有りそうで無かった新ジャンル【旅ドラマ】 「週末旅の極意〜夫婦ってそんな簡単じゃないもの〜」【小虎・りょう】
国内ドラマ 連載コラム
2025.01.15
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
よしもと
ドラマ部
(吉本興業所属のお笑い芸人)
吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。
<プロフィール> りょう(小虎) 1995年12月28日生まれ、愛知県豊田市出身。NSC東京校24期生。2019年に福井祐樹ともに小虎を結成。学生時代からのドラマ好きが高じて、「よしもとドラマ部」の一員としても活躍中。
"恋愛ドラマ"や"刑事ドラマ"、"学園ドラマ"、最近では"飯ドラ"など、1つのテーマに特化したドラマが多く見られる。
このドラマは【旅ドラマ】らしい。ドラマ界では初の試みらしい、今までありそうではあるが...。Google検索で【旅ドラマ】と打ち込むと1番上にこのドラマが来たのでおそらくこのドラマがパイオニアだ。このコラムを書いていて良かった。また新しいワクワクするドラマを知れた。
今回は「週末旅の極意〜夫婦ってそんな簡単じゃないもの〜」を紹介します。
「時々思う。仕事に明け暮れ、すれ違いの日々を過ごす私たち夫婦を、夫婦たらしめているものとは一体なんだろう...」と。私は夫に週末旅を提案した。壮大な景色に抱かれた、箱根の芦ノ湖が一望できるホテル「はなをり」で温泉や贅沢なビュッフェに舌鼓を打ち、久しぶりに二人の時間を満喫する真澄(観月ありさ)と仁(吉沢悠)。そこで、上品な白髪の老婦人・浅井乃扶子(矢野陽子)に出会い...。結婚10年目、夫婦の週末二人旅が始まった。
結婚10年目の決して不仲ではない、仕事の都合ですれ違いの多い夫婦が、"景色の違う場所"で"一番近くにいる他人"と向き合うというテーマから"週末旅"をするようになる。
(C)「週末旅の極意」製作委員会
日常からの現実問題からの日常
僕自身、日常生活をしていて、飲みの席や職場など大人がたくさんいる場で他者の愚痴を目にする事がある。大体は意見の相違。『子供を産んだ方が良いよね〜』『男は〜』『女は〜』『育休が〜』など...。
結婚もしておらず、恋人もおらず、仕事も不安定確変のお笑いという職業そんな人間の僕にはどちらの意見も耳が痛い、シンプルに聞いてるだけでしんどくなってしまうのだ。意識の高い人間から逃げたくなってしまう。その立場に立った事がないから逃げているだけなのかもしれない。
このドラマを初めて見た時に、真澄の育休や子供に関する悩みから始まり、仁の仕事との向き合い方に進んでいく。もしかしたら耳が痛い話題ばかりかもしれない、そんな風に思ってしまった。しかし途中で考え方がガラリと変わった。
このドラマはあくまで【旅ドラマ】
大切な人と週末に"旅"をして、腹を割って向き合う、そこで、"幸せの形は人それぞれ"という事に気づかせてくれる。そんな"旅ドラマ"だった。伝わる心情は人それぞれかもしれないが、僕は少なくともそう感じた。人間模様が描かれるパートもとても魅力的。
(C)「週末旅の極意」製作委員会
リフレッシュ旅の道標
先述の通りこのドラマは【旅ドラマ】だ。
主役は旅、このドラマと僕の共通点といえば、僕もすぐに旅行に行きたがる(お金もないのに)。熱海や箱根という近場で格安の宿を取って温泉に浸かって、ふかふかの布団で現実逃避をしたりしている。真澄と仁はそんな僕の憧れの暮らしをしている。
毎話、実際に存在するランクの高い宿に泊まり、温泉に浸かり、見ているだけでお腹の鳴る食事を摂り、二人で腹を割って話す。最高の流れだ。最終話に出てくる『箱根・強羅 佳ら久』なんて、僕も何度も調べた事がある。
その中でも僕にとって一番魅力的なのは、食事のシーンだ。外でのご飯はもちろん、毎度出てくる宿での料理が【旅ドラマ】ならば部屋での食事になりそうだが、宿の魅力"ビュッフェ方式"をそのまま放送してくれるのだ。
"ビュッフェ"のシーンって実はドラマでは本当に少ないと思う。これは本当に【旅ドラマ】として素晴らしくて、宿の魅力を伝えたいという意思がとても伝わるし、こちらの欲を掻き立てられまくる。わくわくしかしない。
『ビュッフェってその人の性格を現すよね』という台詞が出てくる。まさしくその通りだと思う。同じものをたくさん取ったり、全種類取ろうとしたり、朝からラーメンや変な時にカレーを食べたり、そんな些細な"ビュッフェあるある"からもハッとさせられそうになる瞬間がある。そんなほっこりしたシーンもこの【旅ドラマ】の魅力だ。
余談だが、僕自身宿に泊まった時、朝食ビュッフェで"茶色いもの"しか取らなくて責め立てられた経験が何度もある。
まとめ
初めて見るドラマはこのドラマではなくていい、でも、なんとなく仕事に疲れた時、夫婦や恋人との関係で悩んでいる時、SNSだとか明る過ぎるメディアなどに嫌気がさした時、1番最初に見るドラマに最高だと思います。全8話で見やすいです。
週末に小旅行して美味しいもの食べて温泉に入って、ゆっくり過ごしてください。ゆっくり。どんな形でも良いんです。幸せなんて人それぞれですから。