映画『スパイダーマン』トム・ホランド版の魅力とは――新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』公開前に歴代シリーズの系譜をひも解く
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2026.07.27
トム・ホランド主演のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)版『スパイダーマン』シリーズ第4弾『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が2026年7月31日より日米同時公開となる。20年以上にわたり世界中で愛され続けるスパイダーマン。その理由は、超人的な力を持ちながらも、誰よりも人間らしく悩み、成長するヒーロー
像にあると考えられる。歴代シリーズはそれぞれ異なるピーター・パーカー像を描きながらも、その根底にある「スパイダーマンの魂」を受け継いできた。

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「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」
歴代スパイダーマンが描いてきた普遍のテーマ
2002年公開の『スパイダーマン』でトビー・マグワイアが演じたピーター・パーカーは、叔父ベンの死をきっかけに「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という信念を胸に刻み、ヒーローとして戦い続けた。その等身大の葛藤は多くの観客の共感を呼び、シリーズ人気の原点となった。続くアンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズでは、青春ドラマやラブストーリーの要素がより色濃く描かれた。トビー版が「責任を背負う青年」なら、アンドリュー版は「恋と青春に揺れる若者」といえるだろう。
アプローチは異なるものの、どちらのシリーズにも共通するのは、超人的な力を持ちながらも悩み、成長していく等身大の若者としてピーター・パーカーを描いている点だ。そして、その系譜を受け継ぎながら新たな魅力を打ち出したのが、トム・ホランド主演のMCU版スパイダーマンだった。

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「スパイダーマン:ホームカミング」
トム・ホランド版が描いた新しいスパイダーマン像
そんな偉大な先輩たちが築いた2つのシリーズを経て誕生したのが、トム・ホランド主演のMCU版スパイダーマンだ。過去シリーズが「孤独なヒーロー」を描いてきたのに対し、トム版はより等身大の高校生として描かれている。スパイダーマン誕生の経緯や叔父との別れをあえて描かず、すでにヒーローとして活動している状態からスタートしたのも特徴だ。マーベル・スタジオを率いるケヴィン・ファイギは、その理由について「以前の映画で十分に描かれてきたから」と語っている。だからこそトム版ピーターは、アベンジャーズに憧れ、学校の宿題に追われ、恋に悩む、ごく普通の高校生としての魅力を存分に発揮することができた。

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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」
さらにMCUに合流したことで、トニー・スターク(アイアンマン)やドクター・ストレンジといった先輩ヒーローたちとの交流も描かれるようになった。彼らに認められたいと願うピーターの成長物語は、これまでのシリーズにはなかった新たな魅力となっている。また、親友ネッドやMJといった仲間たちがピーターを支える存在として活躍するのも特徴だ。孤独な戦いが中心だった過去シリーズに対し、仲間との絆がより色濃く描かれている。

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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』で描かれる新たな戦い
そして2021年公開の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は、歴代スパイダーマン映画の集大成ともいえる作品だった。トビー・マグワイア版、アンドリュー・ガーフィールド版のピーターたちが同じ世界に集結し、世代を超えたファンを熱狂させたことは記憶に新しい。同作は単なるお祭り映画ではなく、それぞれのピーターが抱えてきた後悔や喪失に向き合う物語でもあった。異なる時代のスパイダーマンたちが互いを支え合う姿は、多くの観客に深い感動を与えた。こうして振り返ると、歴代シリーズはそれぞれ異なる魅力を持ちながらも、「力を持った若者が責任と向き合いながら成長する」という普遍的なテーマを描き続けてきたことが分かる。
最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』では、数々の出会いと別れを経験したピーターが、新たな局面に立たされることになるだろう。歴代シリーズが受け継いできた「スパイダーマンの魂」を背負いながら、トム・ホランド版ピーターがどのような成長を見せてくれるのか。世界中のファンの期待は高まるばかりだ。
文/壬生智裕




