細田佳央太が主演ドラマ『七夕の国』の撮影現場で行った新しい試みを明かす「できれば今後も続けていきたい」
国内ドラマ インタビュー
2024.08.14
細田佳央太が主演を務めるドラマ『七夕の国』がディズニープラス「スター」にて7月4日(木)より配信開始となる。
同ドラマは、「寄生獣」や「ヒストリエ」などで人気を博す岩明均による同名漫画を実写化したもの。スリルとサスペンス、探求と哲学、狂気とバイオレンスが複雑に絡み合い、壮大なスケールと刺激的な描写から実写化不可能と言われ続けてきた傑作だ。"念力で物に小さな穴を開ける"という何の役にも立たない地味な特技を持つ平凡な大学生の「ナン丸」こと南丸洋二(細田)は、ひょんなことから怪事件の解明に巻き込まれる、というストーリー。
今回、細田にインタビューを行い、作品に懸ける思いや役作り、撮影での苦労などについて語ってもらった。
――原作を読んだ感想は?
「(謎が謎を呼ぶストーリーでもあるため)何回も読みました。ただ、連載されていたのは30年前なのに『30年前の感じがしないな。今、実写化しても違和感がないな』と思って、これがどう脚本に起こされるのかとわくわくしたのを覚えています」
――ナン丸の印象と役作りについてお聞かせください。
「ナン丸は普通の男の子なんですけど、人柄としては『現代の男の子とは対照的な子だな』と感じました。というのも、彼は就活生でありながら、就活にそこまで追われていないんです。どこか楽観的に捉えていて、先が見えないことへの不安に対して希薄なところが現代の学生とは違うなと。役作りに関しては、クランクイン前の(出演者が一堂に会して台本を音読する) "本読み"で、監督から『お芝居を軽くしてほしい』という演出を受けまして、あまり作り込まずにナチュラルに演じるように心掛けました」
――演じる上で意識したことは?
「撮影3日目に、木竜(麻生)さんや(濱田)龍臣くんとお芝居をしてそこで、なんとなくナン丸像を掴んでからは、特に何かを意識することなく演じることができました。僕の中で、監督が思い描くナン丸と僕のナン丸が割と重なっている感覚があって。逆に、とんとん拍子に撮れ過ぎていて、後で『編集でちゃんとつながるように演じられていたかな』と不安になったくらいでした(笑)。ただ、ナン丸の持つ雰囲気というものは原作からしか得られないことが多いと思っていたので、撮影が始まってからも原作は読み続けていましたね」
――ナン丸との共通点はありますか?
「僕はどちらかというと先が見えないことに対して不安を感じる方で、誰かに『大丈夫だよ』って言ってもらわないと駄目なタイプなんですよ。占いとかも信じちゃいますし...(笑)。だから、あまり似ていないかなぁ。でも、人と争いたくないという、のほほんとしたところは共通点かもしれませんね」
――撮影での思い出は?
「感染症の行動制限が明けてすぐのロケだったので、スタッフさんや演者さんとご飯に行けたのはすごく大きかったです。俳優部から見る現場ではなく、スタッフさん側からの現場の見え方を知ることができました。僕がどこまでできるかは置いておいて、スタッフさんたちの思いを聞いて知ることができるというのはとても有意義で、できれば今後も続けていきたいなと思いました」
――撮影で苦労したことは?
「球体を扱う能力を描く時に、(本編ではCGのため)球体がどうやってできて、どんなスピード感で進んでいくかということを、球状の発泡スチロールに棒が刺さった物を使って、助監督さんが誘導、説明してくれながら撮影したのですが、本番になると目の前にはないものをあるように演じなければならなかったので、なかなか苦労しました。あと、本編では"窓の外"と呼ばれる異空間でのシーンで、ワイヤーに吊るされながら何もない空間を泳ぐように移動するのも大変でした」
――もしナン丸と同じ状況になったとしたら、ご自身はどのような行動をとりますか?
「多分、僕は使わないですね。物語の冒頭でも描かれるように何の役にも立たないと思うので。覚醒した後だとしても、使わないかなぁ。正しい使い方が分からないし、大々的に能力を使ってしまうと政治的な争いに巻き込まれかねないですから。ヒーロー的な力でもないので、公には知られたくないですね」
――もし何か新しい力に目覚めるとしたら、どんな能力がいいですか?
「カレーライスを食べる時にご飯をよそってからルーをよそうんですけど、ご飯をよそった量に対して、一発で黄金比率の量のルーをよそう能力が欲しいですね。僕、食べるのが下手で、先にルーがなくなってご飯だけが余っちゃって、最後味気ないということがよく起きちゃうんですよ...。それをなんとかして均等に食べられたらいいなと(笑)」
――最後に、作品をご覧になる皆さん、ファンの方々にメッセージをお願いします。
「原作を知らない方でも楽しめるよう、物語のミステリー的な要素を大事にしてテンポ良く進んでいきますし、ぜひ期待していただければと思います。また、エンタメ作品としてもすごくクオリティが高く、日本人だけでなく海外の方が見ても純粋に楽しんでいただけるものになっています。原作ファンの方も、そうでない方も、日本人も、海外の方も、みんなにこの『七夕の国』というミステリー作品を全力で楽しんでもらえたらうれしいです!」
文/原田健 撮影/中川容邦
ヘアメイク/NOBU(HAPP'S.)
スタイリスト/Satoshi Yoshimoto