アルコ&ピース、『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』での初アフレコで声優へのリスペクトが激増
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2026.03.03
『映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城』が公開中。同作品は、1980年公開の映画第1作から始まる「映画ドラえもん」シリーズの45作目。1983年に公開され感動の嵐を巻き起こした『映画ドラえもん のび太の海底鬼岩城』が40年以上の時を経て、新たに生まれ変わる。
夏休みにキャンプの行き先で意見が分かれたのび太(声・大原めぐみ)たちは、ドラえもん(声・水田わさび)の提案で、海の真ん中でキャンプすることに。ひみつ道具の「水中バギー(声・広橋涼)」と「テキオー灯」を使い、さまざまな生き物と遭遇しながら、海底キャンプを楽しむ5人。そんな中、沈没船を発見したことをきっかけに、謎の青年・エル(声・千葉翔也)と出会う。なんと彼は、海底に広がる「ムー連邦」に住む"海底人"だった――というストーリー。
今回、ゲスト声優として「ムー連邦」の兵士役を演じたアルコ&ピースにインタビューを行い、作品に参加することが決まった時の感想や初挑戦となった声優業の印象などについて語ってもらった。

――歴史ある国民的映画シリーズに参加できると聞いた時の感想は?
平子祐希「実感が伴わないっていう...。(『ドラえもん』は)生まれた時にはもうあって、日常の中に深く関わっていて、楽しくて見ていたというのはもちろんなんですけど、ある種、支えてもらっていた作品でもありますので、"エンタメ"というよりも、もっと内側に入ってきて存在していたものなんですよね。だから、その"自分の中に入っていたもの"の中に入るという感覚がうまくつかめなくて、過去の自分と今の自分に折り合いがつかない状態で。今でもまだ実感がないんです」
酒井健太「本当に信じられなかったです。コンビで20年やってきての"今"ということもそうですし、1年目の時とかから考えたら、まさか『ドラえもん』の声優をやるなんて想像もしていないですし。出来上がった作品を見て、やっと実感が湧いてきたかなという感じなので、喜びを感じるのはもうちょっと後になってからな気がします」
――数あるお仕事の中でもスペシャルな思いの詰まった仕事ということで、ご家族の反応はいかがだったのでしょうか?
平子「僕はまだ言っていないんですよ。基本的に仕事のことは話さないというのもありますし、家族で劇場に見に行く予定ですので、『その時にサプライズで気付いてほしい』という思いがありまして。(劇中の)声で気付かれたら逆に悪目立ちしているということなので、そこでは1つの役として聞いてもらって、エンドロールで気付いてもらえたらな、と。ただ、見過ごされたらどうしようというのはありますけど(笑)。やっぱり、気付かれる良さってあるじゃないですか。『あ、気付いた?そういえば今回のやつだったっけ?』みたいな。それくらいの余裕を見せて、『想像よりでっかい父ちゃんと住んでるんだな』と思わせたいんですよ。ただ、中学3年生で思春期なので、気付いても無視される可能性もあるんですけどね」
酒井「うちの子はまだ小さいので、一応伝えはしたんですけど、意味は分かっていないと思うので、劇場でどんな反応をするのかが楽しみですね。奥さんはすごく喜んでくれたんですけど、奥さんよりも母親が大喜びしていました(笑)。それで、『さすがドラえもん。年齢層の幅広いな』って!」
――試写で拝見して、お2人だと気付かないくらいのクオリティーの高さだと思ったのですが、初の声優業はいかがでしたか?
平子「芸人っていう仕事柄、ある種"欲しがる"というか、『爪痕を残したい』という思いとのせめぎ合いもありました。でも、作品作りってアンサンブル。それぞれがそれぞれの楽器を持っていて、それを弾いて調和した時の音色をお客さんに聞いていただくものなので、そこで一人だけキーの違う高いものを出して悪目立ちしても、というところもあるので、作品性にどう溶け込むかというところであれば、今のご意見を伺って成功したのかなと。
ただアフレコは、今まで似たようなお仕事をしてきたつもりで現場に行ったら、全く触れたことのないジャンルだったことが分かりました。とてつもない緊張感と技術が要されるもので、『アニメに携わられている方々は、こうやって魂を吹き込んでいるんだ』と思うと、アニメそのものの見方・捉え方が変わるくらいのショックを受けました。
そもそも、"役柄に伴った感情を込めて、マイクの前でしゃべるという行為"だと思っていたんですけど、それは大前提のことで、『今、誰と会話しているのか』『相手との距離は何メートル離れていて、上にいるのか下にいるのか、右か左か』でも発声の仕方や強さが変わってきますし、『自分がしゃべる前は(演じるキャラクターは)何をしていたのか』も大事で、走って来たのなら息が上がっているだろうし、ゆっくり来たのなら落ち着いているだろうし。そんな鼓動の部分まで声優さんたちは考えて挑んでらっしゃるということを、いろいろ現場で教えていただいて、『これはもう"役作り"とか、そんな短絡的なことじゃないんだ』と本当に勉強になりました」
酒井「もう本当に慣れない!今までにやったことのない仕事でした(笑)。録音ブースに入った瞬間の、あの『(静か過ぎて)キーン...』みたいな雰囲気と緊張感に完全に飲まれましたね。『こんなところでやっているんだ』というのもあるし、自分のせりふだけを吹き込むのでタイミングとかも取りづらくて。監督に教えてもらいながらやったんですけど、今でも監督の要求にちゃんと応えられたのか不安です。初めてで分からないことだらけで、なんか(収録が)1回止まって、ブースの外で大人たちが難しい顔して話しているのも、怖くて、怖くて...」
平子「僕ら、"何を分かっていないのか"が分かっていないですからね(笑)。だから、"どうしたらできるか"までたどり着いていないんですよ。改めて、声優というお仕事が独立して存在する意味というのを痛感しました」

