アニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』坂田将吾&阿座上洋平が明かす覚悟と興奮
アニメ インタビュー
2026.03.19
荒木飛呂彦の大人気コミックのシリーズ第7部を原作とする、アニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』が3月19日よりNetflixにて世界独占先行配信される。1890年のアメリカを舞台に、人類史上初の約4000マイルに及ぶ北米大陸横断乗馬レースが繰り広げられる。謎の鉄球を操るジャイロ・ツェペリと、下半身不随の元天才騎手ジョニィ・ジョースターの出会いと成長、そして過酷なレースの行方を描く壮大な冒険物語だ。今回、ジョニィ役の坂田将吾、ジャイロ役の阿座上洋平の両キャストにインタビューを実施。同じ事務所の先輩・後輩という間柄でもある二人に、本作に懸ける意気込みを聞いた。

――「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズへの思いや、『スティール・ボール・ラン』のアニメ化決定を聞いた際の第一印象を教えてください。
坂田「僕が『ジョジョ』シリーズに初めて触れたのは、中学生の頃でした。ジョジョ語録をよく使っていた友人に「面白いから見てみなよ」と勧められて、当時ちょうど放送が始まっていた『ファントムブラッド』(原作第1部)を見たのがきっかけです。そこから一気にハマって、シリーズを追い続けてきました。ただ、声優として活動を始めてからも、『いつかこの作品のオーディションを受けるかもしれない』という発想はまったくなくて。憧れはありつつも、どこか遠い存在というか、あくまで"いちファン"として純粋に楽しんでいたんです。だから『スティール・ボール・ラン』のアニメ化を知った時も、最初はただただ『楽しみだな!』と思っていました。そんな中でオーディションのお話をいただいた時は、本当に驚きました。『え?受けていいんだ』みたいな感じでした(笑)」

(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SBR製作委員会
阿座上「『ファントムブラッド』が放送された2012年は、僕が声優の仕事を始めて2年目くらいの頃で、ほとんど仕事がなくて。アニメに端役としてでも出演させていただけるだけで、本当にありがたい、そんな状況でした。もともと『ジョジョ』は大好きな作品で、原作は第5部『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』からシリーズに入りました。だから、第5部のアニメ化を聞いた時は本当にうれしかったですが、作品には関わることができなくて...。そんな中で今回のアニメ化を聞いて、『ついに来た!』という高揚感と同時に、正直"怖さ"もありました。もしかしたら好きな作品を素直な気持ちで見られなくなるかもしれない――。そんな不安もあって、うれしさと緊張が入り混じった、すごく複雑な心境でした」

――本作への出演が決まったと知った時の第一声は?
坂田「『マジですか!』でした(笑)。とにかく『信じられない』という気持ちが強くて。オーディションはいつも全力で、"当たって砕けろ"の精神で挑んでいるので、受かったと聞いても毎回どこか現実味がないんです。『本当に現実? 夢じゃない?』みたいな感覚がしばらく続くというか。今回もまさにそんな状態でした。アフレコが始まるまでの間は、原作を読み返しながら『ここを自分がやるんだよな』と確認したり、『オラオラの練習をしないとな』と気持ちを高めていました」
阿座上「ある日、事務所から『お話があります』と呼ばれて。『怒られるのかな...心当たりがないわけでもないし』と身構えながら向かったんです(笑)。そこでマネージャーから『ジャイロ役に決まりました』と伝えられて、思わず立ち上がって握手しました。手応えがあったわけではないですが全力で臨みましたし、『ジョジョ』好きのマネージャーからもアドバイスをもらっていたので...。でも、どこか実感がないまま祝杯を挙げました(笑)」

――お互いが相棒役だと知った時の率直な感想を教えてください。
坂田「『あ!阿座上さんだ』ってなりました。それまでも、阿座上さんが出演されている現場に呼んでいただいたり、その逆があったりと、共演の機会が少しずつ増えていたタイミングだったんです。だからこそ、がっつり掛け合える関係性だと分かった時は、本当にワクワクしました」
阿座上「同じ事務所の先輩・後輩という関係で、しかもW主人公としてキャスティングされるケースは珍しいと思いますが、いろいろなバランスを考えた上で『この二人でいこう』と思っていただけたという事実が、何よりうれしかったです。最近共演が増えてきた後輩と一緒に、これから長い"旅"に出るのはやっぱりワクワクしますよね。作品の中でのジョニィとジャイロの関係性がどう深まっていくのかはもちろん、僕ら自身がこの作品を通してどんな関係になっていくのか、どんなキャリアを重ねていくのかも楽しみです」

