いですが、郵便局内のシーンは春菜さんのお陰でとても明るく楽しい雰囲気となっています。とても安心できるひと時なのですが、この物語はどこで何が起こるのか最後まで気が抜けません。もしかして春菜さんが...！？という疑念も最後まで捨てずに鑑賞しました。一体ラストはどうなるのか、是非皆さんの目で確かめてみてくださいね。

(C)テレビ東京