「西部警察PART-Ⅲ」の特別番組も必見! 空前絶後のカーアクションの魅力を再び

「西部警察PART-Ⅲ」の特別番組も必見! 空前絶後のカーアクションの魅力を再び

1979年から1984年までテレビ朝日系で放送された「西部警察」は、渡哲也演じる大門圭介団長率いる刑事たちが凶悪犯罪に立ち向かうロングランシリーズだ。全3シリーズ、236話にわたって放送され、ド派手なアクションシーンが番組の名物だった。特に「爆破」が代名詞とされ、撮影で破壊した車両の総数は4,680台、総火薬使用量は4,800kgにも達した。

さらに撮影で飛ばしたヘリコプター600機、封鎖した道路の総数は4万500箇所、そして警察に提出した始末書が45通。まさに空前のスケールで撮影された伝説のドラマである。毎回「爆破しまくり」の大迫力画面に全国の視聴者は釘づけになり、爆破シーンに加えてド派手な銃撃戦とカーチェイスの迫力もすさまじく、日本ドラマ史上に残る超大作シリーズとも言われる所以だ。

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特にドラマの人気を盛り上げたのは、大門団長(渡哲也)が乗る「スーパーZ」をはじめとするスーパーマシン群と空前絶後のカーアクション。本作のカーアクションを担当したのは、"伝説のカースタントマン"と称される大友千秋氏だ。そして今回、「西部警察 PART-Ⅲ」放送直前!爆裂カーアクションSP特番がホームドラマチャンネルで放送される。娯楽映画研究家の佐藤利明氏がホスト役を務め、大友千秋氏をゲストに迎えて「西部警察」とカーアクションの魅力を語り尽くす内容だ。

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大友氏が自身の経歴から「西部警察」のカーアクションの回想を語る特別インタビューはまさに貴重な証言。後半では、大友氏がセレクトした西部警察「爆裂カースタントベスト7」をドラマ映像と共に紹介。伝説の"運河越えジャンプ"(PART-Ⅰ第104話)や、走るダンプの荷台にパトカーで飛び乗る(PART-Ⅱ・第2話)といった、ファン垂涎のスペクタクルシーンが大友氏の解説つきで紹介される。

さらに特番の目玉として、大門団長の「スーパーZ」の現在の姿を紹介するお宝映像も見逃せない。視聴者を虜にした「ガルウイング」をはじめ、「催涙弾発射砲」や「煙幕発射装置」といったギミックをたっぷり紹介。放送当時に劇用車メンテナンスを担当し、現在も当時の姿のまま大切に保管している宇角長七氏(石原音楽出版社)の貴重な証言も聞ける。

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改めて「西部警察 PART-Ⅲ」の見どころにも触れておきたい。本作は1983年4月から1984年10月まで、テレビ朝日系で全70話が放送された。前作同様に全国縦断ロケが敢行され、爆破シーンやカーアクションの迫力はそのままに、ストーリー面を強化。大門軍団をはじめレギュラー陣の人間ドラマ的なエピソードが増えた点も特徴だ。

例えば、沖田刑事(三浦友和)は、銃弾の傷によって余命いくばくもない身であったが、骨髄炎が悪化。自らの死期を悟って西部署を去ろうとするエピソード(第6話)は感涙もの。鳩村刑事(舘ひろし)と、本作から登場した山県刑事(柴俊夫)は、西部署の二枚看板的な存在で、当初は反目していたが連携して事件解決に活躍する。

元チンピラながら神父の息子で自らもクリスチャンという設定の山県は、同じくPART-Ⅲから登場する五代刑事(石原良純)と共に、本作の人気を支えた。五代は第8話より登場し、ラリーの国際大会で優勝するほどのドライビングテクニックを武器に活躍。当初は無鉄砲な捜査ぶりを叱責されたこともあったが、大門らの指導で成長していく。

前作からのレギュラーである元白バイ隊員の北条刑事(御木裕)、蝶ネクタイがトレードマークの平尾刑事(峰竜太)、ベテランの南刑事(小林昭二)ら大門軍団のメンバーも個性豊かで番組を支えた。北条&平尾の凸凹コンビぶりも微笑ましく、南は勘の良さを発揮して捜査に活躍し、若手に負けずに銃撃戦にも積極的に参加する頼もしいキャラでもあった。

主人公の大門は、本作では以前にも増してドライな姿勢で捜査に臨むようになり、たびたび部下たちの反感を買う。大門の非情さがより強調され、やがて終盤のクライマックスへ。最終回は3時間枠の特別編成による『さよなら西部警察』として放送され、5年にわたったシリーズのファイナルを飾る大作となっている。

サングラスがトレードマークで、愛用のソードオフ・ショットガン、レミントンM31改を携えて自ら猟犬のごとく凶悪犯人達を追い詰める大門。まさに硬派を絵に描いたような男で、寡黙で常に冷静。悪を決して許さぬクールな主人公はまさに渡のはまり役となった。

そんな大門団長を中心に、大門軍団の個性的な刑事たちが縦横無尽に躍動し、迫力満点のカーアクションを展開。爆破シーンをはじめとする大迫力のアクションシーン満載の「西部警察」シリーズは、刑事ドラマというより、TVドラマ史に残る傑作だ。あの時代だからこそ生まれ、もう二度とこんな作品は誕生しないだろう。その最後を飾るPART-Ⅲを目に焼きつけておきたい。

文/渡辺敏樹

放送日時:2025年4月 5日 20:00~

チャンネル:ホームドラマチャンネルHD

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放送日時:2025年4月 6日 00:30~

チャンネル:ホームドラマチャンネルHD

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