――今後、バラエティーなどで声優さんと共演する機会があれば、見る目が変わりそうですね。
酒井「もう全然違いますね。めちゃめちゃ『いよっ!』とかやりますよ」
平子「床に頭をこすりつけてお迎えする所存ですよ。もう神様みたいなものですから」
――作品の中で、個人的に心に刺さったシーンは?
平子「(ネタバレで)詳しくはお話できないですけど、人工知能が"人間らしさ"、"人間くささ"、"血の通った仲間たちとの交流"というのを学びとっていくさまが、とても印象的でした」
酒井「僕は、のび太くんが夏休みの宿題を終わらせるのを、みんなが応援するシーンですね。あのバックショットのシーンはマジで好きで、あの場面のTシャツが欲しいです!」
――どんな方に見てもらいたいですか?
平子「本当に老若男女に見てもらいたいです。現在進行形で冒険をしたい少年少女たちはもちろんですけど、かつて『冒険をしたい』と思っていて、そこからいろんな現実と戦う中で、その時の心情から離れている大人たちも、見ていただくと少年少女たちと同じ目線に誘ってくれますので、一緒に『水中バギー』に乗って海底の冒険に旅立てると思います。
大人は大人目線の見え方というのももちろんあると思うんですけど、この作品に関しては、どの世代でも同じ目線でフラットに楽しめる気がするんです。だから、大人の方々はオープニングで『タイムふろしき』を被ってもらって、子供たちと同じ目線になって、一緒にドキドキわくわくできる魔法のようなこの作品を、大きなスクリーンで味わってほしいなと思います」
酒井「本当に全世代に刺さる作品だと思うので、年齢、性別、国籍関係なく、世界中の人みんなに見てほしいです!」

――お2人の欲しい「ひみつ道具」を教えてください。
平子「僕は、未来的なんだけど、ちょっとアナログ要素も入っている物が好きなんです。『水加工用ふりかけ』とか。そんな中で、『ホンワカキャップ』ですね。ジュースなどが入った容器の口に取り付けて、その中の液体を飲むと疑似的に酔っぱらうことができるという道具なのですが、そんな生活に根付いている物がいいんですよ。家族みんなでほろよいで、ほんわかできるものがいいなって。...という建前があって、本音は『もしもボックス』なんですけどね(笑)。本当にもらえるなら断然こっちですよ!」
酒井「僕は、本当にネタ覚えが悪いんで『アンキパン』です。ムシャムシャ食べてライブに挑みたいです。1回くらいノープレッシャーで舞台に立ってみたいですから。年始に後輩たちとライブをやって合同コントをやったんですけど、いやぁ全然だめでしたね。衰えを感じています。だから、絶対これ。本音も建て前も、これ!」
――最後に作品をご覧になる方々にメッセージをお願いします!
平子「巨大スクリーンで没入するに値する映画であり、スクリーンを通してたくさんの人と共有することに意味がある映画だなと思います。そして、どこか世界とつながっているし、つながるべき作品だな、とも。描いているものの、さらにその奥に壮大なテーマだったり、受け止めるべき要素が多分に詰まっていると思うので、絶対に巨大なスクリーンで見ていただいて、たくさんの人と冒険を共有してほしいなと思います」
酒井「子供はもちろん、大人もこんなにわくわくできる作品はないと思うので、家族でも、お友達同士でも、みんなで劇場に遊びに来てほしいなと思います!」
文/原田健 撮影/中川容邦

【作品情報】
「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」 公開中




