「変わってないな」恒松祐里が明かす撮影裏話に本田望結が赤面
映画 インタビュー
2025.06.12
本田望結と恒松祐里が出演する映画『きさらぎ駅 Re:』が6月13日(金)に公開される。
同作品は、2004年に「はすみ」と名乗る女性がこの世に存在しない「きさらぎ駅」という異世界駅にたどり着いた体験を、匿名掲示板「2ちゃんねる」に投稿したことをきっかけに、ネットミームとして普遍的な人気を誇った事例を基に制作された映画『きさらぎ駅』(2022年)の新作続編。公開されるや、ネットや口コミで大流行してスマッシュヒットを果たし社会現象を起こした、前作から3年後のエピソードを描く。
3年前、堤春奈(恒松)のおかげで異世界「きさらぎ駅」から奇跡の生還を果たした宮崎明日香(本田)だったが、外見は20年前のままという異質な存在のため、世間の冷たい視線と疑念にさらされていた。そんな彼女の前に、ドキュメンタリーディレクターとして名を馳せる角中瞳(奥菜恵)が現れ、明日香を追ったドキュメンタリー番組を制作することに。瞳と出会ったことをきっかけに、かつて命を懸けて救ってくれた春奈と異世界に取り残された者たちの救出を決意した明日香は、再び「きさらぎ駅」へと足を踏み入れる――。
今回、主人公の明日香を演じる本田と、前作は主人公として活躍し、今作も引き続きキーマンとして登場する春奈を演じる恒松にインタビューを敢行。続編制作を聞いた時の感想や、演じる上で意識したこと、実際に体験した不思議な出来事などを語ってもらった。
――続編制作を聞いた時の感想は?
本田「前作から時間が経っていて、『あったらいいけど、ないのかな...』と思っていた中での"うれしいお知らせ"だったので、より一層うれしかったです。個人的には、明日香は前作で異世界から元の世界に戻ってきたキャラクターで、『出演できないんじゃないか』という不安があったので、"春奈を助けに行ける"ということもすごくうれしかったです」
恒松「前作の撮影中に『面白いから、続編できるといいね』と言ってはいたのですが、まさか本当にできるとは思っていなくて、マネジャーさんから『うそみたいな話だけど、「きさらぎ駅」続編やるよ』って言われて、『え!本当に?うれし過ぎる!』となったんです(笑)。望結ちゃんにも、監督やスタッフさんにも、また会えるというのが、何よりもうれしかったです」
――脚本を読んだ時の感想は?
恒松「本当に面白くて!『あの「きさらぎ駅」を、こういうふうにするんだ!監督、どれだけ脚本を練られたんだろう?』『早くみんなと撮影したい』と思いました」
本田「続編ということで、自分のキャラクターも、恒松さんのキャラクターも、監督のご指導の仕方も全部分かっているので、『このシーンはこういうふうに撮るんだろうな』と、今までにない感覚でした。最初にいただいたものから何度も改訂があったんですけど、最後の決定稿では、こちらも達成感を覚えるくらい監督のアイデアが詰め込まれているなと思いました」
――前作から助ける側と助けられる側という立場が逆転した今作。演じる上で意識したところは?
