當真あみが映画『終点のあの子』で向き合った女子高校生のリアル

當真あみが映画『終点のあの子』で向き合った女子高校生のリアル

1月23日公開の映画『終点のあの子』。柚木麻子の同名小説が原作の本作は私立女子高校が舞台。中等部から進学した希代子(當真あみ)は通学途中に青い服を着た見知らぬ女子に声をかけられる。外部生として入学してきた彼女の名前は朱里(中島セナ)。海外で暮らしてきたという朱里はどこか浮いた存在でありながらも、クラスメイトたちからは特別視されていた。そんな中、希代子は次第に朱里と仲を深めていくがある日、朱里の日記帳を見てしまったことから状況は変化していく。今回、希代子を演じる當真あみに作品のこと、誰しもがぶつかる「人間関係」についてどのように向かい合っているか聞いた。

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――出演が決まった際のお気持ちを教えてください。

「原作小説も読ませていただいたんですが、等身大の女子高生たちのリアルな気持ちや葛藤がまっすぐに描かれていて『こういう経験したな』『こんな気持ちになったな』ということを思い出して、この作品に出演できたら楽しいだろうなと思いました」

――撮影前にプロデューサーや監督とはどういったことをお話されましたか。

「監督が『日常の延長線上で撮りたいから、変に作り込んだりせず、等身大の當真さんでやってほしい』とおっしゃっていたので、そこまで緊張せず、わりと普段のままリラックスして撮れたらな、と。そこでお芝居の仕方も考えて固められたので、最初に会ってお話できたのはとてもよかったと思います」

――では、事前にあまり作り込まずに。

「希代子のベースの性格が、大人しく、わりと周りの友だちにも合わせるタイプで、そういう部分は学生時代の私と重なりました。私もどちらかというと、友だちといると周りに合わせるタイプだったんです。合わせたほうがぶつからないし、いいかなって思っていたんですよね。そういう部分は少し似ているので、そこまでしっかり作り込んでいくというよりは、撮影現場に行ってセナちゃんとお会いして、現場の雰囲気を感じながらやっていけたらいいな、と思っていました」

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――逆に共感できない部分はありましたか。

「友だちとぶつかることは極力避けたくてみんなに合わせていたので、希代子のようなエネルギーはどうしても湧いてこないな、というのは見て思いました。でも、やっぱり学生というまだ大人でもない年齢で自分のコントロールを学んでいく段階の子たちなので、そういった経験を経て自分を見直すきっかけに希代子自身はなったんだろうと思います」

――中島さん演じる朱里に対してはどういった印象をお持ちですか?

「他のみんなとは違った色、雰囲気をまとっている女の子で、それは朱里を演じたセナちゃんに対してもそういうイメージを持っていました。独特なオーラを持っているところが重なっていて。どうしても目で追ってしまう気になるような存在でしたね。セナちゃんとは仕事で会ってみたい方だったので、希代子とそのまま同じ気持ちだなと思いながら撮影していました」

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――中島さんとは現場ではいかがでしたか。

「私もセナちゃんも口数が少ないタイプなんですけど、私が現場でカメラを持っていてそれで写真を撮っていました。みんなの写真や、セナちゃん、平澤宏々路(こころ)ちゃんの1ショットとか」

――希代子の朱里に対する態度について、観る人もそれぞれ考えるところがあるかと思うんですが、當真さんご自身はいかがですか?

「学校だとひとつのクラスという枠があって、どうやっても離れられないですし、絶対に会わないといけない中でうまくやっていかないといけない社会ですけど、もう少し大人になればまた別の関係性だったり、距離感が作れるんだよ、ということは伝えてあげたいな、と思います」

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――学生時代に人間関係で悩まれた経験はありましたか?

「私は特にないですね。高校生のときは合う友だちとしか話さない感じだったんです。名前も4人ぐらいしか分からなかったレベルでした。中学校のときは小学校からずっと一緒の子たちだったんですけど、高校は東京に出てきて通っていたので無理に交友関係を広げなくてものんびりできる、ゆっくり話せる友だちが少しいればいいかな、くらいに思っていました」

――高校生のころと大人になってからの人間関係は異なる難しさがあると思うのですが、當真さんは気をつけていらっしゃることはありますか。

「自分がされて嫌なことは絶対にしない、ということは小学生ぐらいからずっと気をつけていました。大人になってからは、難しいと感じることは今のところあまりないです。むしろ学生の頃の方が難しいというか、より気をつけなきゃいけない部分は多かったと思います。大人になってこの仕事をしていると、どの現場に行ってもみんな同じひとつの目標があって、そこに集まっている人たちなので、その空気感や居心地の良さを感じます」

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――「初めまして」も多いお仕事かと思いますが、その辺りはいかがですか。

「やっぱり最初は、少し緊張します。でもコミュニケーションは取っていかないといけないので、とりあえず大きな声であいさつをしたり、現場にいるときもできるだけいろんな人と話せるように意識はしています」

――2025年のお話も少しお聞かせください。話題作にも多く出演されました。振り返ってみていかがですか。

「連続ドラマの主演をさせていただいたり、主演映画の公開だったり、いろいろと自分の中で大切にしたい経験をさせていただいた1年だったと思います。あと、この映画で上海国際映画祭にも行かせていただきました。本当に初めてのことがたくさんあって、この経験をまた次に生かせるようにがんばりたいと思っています」

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――2026年の抱負を教えてください。

「1月はこの映画が公開されますし、ほかにもみなさんに見てもらいたい映画の公開が控えているので、できるだけ多くの方々にお伝えできるようにがんばりたいです。それと、初めて舞台にも出演します。公演が 5月で、稽古は4月あたりから始まる予定なのですが、今から毎日考えては緊張しているので、それが今年のひとつの目標になっています」

――最後にメッセージをお願いします。

「高校生の作品と言うと、青春やキラキラしたものをイメージするかもしれませんが、それだけではなくて、それぞれが持つ葛藤や、学生時代に起こる人間関係の亀裂がリアルに描かれています。きっと誰かひとりは自分と重なるキャラクターがいるんじゃないかと思いますので、ぜひ見ていただけたらうれしいです」

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PROFILE
2006年11月2日生まれ。沖縄県出身。「妻、小学生になる。」(2022年)でドラマデビュー。『かがみの孤城』(2022年)、『おいしくて泣くとき』(2025年)、『ストロベリームーン 余命半年の恋』(2025年)ほか多数出演。2026年も劇場アニメ「パリに咲くエトワール」(3月13日公開)、「人はなぜラブレターを書くのか」(4月17日公開)、また5・6月には初の舞台「ハムレット」を控えている。

取材・文/ふくだりょうこ 撮影/はぎひさこ
ヘアメイク/SAKURA (makiura office) スタイリスト/大村淳子

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