「昨季の悔しさを糧に4季ぶりの優勝を目指す!」【長田智希/埼玉パナソニックワイルドナイツCTB(センター)/WTB(ウイング)】 ラグビーが教えてくれたこと~楕円球に魅せられた人々の熱い思い~

「昨季の悔しさを糧に4季ぶりの優勝を目指す!」【長田智希/埼玉パナソニックワイルドナイツCTB(センター)/WTB(ウイング)】 ラグビーが教えてくれたこと~楕円球に魅せられた人々の熱い思い~

日本代表でも活躍する、埼玉パナソニックワイルドナイツのCTB/WTB長田智希選手。決勝に進めず悔しい思いをした昨季のリーグワンを振り返りや選手としての成長、リーグワン優勝を目指す今季への意気込みを聞いた。

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――昨季はプレーオフ準決勝、3位決定戦で敗れて4位に終わりました。

「プレーオフ準決勝で負けて残念な結果でしたが、その結果を受け止め成長しなければいけないと感じています。昨季はプレーオフのルールが変わり、少し試合の間隔が空いたことで、チームとして切り替えが難しかった面もありました。それでも、ここ数年積み重ねてきた基本戦術やワイルドナイツのチームとしての結束も強みになっていましたし、攻撃面は近年と比べてもかなり良くなっており、セットプレーも強みになっています。ただ、昨季はややディフェンスに不安があり、失点も多かったです。守備の強度やプレッシャーをかける部分が課題だと感じており、(昨季からリーダーグループに入ったので)ディフェンスリーダーとして自分の責任も感じています。今季に向けて毎週レビューを行って、スタッフと連携しながら守備の改善に取り組んでいます」

――個人としての課題や成長はどんなところですか?

「最近はCTBではなくWTBとしての出場が増えて、チャンスを作る力はまだ不足していると感じていますが、ハイボールキャッチやキックの技術は少しずつ向上しています。竹山晃暉選手(WTB)や野口竜司選手(FB)など、チームメイトにお手本となる選手もたくさんいるので、そこは一緒に練習しながら学んでいます。もちろん、CTBとしてのプレー出場もあると思うので、チャンスが来た時にしっかりと活躍できるように準備しています」

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――ワイルドナイツのチーム内の競争についてどう感じていますか?

「入る前から競争が激しいことはわかっていましたし、常にレベルの高い選手と争っているのでやりがいがあります。南アフリカ代表CTBのダミアン・デアレンデやオーストラリア代表WTBのマリカ・コロインベテといった、目標となるような世界レベルの選手が近くにいることで、自分の成長にもつながっています。また、昨季はベテランの選手が引退したこともあり、若手の出場機会が増えたことはチームとしてプラスになっていると思います。練習から頑張ればチャンスが与えられ、試合に出ることが可能な環境があります」

――'23年W杯に出場し、20キャップを超えるなど日本代表としても活躍されていますが、代表での経験が自分にどうプラスになっていますか?

「W杯で戦うプレッシャーは特別で貴重な経験になりました。日本代表での勝利がラグビーの価値向上につながることを実感しました。代表は自分を成長させてくれる場所だと思っています。代表でプレーしたいという強い気持ちを常に持っているので、呼ばれたらしっかり結果を出せるように準備しています」

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――今季に向けての意気込みを聞かせてください。

「2014-15シーズンから監督を務めていたロビー・ディーンズさんが、今季からエグゼクティブアドバイザーとなりました。ロビーさんは練習で細かい部分をよく見てくれていて、特にタックルやキックの練習を怠らないよう指導されました。話しやすい雰囲気の中で、必要なことはしっかり言ってくれる名指導者です。今季からヘッドコーチは金沢篤さんになりましたが、これまでもコーチをされていたので基本的なところは大きく変わらないと思います。また元日本代表の堀江翔太さんもコーチに就任したので、細かいディフェンスの修正や準備を一緒に行い、チームとして良い状態で新シーズンに臨みたいと思います。昨季の結果に悔しさはありますが、今季こそ優勝できる自信はあります。課題をしっかりと改善しつつ積み重ねていけば、ワイルドナイツは優勝可能なチームだと思っています」

――ファンに向けてメッセージをお願いします。

「熊谷ラグビー場には毎回、多くのファンが来てくれて、とても盛り上がるので選手として嬉しい限りです。ホストスタジアムの雰囲気も良く、地域密着で応援してもらっていることをいつも感じています。ワイルドナイツのチームの強みである攻撃とディフェンスの一体感を見てほしいですね。今季は4シーズンぶりの優勝を目指し、良い準備をして新シーズンに臨むので、ぜひ、応援してください!」

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Personal Words
高校や大学で主将を務めた経験が
人間として大きく成長させてくれました

小学4年生の時に友人に誘われてラグビーを始めました。高校や大学で主将を務めた経験が、選手としても人間としても大きく成長させてくれたと思っています。社員選手としてプレーしていますが、仕事がある日もオフの日もトレーニングは欠かせません。趣味は特にないのですが、唯一のリラックス方法は練習の終わりに小山大輝選手(SH)や後輩といったチームメイトとコーヒーを飲みながら話すことです。

PROFILE
'99年11月25日生まれ。京都府出身。東海大仰星高校→早稲田大学→埼玉パナソニックワイルドナイツ。身長179cm /体重90kg。ポジションCTB /WTB。高校1年と3年時に花園で全国制覇。高校日本代表、U20日本代表も経験。'23年W杯日本代表、21キャップ('25年10月7日現在)。

撮影/長尾亜紀 取材・文/斉藤健仁

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