暴れん坊将軍は最高のヒーロー 「吉宗評判記 暴れん坊将軍」【フルーツポンチ・村上健志】

よしもとドラマ部

よしもとドラマ部 (吉本興業所属のお笑い芸人)

吉本興業所属のテレビドラマ好きを公言しているお笑い芸人からなる。 現在は宮地ケンスケ・福田恵悟(LLR)・村上健志(フルーツポンチ)・大貫さん(夫婦のじかん)・りょう(小虎)らが所属。

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暴れん坊将軍は最高のヒーロー 「吉宗評判記 暴れん坊将軍」【フルーツポンチ・村上健志】

<プロフィール>

村上健志(フルーツポンチ)

1980128日生まれ、茨城県牛久市出身。2004年にNSC東京校10期として入学。在学中に、同期の亘健太郎とともにフルーツポンチを結成。特技の俳句で、MBS「プレバト!!」にて日常の風景を切り取る独自の才能を発揮し、永世名人の称号を獲得。2021年には「フルーツポンチ村上健志の俳句修行」と題し、句会での様子を書籍にして出版している。よしもとドラマ部に所属。ドラマ好きが高じて、多数ドラマ出演経験あり。

この度連載をさせて頂くことになりましたフルーツポンチの村上健志です。学生時代からのドラマ好きが高じて、芸人になってから同じくドラマが好きな先輩芸人と「ドラマ部」というドラマについてただただ語る月に一回開催のオールナイトライブを100回やっていました。ドラマの裏事情や演技、撮影方法など専門的な知識は全くなく、ただの一ファンです。昨今、配信などで数多くのドラマを見ることができる中、有意義なドラマ選びの参考になるような連載になればと思っています。よろしくお願い致します。

「暴れん坊将軍」が面白い。何を今さらと思われるかも知れません。しかし、これまできちんと「暴れん坊将軍」を見ていませんでした。もちろん知ってはいました。徳川八代将軍吉宗を演じるのは松平健さん。あの高揚感のあるテーマ曲の中、お殿様が朱色の飾りを付けた白馬に乗って疾走するオープニング(因みに白馬が登場するのはシリーズ2からでシリーズ1は全然白くない馬でした)。「暴れん坊将軍」という作品は「機動戦士ガンダム」や「スター・ウォーズ」のように、もはや見ていなくてもなんとなくは知っている超有名作品です。子供の頃、よくテレビで流れていたし父親が見ているのをなんとなくは見ていました。しかし当時は、「時代劇なんて年配者が見るものだろ、、、」と決めつけていました。しかし時代劇なんて...と思っていた「暴れん坊将軍」は、誰しもが楽しめるだろう超エンタメヒーローものでした。

江戸幕府の第八代将軍・徳川吉宗が貧乏旗本・徳田新之助に扮し、江戸の町民と触れ合い悪を倒す物語「暴れん坊将軍」。1978年から2002年までレギュラー放送された、シリーズ12にも及ぶ大人気時代劇。24年間のレギュラー放送とスペシャル回を合わせ全放送回数は832回!なんとシリーズ1(シリーズ1はタイトルが「吉宗評判記 暴れん坊将軍」)だけで207話もあります。

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後に歴史的な作品となる本作の主役には、当時まだ新人だったという松平健さんが抜擢されました。データを見るだけでもとてつもないのですが、これほどまでに愛される作品の第一話を見て思ったのは「健さんカッケーー」でした。むちゃくちゃ男前でした。今の松平健さんから想像できない、とかではないのですが、今の魅力とはまた違うキラッキラッのイケメン。主役がこれだけ魅力的ならそりゃもう成功確定!というようなカッコ良さです。常識外れのカッコ良さに、松平健さんの正体は人の形をした澄んだ空なんじゃないかと疑うほどでした。

吉宗がとことんヒーローで、悪党はとことん悪。勧善懲悪が痛快でたまりません。脇を固めるユニークな登場人物やすっごい強い味方の忍者、いちいちカッコいい大立ち回りのワクワク、扇子を武器にするのも大好きです。そしてあの有名なオープニングはやはりすごいです。映画で、めちゃくちゃ良いシーンを見た時に「これだけで元取った」と感じるときのような高揚感があります。

そして、時代劇ということもあるのかも知れませんが、古臭いという印象が全然ないのです。とにかく、こりゃたまらんという魅力がぎっしり詰まった最高のエンタメでした。832話もあるので、遊び心満載の回もたくさんあります。ファンの方の間で話題にもなっているという第9シリーズの第19話「江戸壊滅の危機!すい星激突の恐怖」では彗星が落ちてくるという時代劇とは思えない回もあります。実際見ていただきたいのですが、時代劇なのに彗星が地球に近づく宇宙の映像が出てきます。

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今年で芸能生活50周年を迎える松平健さんの言わずと知れた代表作。徳川吉宗のヒーロー像を確立したのはこの「暴れん坊将軍」なのではないでしょうか。テストで徳川八代目将軍は?という問題に暴れん坊将軍と答えても正解にしてもいいんではないかというほど吉宗=暴れん坊将軍です。これはぜひ見るべき作品です。長年にわたって愛された理由がそこにはあります。