楽天・村林一輝が語る「準備と役割」 楽天内野手の成長論

楽天・村林一輝が語る「準備と役割」 楽天内野手の成長論

「チームが負けている時でも常に応援してくれる。ファンの存在は力になっています」

~第十九回 プロ野球愛宣言!現役選手編~

'15年にドラフト7位で入団してからプロ10年目となった昨季、最多安打のタイトルを獲得し、飛躍を果たした村林一輝(いつき)選手。その風貌から『球界の市川團十郎』と称される、自身の現在地とファンへの想いを語ってもらった。

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――昨季はプロ10年目で初タイトルとなる最多安打のタイトル獲得と、ゴールデン・グラブ賞、ベストナインに輝くなどキャリアハイのシーズンとなりました。球界を代表する選手という自覚も出てきたのでは?

「それは特にないです。もちろん、初めてのタイトルだったのでうれしかったですし、得るものはありましたが、昨季の結果が、そのまま今季に反映されるわけではないので、あまり意識はしていません」

―― 一昨季に初めて規定打席に達して、遊撃手でレギュラーの座を掴んだかと思われましたが、宗山(塁)選手の加入で、昨季は三塁手での出場が中心になりました。

「そこは僕がどうすることもできない部分ですからね。プロ野球というのは、次から次に新しい、良い選手が毎年入ってくる世界なので、自分ができないところよりも、自分でなんとかできるところに集中して取り組んだ方が自分自身のためになると思って、そこを徹底してやりました」

―― 村林選手が一軍に昇格した当初は、試合終盤の守備固めのような役割をされていて、内野のさまざまなポジションをこなす貴重な存在でした。

「その時の経験は今、すごく生きていますね。普段から無駄な経験はないと思っていて、何事にも全力で取り組んでいます。守備に限らず、あらゆることで自分のこれまでの経験を生かしながら、やっています」

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――ご自身が、一番やりたいポジションはありますか?

「ショートには、こだわりを持ってやっています。気持ち的にはそこが一番です。とはいっても、試合になればチームが勝つために、自分が何をやれるかということが一番大事だと思うので、任せられたポジションを常に全力で全うしたいという気持ちは持っています」

――同じ内野と言っても、二遊間とサード、さらにファーストでは、動きもそうですし、やることが全然違うと思います。

「そこは準備の段階から、しっかりやっていくというのが大事だと思います。もちろん難しい部分はありますけど、そこはやるしかない、という感じですね」

――打撃面では、データを見ると、得点圏打率の高さが際立っています。昨年は.355、今年もシーズン途中には4割台をマークした時期もありました。チャンスの場面で打席に入る時は、何か違った入り方やアプローチがあるのでしょうか?

「自分の中である程度、打席に入る前に準備を終わらせて、割り切ってやるようにしています。相手ピッチャーの情報やその時の状況を踏まえ、どういうアプローチをすればいいかを事前に考えて打席に入ります。もちろん、得点圏で打つことは大事ですけど、野球はそんなに簡単ではないし、打てない時の方が圧倒的に多い。その中で、どうやったら得点できるか、常に最善を考えてやっていることが、良い結果に繋がっていると思います」

――村林選手と言えば、カウントが追い込まれてから、粘り強い打撃というイメージもあります。

「特に自分は粘り強いとは思っていないですけど、もちろん、追い込まれてから考えること、やることはあります。チームには他にも粘り強い選手が多くいるので、特に自分が粘り強いということは意識してないです」

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――プロ入りして10年が経ちます。年下の選手も増え、チーム内での立ち位置も変わってきているのではないですか?

「確かにそれはありますが、今のチームにはベテランの方で浅村(栄斗)さんだったり、(鈴木)大地さんだったり、レジェンドみたいな人がいますからね。常にいいお手本になってくれて、すごく勉強になっているので、そういう人たちを超えていきたいと思って、日々野球に取り組んでいます。だから自分の立ち位置だとかそういうことは、特に意識していないです」

――打撃や守備などで参考にしている選手はいますか?

「特定の選手というよりは、自分は気になったら常に直接聞きにいくという性格なので、チームメイトでも、相手のチームでも、疑問を持ったり、興味を抱いた選手に対しては、話を聞かせてもらうようにしています。
自主トレを一緒にやっている今宮(健太・福岡ソフトバンク)さんや、去年までチームメイトだった岡島(豪郎)さん、それからヒデさん(浅村)にも日々、どのようなことをやっているのか、野球に対する姿勢や取り組み方など、いろいろ勉強させてもらっています」

――改めて、子どもの頃に好きだったチーム、選手について教えてください。

「兄の影響で小学生の頃から野球はやっていましたが、プロ野球はそれほど見てなくて。父親に連れられて京セラドーム大阪のオリックス戦はよく行っていました。家のTVでは、よく巨人戦を見ていた気がします。あとは阪神も応援歌とか、覚えていたりします」

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――今季、村林選手のどんなところに注目してほしいですか?

やっぱり試合でのプレーを、元気に一生懸命、全力でプレーしている姿を見てほしいです」

――ファンの声援は、やはり力になるものですか。

「もちろん、それは常々、思いますね。今季はチームも苦しい状況が続いていますが、負けている時でも、ファンの方たちの応援は選手にすごく届いていますし、自分たちもなんとかしたいと思います。応援してくれる方たちとは、一緒に喜びを分かち合いたいと思うので、ファンの存在というのは、すごく力になっています」

Profile
村林一輝
'97年10月6日生まれ。大阪府出身。大塚高校から'15年ドラフト7位で東北楽天に入団。内野ならどこでも守れるユーティリティープレーヤーとして守備固めを中心に一軍に定着。'24年に遊撃手のレギュラーとして自身初の規定打席到達を果たし、昨季は三塁手での起用で自身初タイトルとなる最多安打、ゴールデン・グラブ賞、ベストナインにも輝いた。

取材・文/大久保泰伸 写真/中川容邦

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