中島健人がSNS時代のニュータイプ弁護士を演じたドラマ「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」

中島健人がSNS時代のニュータイプ弁護士を演じたドラマ「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」

中島健人が新時代のニュータイプ弁護士を演じ、ネット炎上やSNSトラブル、誹謗中傷といった現代において最も身近なトラブルを、爽快にぶった斬る新感覚のリーガルドラマ「しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~」。変わり者の弁護士・保田理(中島)が「しょせん他人事」をモットーに、社会問題にも発展しているネット関連の案件を解決していく姿を通して、弁護士と相談者のやり取りや実際に行われる裁判手続などを、徹底的にリアルに描いた話題作で、現在J:COM STREAMで見放題配信中だ。

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■現代における最も身近なトラブルが題材

同作品の見どころといえば、やはりネットトラブルを題材にしていることだろう。案件ごとに登場するキャラクターたちは、普通のどこにでもいる一般人がほとんど。「現実で、いつ彼らのようなトラブルに巻き込まれてもおかしくない」と身が凍ってしまうようなエピソードで構成されており、内容が持つリアリティーが見る者を没入させてくれる。

例えば、情報の真偽も確認しないまま尻馬に乗って拡散することも誹謗中傷になってしまったり、書き込んだ端末が契約されている場所に、情報開示請求の書面が届くなど、"身近なことだが知らない現実"をハウツー的に描いていたり、普段は思いを馳せづらいネットの先にいる人物の思いなどを描いており、ふと自分の日常生活を顧みるきっかけを与えてくれる。

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■作品の"柱"となる役どころを軽やかに演じる

そんなリアリティーあふれる作品を、珠玉なエンタメに昇華させているのが中島の演技だ。中島演じる保田は「しょせん他人事」をモットーに相談者と向き合い、パラリーガルの加賀見灯(白石聖)を困らせているという、これまでのリーガルものの主人公とは一線を画したキャラクター。金にがめつい訳でも、勝負にこだわる訳でも、相談者に寄り添う訳でもなく、プロとして最低限の仕事を全うするというビジネスライクな人物。泣きながら事情を説明している相談者に対して、「泣いてないでちゃんと相談してください。時間がもったいないですし、僕はセラピストでも何でもないので、簡潔に、かつ具体的に説明をお願いします」とクールに言い放つほどで、人情派とはほど遠い役柄だ。

この一見冷たく映ってしまいそうなキャラクターを、中島はなんとも軽やかに演じている。どんな案件においても、相談者に対して"できること"と"できないこと"を温度差なくはっきりと伝え、状況に飲み込まれることなく、プロの仕事として粛々とこなす。ピンチを感じさせず、楽しんでいるかのように、のらりくらりと流れに身を任せて波を乗りこなしていくのだが、中島は1クールを通してこのキャラクターを"全く変わらず"守り通している。これはクランクイン前から保田理というキャラクターを確固たるものとして作り上げていたからこそ成せる所業で、ドラマの作品性と役のポジション、他の登場人物たちとの関係性などを見越した上で、深く役作りを行った結果だろう。

例えば、主人公の成長物語や相手との関係性がテーマの恋愛ものでは、「役の変化をどう表現するか」というところが主軸となるため、事前の役作りを土台に、撮影を通して役を変化させていくのだが、同作では案件を通して気付きや変化があるのは、相談者や保田に振り回されている灯の役割であるため、保田は作品の"柱"としてどっしりと存在していなければならない。この"言うは易く行うは難し"なハードルの高い役を、中島は軽やかに飄々と"変わらず"表現するという偉業を成し遂げている。

"存在感を出さずに存在感を出す"という、主役としてもチャレンジングな役どころを演じ切り、役者としての奥深さを垣間見せている中島の役者としての実力を感じながら、作品が発信するメッセージを受け取ってほしい。

文/原田健

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