日本バスケ界の次代エースを担う逸材!十返翔里選手 東海大学男子バスケットボール部(1年)学スポPRESS〜若き挑戦者たち〜Vol.3
スポーツ インタビュー
2025.10.23
攻守で激しく見ていて楽しい
東海大のバスケをぜひ見に来てください!
東海大1年生の十返翔里(とがえりしょうり)選手は持ち前のスピードと跳躍力を生かし、どこからでも点が取れる世代屈指のスコアラーだ。関東大学バスケットボール新人戦で新人王に輝き、U23日本代表として世界の舞台も経験。自身の将来を見据え、語ることばには意欲があふれていた。

――バスケットボールを始めたきっかけを教えてください。
「友だちに誘われたのと、5歳上の兄の影響もあって小学1年生のときミニバスチーム(朝霞フレンドリーズ)に入りました。練習を続けるうちに上手くなっていくことを実感できて、どんどんバスケが好きになりました」
――バスケットを続けていきたいという気持ちが芽生えたのは?
「中学の最後の大会が6月にあるんですけど、それが終わったあと東京のクラブチーム(CONFIANZA東京)に入ったんです。そこは指導者がプロの方で、東京でもトップレベルのチームだったのでとにかく周りの人がみんな上手かった。その環境がすごく刺激になって負けたくないという気持ちになりました。バスケを続けて、もっと上手くなりたいと思うようになったのはその頃だと思います」

――八王子学園八王子高校に進んだ経緯は?
「クラブチームのアシスタントコーチの方が八王子学園のOBで、いろいろ話を聞かせていただいたのが大きかったです。もともと自分は留学生のいるチームでやりたいと思っていて、八王子がその条件にも当てはまっていたのも決め手となりました」
――高校3年間で1番思い出に残っている試合は?
「3年生のときのU18日清食品リーグで、東山高校(京都)と戦った試合です。残り1分頃に東山の瀬川琉久(りく)選手(千葉ジェッツ)のシュートで逆転されたんですが、そのあと自分のシュートで再逆転して、1点差で勝利しました。東山はその年のインターハイ優勝校だったこともあり、その相手に勝ち切れたことは自信にもなりました。あとは試合というより忘れられない経験なんですが、U18日本代表として参加したアジアカップは、自分の意識を変える大会になりました。初めて世界の舞台を経験したことで、自分の中にそれまでなかった、"世界基準"で一つひとつのプレーの精度を高めるという目標が得られました」

――高校時代は「世代最強のオフェンスマシーン」という呼び名もありました。ストロングポイントは高い得点能力と言っていいですか?
「そうですね。外からも打てて、警戒されれば中に攻め込むこともできる。スピードと跳躍力を生かしてどこからでも得点を狙えるのが自分の強みだと思っています」
――東海大に進んだきっかっけは?
「東海大は数多くのBリーガーを輩出していて大学No1というイメージがありました。またディフェンスのチームとして有名なので、自分の課題であるディフェンスを学びたいという気持ちも強かったです」
――実際に練習に参加したときの感想は?
「フィジカルの強さの違いはもちろんですが、バスケIQの高さに格段の差があると思いました。高校時代は何事もがむしゃらに行くという感じでしたが、大学では頭を使って賢くスマートにプレーしないといけません。この〝頭を使うプレー〞というのがなかなか大変で...。ディフェンスでも、これまで相手と距離を取って守っていたのに対して、今は距離を詰めて足を使って守らなければいけません。そこにフィジカルの差が加わるので、本当にハードです。ディフェンスの練習は毎日、必死です」

――関東大学新人戦で新人王を受賞、U23日本代表としてGLOBL JAM 2025にも出場。いずれの経験も自信につながったのでは?
「新人王はとても嬉しかったですし、自信になる面もありましが、むしろフィジカルや賢さでの課題が見つかったという感じでした。U23の大会は網野(友雄)ヘッドコーチから『遠慮せずに思い切って行け』と声をかけてもらったおかげで、失敗しても失うものはないという気持ちでアグレッシブにプレーできました。自分の財産になったと思っています」
――目標とする選手はいますか?
「日本代表として東京やパリ五輪で活躍された比江島慎(まこと)さん(宇都宮ブレックス)と東海大の先輩でもある田中大貴さん(サンロッカーズ渋谷)です。2人とも自分と同じぐらいのサイズでポジションも同じSGなので参考させてもらうプレーは多いですし、本当に尊敬しています」
――ライバルと思う選手はいますか?
「同期で言えば早稲田大の松本泰(しん)選手です。プレースタイルが自分と似ているし、リーグ戦でも結構やられてしまったので、同じスコアラーとして負けたくないですね」
――オフの日の過ごし方は?
「寝ているか、同期と遊びに行ったり、買い物に行ったりしていますね。自分は周りからよく『うるさい!』と言われるような性格なのでみんなとわいわい過ごす時間は楽しいです」

――会ってみたい人と思う人はいますか?
「うーん、誰だろう。あっ俳優の綾野剛さんにはいつかお会いしたいですね。「MIU404」や「地面師たち」などのドラマにハマって、カッコいいなあと。ファンになりました!」
――将来の夢、目標は?
「プロとしてBリーグでプレーするだけじゃなく、世界の舞台でプレーしたいという夢があります。海外のリーグに挑戦してそこで活躍できる選手になるのが夢であり、目標ですね」
――'27年のW杯や'28年のロサンゼルス五輪については?
「もちろんチャンスがあれば出場したいですが、そのためにはまず日本代表候補に名を連ねるのが必至なので、チャンスをつかみ取れるよう頑張りたいです」

――最後にインカレ(全日本大学バスケットボール選手権大会)に向けた意気込みを聞かせてください。
「(出場が決まったら)自分にとって初めてのインカレです。負けたら終わりという緊迫感はありますが、コートに出る以上、学年は関係ないと思っているので、自分を犠牲にしてでも勝利をつかみ取りに行く覚悟を持って臨みます。東海大は攻守に激しく、見る人を魅了するバスケを展開するチームなので、ぜひ会場に足を運んで、そのわくわくを実感してください。応援よろしくお願いします!
PERSONAL INFO
友だちに誘われてバスケを始めたのは小学1年生のときです。仲間から「うるさい」と言われるほど明るく活発な性格なので、オフの日も寝ている以外は同期と遊んでいます。会ってみたいのは俳優の綾野剛さん。ドラマを見てカッコよかったのでファンになりました!いつも心がけているのは『感謝』。それだけは絶対忘れちゃいけないと思っています。

プロフィール
'06年12月22日生まれ。埼玉県出身。193cm/83kg朝霞第四中学校→CONFIANZA東京→八王子学園八王子高校→東海大。ポジションSG。U18、U23日本代表。昨季、特別指定選手として群馬クレインサンダーズでBリーグデビューを果たす。
取材・文/松原貴実 撮影/長尾亜紀