――完成した作品を見てのご感想をお聞かせください。
坂田「アフレコの時と一番違うのは、やっぱりBGMやSEが加わることですよね。収録中に感じていた熱量が映像に乗り、そこに音楽や効果音が重なっていくことで、こんなにも美しい作品になるんだと改めて実感しました。細かなSEからも遊び心や歴代シリーズへのリスペクトが感じられるんです。BGMも西部劇らしさを感じさせつつ高揚感のある楽曲で、より一層テンションが上がりました」
阿座上「とにかく劇伴が素晴らしいんです。終盤に個人的にイメージがガラッと変わったと感じたシーンがあるのですが、静寂からエモーショナルな音楽が入り込んできて、僕は最終話まで知っているので、その劇伴を聞いた瞬間に思わず泣きそうになってしまって。その場面がより印象的になりましたし、原作の荒木先生がどこまでを見据えてこの物語を描いていたのだろう、と考えずにはいられませんでした。芝居も音楽もSEも映像も、すべての要素がみんなで盛り上げようという熱を持って融合している。完成した1st STAGEを見て、総合芸術として昇華されていることを強く感じました」
坂田「ゴールの瞬間は本当に熱いですよね。あえて無音になる一瞬があって、『うわー!』ってなりました。ぜひ爆音で見てほしいです」

――お二人が思う作品の魅力を教えてください。
坂田「魅力は本当にたくさんありますが、まずレースに勝つという一点に物語が集約されているところが印象的です。国の威信のためだったり、何かを成し遂げるためだったり、単純にお金が必要だったりと、参加者それぞれに事情や目的がある。でもやるべきことはただ一つ、レースで勝つこと。その構図が、これまでのシリーズとはまた違った面白さを生んでいる気がします。しかも主人公のジョニィ自身は、必ずしも優勝したいわけではない。その立ち位置も不思議で興味深いですよね。さらに今後登場する重要なキーアイテムの存在もあって、単なるレース物語にとどまらず、ストーリーはどんどん複雑になっていきます。最後に物語がどう収束していくのかを予想しながら見るのも、絶対に面白いと思います」

(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SBR製作委員会
阿座上「本作は、ジョジョシリーズの中でも明確に"スタート"と"ゴール"が設定されている作品なんですよね。西部開拓時代のアメリカを舞台に、騎手たちが実際にゴールを目指して東へ東へと走っていく。その情景そのものに、現代人が忘れかけているロマンを感じます。1st STAGEを見て改めて思ったのは、大勢の観衆が集まり、多くの騎手たちが一斉にゴールを目指して駆け出すあの光景だけで、胸が熱くなるということ。馬が走る姿そのものが圧倒的で、理屈抜きに感動してしまう。そうしたさまざまな感情を呼び起こしてくれるところが、この作品の大きな魅力だと思います」

――もし「スティール・ボール・ラン」のレースに出場するとしたら、どんなスタンドが欲しいですか? そして、登場人物の中で誰を相棒にしたいですか?
坂田「スタンドは、スピード重視でいきたいですね。馬より速く移動できたら圧倒的に有利だと思うので、第5部に登場するギアッチョの『ホワイト・アルバム』がいいです。相棒にするなら、前向きな気持ちにしてくれそうな第1部の主人公・ジョナサン!」
阿座上「僕は、馬の傷を治すことができる、第4部『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』の主人公・東方仗助の『クレイジー・ダイヤモンド』ですね。相棒は好きなキャラクターが多すぎて悩みます。回復系がいてくれると安心、という意味では第5部のジョルノは最強だよね。いざとなればすべてを"ゼロ"に戻す『ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム』もありますから。ただ、能力面だけで考えるならナランチャの索敵も便利そうだし...。でも、やっぱり相棒にするなら第4部の億泰かな。隣にいたら、どんな過酷な旅でも楽しめそう」

――最後に、本作を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。
坂田「多くの方が楽しみに待っていてくださっていたと思いますが、その期待を超える1st STAGEになっていると思います。物語はスタートからどんどん面白くなっていきますので、ぜひ最後まで見届けていただけたらうれしいです」
阿座上「『この作品を任されたからにはいいものを作りたい』という熱意が1st STAGEには表れている気がします。皆さんが応援してくだされば、キャストはもちろん、スタッフ一同さらに力を注いでいけると思います。ぜひ周りの方々にも『スティール・ボール・ラン』の魅力を広めていただいて、一緒に盛り上げていけたらと思いますので、よろしくお願いします!」
取材・文/中村実香 撮影/永田正雄
ヘアメイク(坂田将吾)/寺田英美(emu Inc.) ヘアメイク(阿座上洋平)/江口麻美(emu Inc.) スタイリスト/鳥羽栞




