SVリーグ2026-27開幕記念!中川つかさ選手独占インタビュー「高みを目指す選手が増えればもっと勝てる試合は増えるはずです」

SVリーグ2026-27開幕記念!中川つかさ選手独占インタビュー「高みを目指す選手が増えればもっと勝てる試合は増えるはずです」

いよいよ2026年10月10日(土)に「2026-27 大同生命SV.LEAGUE」が開幕する(男子は10月17日(土)開幕)。昨季レギュラーシーズン1位となったNECレッドロケッツ川崎。今季からキャプテンの中川つかさ選手に独占インタビューを行い、昨季の振り返りと、新シーズンに懸ける思いを聞いた。

「2026-27 大同生命SV.LEAGUE」は、男女全試合を「J SPORTSオンデマンド」でLIVE配信。

――昨季はレギュラーシーズンで優勝を果たし、続くチャンピオンシップではセミファイナル敗退という結果でした。振り返っていただけますか。

「昨季は直前まで日本代表の活動があり、チームに戻ってきてすぐにリーグ戦が開幕しました。またNEC川崎のチームメンバーにも日本代表の選手が多く、一から積み上げるのではなく、どこか代表の延長線という感覚が強かったです。結果的にレギュラーシーズンを1位で通過したわけですが、逆に周りのチームよりも頭一つ抜けた状態で勝ち星を重ねていたぶん、『負けられない』という気持ちからシーズンはとても長く感じました。

 振り返れば、自分たちの弱みや苦手な部分を分かっていたにも関わらず、そこに目を向けずに過ごしていたことが成績にも表れました。準優勝だった皇后杯 全日本バレーボール選手権大会の決勝は『絶対に勝てる』という確信もなく試合に臨んでいましたし、負けた直後は『負けてよかった』と思ったのが正直なところです。チャンピオンシップも同様で、私はセミファイナルで負けた試合の後も涙は出ませんでした。もちろん敗れた悔しさはありましたが、『この結果にならないためにもっとできたことがあったのではないか』という考えが頭を巡っていました」

――リーグ戦を終えたあとはアジアチャンピオンズリーグに出場し、優勝とベストセッターに輝きました。個人としてはいかがでしたか?

「リーグを悔しい結果で終えた直後だったので、モチベーションの保ち方が難しかったですが、その場に立たせてもらう以上は100%の力を発揮したいと考えていました。ベストセッターの受賞については、それほど特別な感情はありません。優勝チームから選出されたものだと思っていますし、やはり(元日本代表の)竹下佳江さんのように国際大会で3位であってもベストセッターに選ばれる、それこそが『本物』だと思っています。

 個人としても昨季はセッターとしての精度に課題を覚えました。自分自身が『こういう組み立てをしたい』と思っても、実際にプレーの精度が追いつかず、それができれば得点にも勝利にも結びつくのに...と、もどかしかったです」

――個人としてもチームとしても、今季を戦う上でどんなことが大事になってくると思いますか?

「まずは自分自身のプレーを見直したいと思っています。『このトスを上げたい』と頭の中で考えたことを瞬時に、そのとおりに繰り出せなければ、今季のリーグ優勝はないと考えています。佐藤淑乃(よしの)選手と和田由紀子選手が、今季から抜けた穴は大きいですが(ともにイタリアリーグへ移籍)、そんななかでも私が、セッターとして昨季できなかったことをできるようになるだけでも、チームを勝たせられるようになるはずです。リーグ戦を通してそれができるようになったと言うことができれば、ベストです」

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――今季からはキャプテンを務めます。

「学生時代からキャプテンを経験してきましたが、バレーボールをするうえで私がやることやチームへ発信することはこれまでと変わりません。その立場と向き合うことは大事ですが、周りがその姿を見てどう評価するか、さらにはその評価が高くなければ、私が考える『認められるプレーヤー』になれないのかなと。ただキャプテンなので、いろんな場で人前に立って話したり、ポスターの真ん中に載ったり...それぐらいですかね(笑)」

――今季のチームやご自身の注目ポイントはどんなところでしょうか? 

「今季に向けてはまず、チーム全員が目指すものの基準を上げていこうという意識で取り組んでいますし、私からも働きかけています。目指すものが高い選手が一人でも多くいるだけでも勝てる試合は増えますから、チームとしてその平均値を上げたいです。逆に、全員が常に80%程のパフォーマンスとメンタルで戦い続けなければ、長いシーズンは勝てません。その部分はリーグ戦を通しても成長していけるのではないかと思います。シーズンを通して成長して、昨季よりも『うまくなれた』と実感できればと思います」

――大同生命SVリーグも3シーズン目を迎えます。

「昨季の男子のチャンピオンシップファイナルは観客の数も多くて、あのような舞台で私もプレーしたいと強く思いました。男女で魅力に違いはあると思いますが、女子としても見ている方々に何かを与えられる空間でありたいと願っています。一方で今季からコートに立つ外国籍選手が3人に増えるので、バレーボールがどのように変わるんだろうと楽しみな反面、これはNEC川崎だけでなく、日本人選手がもっともっと活躍していかなければとは思うところです」

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――今回のSVリーグ開幕特集のインタビューには、同じキャプテンである大阪ブルテオンの西田有志選手に登場いただいております。西田選手の印象は?

「日本代表の活動期間中にトレーニング施設で話す機会はあります。私自身、バレーボール自体が昔から好きなので、ずっと西田選手のことは見てきました。かつてはパワー全開で打っていたイメージだったんですけど、今は力を抜いて打ったり技が沢山あって、いろんな経験から必要だと感じたことを取り入れている。とても頭を使ってプレーされているなぁと感じています。

 また昨季、シーズンの終わりにお会いした際に、『チャンピオンシップは勝てると思っていましたか?』と聞いたところ、『GAME1は(相手の)サントリーサンバーズ大阪、やるなと思ったけれど、全然体力的にも負けていなかったし、いけると思った』とおっしゃっていたんです。私も学生時代、優勝したときは決して油断ではなく『なんだかいけそうだ』と感じたことは確かにありました。心の準備といいますか、常にイメージし続けることが大事なんだなぁと、西田選手との会話で実感しました」

――最後にファンや読者の方々へメッセージをお願いします。

「私たちは一人の選手として、バレーボールが日本でもっともっと知られるスポーツになればと願っていますし、ボールのつなぎといった魅力をプレーや試合を通して発信していきたいです。
 
そのなかでもNEC川崎はホームゲームが温かいと感じています。クルー(ファンの呼称)の皆さんの声援はもちろん、会場が真っ赤に染まっている様子は一体感があって、勝っているときも負けているときも励みになります。ぜひバレーボールも、そしてNEC川崎も応援してもらえるとうれしいです」

中川つかさ(NECレッドロケッツ川崎)
'00年8月13日生まれ。大阪府出身。セッター。身長159㎝、最高到達点265㎝。金蘭会中学、金蘭会高校、東海大学の各カテゴリーでいずれも日本一を経験。'19年女子U20世界選手権で優勝し大会ベストセッターに選ばれる。'23年にNECレッドロケッツ川崎に入団。'23年、'25年、'26年に日本代表として選出され、VNLや世界選手権などで活躍。今季よりチームのキャプテンに就任。

取材・文/坂口功将 撮影/宮崎雄亮