「魔道祖師」をはじめ、花澤香菜＆梅原裕一郎が吹き替えを務める「RINGING FATE」など、話題作が続々登場！中国アニメの多彩な魅力を徹底解剖
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2025.02.27
「魔道祖師 前塵編」
近年、中国アニメは急速に進化を遂げ、独自の世界観や美しい映像で注目を集めている。伝統文化を生かした作品から、幻想的なファンタジーや迫力のアクションまで、多彩なジャンルが展開されおり、日本のアニメファンにも浸透しつつある。
美しい映像と音楽が織りなす壮大な物語に酔いしれる！
中国アニメといえば、まず思い浮かぶのが映像の美しさ。特に、ゲームでも高い評価を得ている3DCG技術が随所に使われており、迫力満点のアクションシーンには思わず息をのむ。この印象を決定づけた作品のひとつが、妖魔を退治する"仙師"の姿を描いた「魔道祖師」だ。ドラマ「陳情令」と同じ原作を基にしたアニメで、日本では2020年から続々と字幕版や吹替版が放送。さらに日本で舞台化も控えるなど、今もなおファンを獲得し続けている。
物語の舞台は、五大世家のうち岐山温（きざんウェン）氏が暴虐を尽くす古代中国。横暴な温氏に対し、仙師たちは団結して戦を仕掛け、ついに討伐に成功する。その戦いで大きな功績を上げたのが、魏無羨（ウェイ・ウーシエン）。しかし、彼が持つ強大な力はやがて人々から恐れられ、討伐されてしまう。それから13年、ある人物により蘇った魏無羨は襲い来る屍を迎え撃つが、その最中に旧友の藍忘機（ラン・ワンジー）と再会する。魏無羨はなぜ恐れられたのか？ 過去と現在が交錯しながら、謎が紐解かれていく。
また、本作の魅力は映像美だけではない。魏無羨が笛、藍忘機が琴を武器として戦うことで、音楽そのものが物語の一部となっているのも見どころだ。戦闘シーンでは、それぞれの楽器が繊細かつ力強く響き、旋律とアクションが見事に融合する。時には静かに心情を語り、時には激しく感情をぶつけ合う音の演出は、視聴者の感情を一層引き込むものとなっている。
古代中国から近未来まで幅広いジャンルが楽しめる！
映像の美しさに加え、中国アニメの特徴として、時代劇や古代中国を舞台にした作品の豊富さも挙げられる。作品ごとに時代背景や文化が異なり、多様な歴史が息づいているのが魅力。また、中国の文化や風習を自然に感じられることも魅力で、視覚的に異文化を体験できるののも醍醐味だ。
「百妖譜」は、そんな中国の文化や神話に触れられる作品の一つ。古代地理書「山海経」に登場する妖（あやかし）を題材にしており、妖怪専門の医者・桃夭（とうよう／CV. 東山奈央）が、小坊主の磨牙（まが／CV. 村瀬歩）、灰狐のグングンと共に旅をしながら、病を抱えた妖を救っていく。彼女の治療法は特殊で、手首に付けた金の鈴を響かせ、患者の過去と向き合うことで心の病を癒やしていく。そこには、妖たちの切なくも温かな思いが込められており、観る者の心を優しく包み込む。
そして、中国アニメの中でも異色の存在が、現在放送中の「RINGING FATE」。かわいい見た目とは裏腹に、3DCGを駆使した近未来バトルが繰り広げられる。舞台は、死に際に強い執念を持った人々がたどり着く、生と死の狭間・崆（くう）。ここではメカを使った戦いが行われ、優勝者には生き返るチャンスが与えられる。記憶喪失の主人公・要（かなめ／CV. 花澤香菜）は、謎に包まれたメカ・サブロー（CV. 梅原裕一郎）と共に高みを目指す。ゲームのようなスピーディーな戦闘シーン、ポップなキャラクターデザインとシリアスなストーリーのギャップから目が離せなくなる。
「魔道祖師」をはじめ、近年の中国アニメは映像美やストーリーの奥深さで多くのファンを楽しませている。伝統文化を生かした作品から、3DCGを駆使した新作まで、その多様性は見る者を飽きさせない。今後も新たな作品が続々と登場し、日本のアニメファンを魅了してくれるはずだ。
文／川井美波
