福原遥、水上恒司らの熱演で高まる続編への期待感!映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』

福原遥、水上恒司らの熱演で高まる続編への期待感!映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』

映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が、8月7日(金)に公開となる。

同作品は、350万人が涙した映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編にして完結編で、現代から1945年にタイムスリップした主人公の女子高校生・百合(福原遥)が悲しい初恋を経て、"教師になる"という夢を掴んだ前作の7年後を描いた、"時を超えてつながる愛"の物語。

前作の"その後"を描いているため、前作を鑑賞していなくてももちろん楽しめるが、"より一層"楽しむために映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の魅力を振り返りたい。

■恋愛&成長の2軸で展開される登場人物それぞれの人物描写

この映画は、汐見夏衛(しおみなつえ)による同名小説を福原と水上恒司のダブル主演で映画化したもので、第2次世界大戦末期にタイムスリップした現代の女子高校生(※原作では中学生)・百合と特攻隊員の青年・彰(水上)との時空を超えた切ない恋の物語だ。

原作小説は、汐見が高校教員時代に現在の高校生が戦争の話をあまり知らず、特攻隊についてもよく知らないという現実に直面し、「現代の子を主人公にして、自分たちと同じような価値観で、自分たちと同じような考え方の女の子の目で戦争を見たら、どう映るか。自分たちの身に寄せて考えてくれるのではないか」という思いから執筆された。"時空を超えた切ない恋"と同時に、戦時中と現代の価値観の違いや過酷な環境下での百合の成長も描かれており、この2軸を中心に展開される登場人物それぞれの人物描写が魅力だ。

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■見る者の心を揺さぶる登場人物たちの"思い"

タイムスリップした百合は、精神的にも肉体的にも疲弊している中、優しく寄り添うように助けてくれた彰に心をひかれていく。鶴屋食堂で住み込みで働き始めながら交流を深めるうちに、彼の人となりに触れ、思いを募らせていく。一方の彰も、戦時中の社会特有の強い同調圧力に屈することなく、間違っていることは間違っていると口にできる百合に惹かれながらも、いつ特攻命令が下るか分からない状況であるために、「もう一人の妹のよう」と言って距離を保とうとする。その切ない葛藤も見どころの一つだ。さらに、タイムスリップした先で百合の友人となった魚屋の娘・千代(出口夏希)の、彰の親友でと同じ部隊に所属する石丸(伊藤健太郎)に向けられるまっすぐな恋心だったり、特攻という過酷な運命を背負いながらも常に明るくあろうとする石丸の強さも胸を打つ。また、命令が下った直後、死への恐怖と「許嫁のために生きたい」という願いから逃げ出してしまう18歳の特攻隊員・板倉(嶋崎斗亜 ※「崎」は立つ崎)の心情や、何人もの特攻隊員たちを見送り続けてきた鶴屋食堂のおかみ・ツル(松坂慶子)の複雑な思いも印象的である。こうした登場人物たちの"思い"は、必ずしもせりふで語られるわけではない。それでも、戦争という過酷な状況に翻弄されながら生きる人々の感情が丁寧に描かれており、その一つ一つが見る者の心を揺さぶってくる。

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■福原遥を筆頭に若手実力派の役者たちが躍動

また、これらの"思い"を雄弁に表現する役者陣の名演がすばらしい。特に劇中で最も変化を遂げる百合を演じる福原の芝居は必見。現代で抱えていた家庭環境への不満から、全てが投げやりになっていたところから始まり、突然のタイムスリップによる困惑、現代とのギャップからくる苦悩、次第に膨らむ彰への恋心、日本の敗戦を自分だけが知っていることへの葛藤、彰が願った未来を強くまっすぐ生きるという決意など、さまざまな"思い"を表現している。

中でも、共演者たちの演技に引っ張られることなく、"唯一の未来人"としての存在感を示し続けた"芝居の芯"の強さは圧巻。この芯がブレないことで、百合ならではの葛藤や苦悩を鮮明に描き出している。そして、ラストシーンの嗚咽...。この作品では、役への理解度と役作りの深さ、表現力の豊かさ、演技の幅の広さといった、女優・福原遥の演技力を存分に感じることができる。

映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』では、彰への思いを1945年に残したまま大人になり、彰の面影を持つ青年・涼(細田佳央太)との出会いをきっかけに、揺れ動き始める百合の心の機微を、福原がどう演じるのかも見逃せない。

戦時中に生きた若者たちの思い、現代とのギャップに翻弄されながらも忘れられない恋を経験した主人公の成長など、作品に込められた多くのメッセージを受け取りながら、続編に向けた予習もしくは復習として見返してほしい。

文/原田健