恒松「今回は、何度も同じシチュエーションのシーンが出てくるのですが、撮影では、同じシチュエーションの中、何度もお芝居を変えて撮っていったので、混乱しないように台本にメモを書き込んで臨みました。本番でも、みんなでその瞬間の感情を照らし合わせながら撮っていくという感じでした。
運転をしたことのない明日香がどんどん運転がうまくなっていくんですけど、助手席に乗っている春奈はどんどん安心していって、最終的に"運転の上手い彼氏の隣に乗って、安心して寝ちゃう彼女"みたいな感じになったりとか(笑)。そういう変化を、役者同士でアイデアを出し合いながら演じられたのがすごく楽しかったです」
本田「みんなの空気感が出来上がっていたからこそ、アイデアも出しやすかったよね。『これ、絶対監督にハマるんじゃないか』とか、『これだったら、祐里ちゃんは絶対返してくれる』とか、その逆もあったり。本当にやりやすい現場でした。
私が意識したところは、前作から3年経っているという設定なので、『明日香の性格や考え方も変わっている』と思って、最初から『変え過ぎかな』というくらい変えて演じました。監督のアドバイスもあり、明日香の変化から"3年間で世間から受けた辛さ"だったり、"3年間の濃さ"みたいなものを表現できたら、という思いで演じました。
そんな中で、明日香と同じく、前作の時は高校生で、今作では20歳という、等身大で演じられたことがすごく助けになりました。"経過した時間も同じ"ということが安心材料でした」
恒松「逆に私は時間が止まっているという設定なので、『前作の時の感情を思い出さなきゃ!』と思って、本番直前まで前作の映像を見返して、手の角度や重ね方、動かし方と共に心情も復習して臨みました。前作から完璧につながっていないと台無しになってしまうので、最初のカットは本当に緊張しました。
見た目に関しても、髪型を合わせるために前髪にエクステを付けたり、衣装も(前作で)お借りしていた物を返してしまっていたため、同じ物を用意するのが本当に大変だったらしいです。シーズンオフで用意できないから、衣装さんがなんとか同じ物を探して、やっとの思いで見つけてくれたらしく...。私たちだけじゃなく、スタッフさんも共に苦労して一緒に作り上げた力作です」
――撮影中のエピソードや撮影の思い出を教えてください。
本田「個人的な話なんですけど、明日香を演じるに当たって、明るい髪色を黒髪に戻して撮影したんです。『撮影が進むにつれて、色落ちして髪色が変わったらいけない』と思って、毎日髪のケアを頑張って撮影していたんですけど、出来上がりを見たら、異世界でのシーンは(演出で)青いフィルターがかかっていて、髪色の変化は分からないという...。『あの時の私の努力は?』というのと、前作で青いフィルターがかかっていたことを思い出せなかった自分にも悔しくて!」
恒松「そうだね、フィルターかかってたもんね(笑)。私の思い出は、望結ちゃんがかわいかったところですね。トンネルに入っていくシーンの撮影で、明日香と春奈が先頭で他のみんなが後を追うという状況だったんですけど、今は使われていないトンネルで撮ったので、奥が本当に真っ暗な中、一番後ろの人がトンネルに入り切るまで先頭の私たちが奥に進まなければならなくて、全然"カット"がかからないんですよ。そうしたら、望結ちゃんが怖過ぎて、演技を忘れて私の手をつかんで『怖い、怖い、怖い...。もう無理、もう無理!行きたくない』って。実はこれって、前作の時も全く同じことがあって!『同じ場所で同じことしていて、変わってないな』って(笑)。素の望結ちゃんが出ていてかわいかったです」
本田「終わりのないトンネルというか、本当に真っ暗で、本当に怖過ぎて素の自分に戻ってしまいました...(笑)」
――都市伝説をテーマにした作品ですが、これまで不思議な体験をしたことはありますか?
本田「待ち合わせていないのに、よく家族と遭遇します。家の近所とかではなく、地方でもそういうことがあるんです。関西に住んでいる時に東京で出会ったり、新幹線でたまたま隣の席になったり...。その時は、互いに『あれ、何してるの?』くらいの軽いリアクションなんですけど、今思えばすごく奇跡的なことですよね。最近も結構な頻度であるので、何か意味があるんじゃないかって思うくらいです」
恒松「え~!もうそれ映画とかで描かれるやつじゃない?すごく結び付いているんだよ。
私の不思議な体験は、子供の頃にネコを2匹飼っていて、1匹が先に亡くなってしまったんです。そうしたら、残ったネコが49日の間、家の中の空中を見て『ニャー、ニャー』鳴いていて、『私には見えないけど、(魂となって)居るんだ』って思ったことですね」
――最後に作品を鑑賞される方にメッセージをお願いします!
恒松「前作と比べて、より物語に厚みが増していますし、前作は春奈が1人で無双していましたけど、今作では、その春奈が"助っ人"というくらい明日香が強力になっているので、女子2人のアクションを楽しみにしていただけたら!(笑) あと、異世界で出会ったみんなの絆が深まっていく変化にも注目していただきながら、紡がれる友情物語も堪能していただけたらうれしいです」
本田「前作があるからこその、それぞれの成長物語だったり、春奈さんと明日香の"バディ感"が本当にカッコよくて、私も個人的に大好きなポイントなので、ぜひご覧いただけたらうれしいです」
同作公開に合わせ、映画・チャンネルNECOでは前作の映画『きさらぎ駅』を6月13日(金)に放送。ぜひご覧いただき、新作続編の醍醐味を存分に味わっていただきたい。
文/原田健 撮影/中川容邦
ヘアメイク/【本田望結】横山雷志郎【恒松祐里】藤尾明日香
スタイリスト/【本田望結】石川奈央【恒松祐里】武久真理江