推しがいる人もいない人も共感の嵐!40代おっさんもキュンとする傑作ラブコメ 「推しが上司になりまして」【宮地ケンスケ】

よしもとドラマ部

よしもとドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は宮地ケンスケ・福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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推しがいる人もいない人も共感の嵐!40代おっさんもキュンとする傑作ラブコメ 「推しが上司になりまして」【宮地ケンスケ】

<プロフィール>
宮地ケンスケ
1976年5月13日生まれ、高知県高知市出身。1997年オーディションを経て、吉本興業に入社し、お笑いトリオ「ニブンノゴ!」として活動。2024年2月に解散した。現在は放送作家・脚本家・コント作家・ライブ制作・講師など幅広く活動している。


私が今回ご紹介したいドラマは鈴木愛理さん、GENERATIONS・片寄涼太さんが出演されている「推しが上司になりまして」です。

5~6年前だったら深夜で胸キュンドラマが始まればどんな作品でもお祭りのように盛り上がっていましたが、今は枠が増え、椅子取りゲーム状態。そんな中、これは圧倒的な数の胸キュンシーンを詰め込むことに成功した傑作ドラマなのです。40歳後半のおじさんを胸キュンさせるんだから大したもんだよ!

ストーリーは、推しの舞台俳優・桐生斗真が突然引退し、人生のどん底にいたOL・中条瞳の職場に、新たな上司として桐谷斗真がやってくるというもの。そう、タイトルのまま!(笑)

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このドラマの1番の見どころは一流アイドルの鈴木愛理さんが、ファンを演じているところ。自分を支えてくれている人たちの大切さを知っているからこそ、ファンのリアルな気持ちをしっかりアップデートし、それを演技に活かしているんです。慌てふためく姿とか興奮したら早口になってしまうところとかディテールが光る。推しの文化など全くわからない私でも「なんかあるある!」と思ってしまうほど。

そして、数多の胸キュンドラマに出演している片寄さんの安定感がハンパない!無農薬で生産者の顔がわかる野菜とほぼ同じくらいの安心感。芸人からは、ゆりやんレトリィバァや紅しょうがの稲田さんが出演。この2人が意外にも(かなり失礼)素晴らしい演技を披露してくれてます。

こういうドラマは、どうしても前半にやりたいことをやりすぎて後半失速してしまうケースが多いのですが、最終回までダレることなく見ることができます。その秘密を脚本で見つけることができました。このドラマ、全12話を6人の脚本家が担当。分担性にすることでどの回も熱を落とさず紡いでいくことに成功しているんです。5人の女性作家と1人の男性作家と割合もいい塩梅(あんばい)。

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あと、このドラマは「余白」が絶妙。私は「恋愛ドラマは65点が満点」という持論があります。恋愛ドラマはあーだこーだと言いながら、SNSにつぶやきながら見るのが正解の楽しみ方。そのためには、そうさせるための「余白」を用意しなければならない。このドラマはその余白をしっかり用意してあります。こう楽しまきゃダメだという押し付けもなく、それぞれの感性で楽しむことができるようになっているのです。あと、推しの文化をわかりやすく解説してくれているので勉強にもなりますよ。

展開をお話したいところなんですがネタバレになるので詳細は控えます。4話くらいにあんなことになって、そっからが... キャーー!って感じ。推しがいる人もいない人も、誰もが共感し楽しめるこの傑作ドラマを見逃さないでください!

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