映画『木挽町のあだ討ち』柄本佑×渡辺謙が語る痛快時代劇の魅力
映画 見放題インタビュー
2026.06.23
2026年2月27日の公開3日間で興行収入およそ2億円、動員数は約15万人を記録した映画『木挽町のあだ討ち』が7月22日からJ:COM STREAMの見放題で"最速"配信される。本作は、芝居小屋を舞台に、あだ討ちの裏に隠された真実を描く極上の娯楽時代劇。原作は第169回直木賞・第36回山本周五郎賞をダブル受賞した永井紗耶子の時代小説だ。
あだ討ち事件の真相を追う田舎侍・加瀬総一郎役で主演を務める柄本佑、立作者・篠田金治役を演じる渡辺謙に本作の魅力を語ってもらった。

――お二人は本作が初共演とのことですが、お互いの演技を間近に見ていかがでしたか?
渡辺「僕は佑が子どもの頃から知っているから、まるで親戚みたいな感覚なんです。最初は彼が総一郎を演じる様子を見て『お、いいじゃん』という親戚の子への気持ちがありましたが、演じながら徐々に普通の俳優さんとのやり取りへと変わっていきましたね。総一郎が感情的になる場面では、その背中に親父さん(柄本明)の影が見えてうれしかったです」
柄本「謙さんは、父はもちろん、義理の父(奥田瑛二)ともたくさん共演されていて、二人からよく話を聞いていましたし、親戚のようにも思っていましたが、やはり最初はすごく緊張しましたね。
でも謙さんは撮影中とそれ以外の時間の切り替えがはっきりしていて、そのメリハリのある空気感が心地良かったです。」

――事の真相を追う総一郎の役作りについて、監督から「刑事コロンボ的な雰囲気で」と指示があったと伺いました。
柄本「監督から『今回の役は"刑事コロンボ"だから』と軽く言われた時には『なるほど』と思いましたが、原作ではあまり描かれていない役だったので、自分なりにいろいろ考えていたんです。
衣装合わせの時に最初は黒みがかった色の衣装を着ていたんですが、それに対して監督が『もう少しコロンボっぽい色が良い』と話しているところを聞いて『思った以上にコロンボ寄りにしたかったんだな』と思いました(笑)。かといって、改めて『刑事コロンボ』を見たりはせず、僕なりに役に打ち込みました」
渡辺 「総一郎という役は何気なく演じられているように思われますが、演者側からすると難しい役だと思います。小説でいう読者の目線を持ちながら、自らの使命を表に出してはいけないというまるで霧の中を探っていくような役柄です。あまり強すぎてもいけないし、対峙する人たちに怪しまれすぎてもいけない。緩急が難しい役でしたが、佑ならではのアプローチがあって、僕も見ていて『やるやん』って思いましたね」
柄本「うれしいですね(笑)。ある撮影で監督がカットをかけた際に『今のコロンボっぽかったよ』と言われて、自分では意識していないけれどそれらしさが出ていたんだな(笑)、と思いました」

――渡辺さんが演じる金治は物語の核に関わる重要な役柄でした。
渡辺 「金治含む森田座(芝居小屋)の人たちは、世に出したくない秘密を抱えています。それを探る総一郎や見ている人を、役柄以上に煙に巻くという部分が物語の前半にありましたね。一方、それぞれのバックグラウンドを背負った森田座の面々が力を合わせて何かをするというのが、森田座の大きなテーマ。森田座の人々を演じる俳優さんたちはそれぞれに役作りをされていたので、僕はおおらかにそれをまとめるというイメージでした。
意識していたのは"見る"こと。金治の役柄としてほかの登場人物が何かしているのを"見る"というくだりがとても重要だと思っていたので、監督と話しながら役作りをしていきました」

――お二人とも多くの時代劇に出演されていますが、本作ならではの面白さはどこにあると思いますか?
渡辺「まさに"痛快さ"ですね。見終わった後に後腐れなく『よし!』という晴れやかな気持ちになる終わり方って、できるようでなかなかできないと思います。これぞまさに痛快娯楽時代劇!」
柄本「時代劇本来の楽しさを取り戻したような作品かもしれないですね。その時代劇の楽しさこそが、映画の楽しさにもつながっていると思います」
――配信で初めてご覧になる方、また映画館でご覧になり再び配信で視聴される方へ、メッセージをお願いします。
柄本「初めての方には純粋に作品を楽しんでいただきたいですね。映像美はもちろん、本作はミステリー要素もあるので一度見てから再度見ることで深みが増すと思います。あとは東映の京都撮影所での渾身のセットの作り込みも、画面でじっくり見ていただきたいです」
渡辺「一度見たら謎は解けてしまうけど、二回目以降にはこんなに細かな部分まで手をかけていたのかという部分が見られると思います。金治の部屋や芝居小屋の小道具部屋もかなり細かく作り込まれているので、そういった部分も楽しんでいただけるとうれしいです」
取材・文/水本晶子 写真/中川容邦 ヘアメイク/星野加奈子(柄本佑) 倉田正樹(渡辺謙) スタイリスト/坂上真一(柄本佑) 馬場順子(渡辺謙)




