綱啓永が語る映画「教場」出演の覚悟、そして風間教官・木村拓哉のすごみ
映画 インタビュー
2026.02.15
木村拓哉主演の『教場』シリーズは、2020年に2夜連続ドラマとしてスタート。翌年のドラマスペシャル「教場Ⅱ」、2023年の連続ドラマ「風間公親-教場0-」を経て、2026年は映画プロジェクトとして、「教場 Reunion/Requiem」の2部作が公開される。まず前編となる「教場 Reunion」が1月1日よりNetflixで配信開始され、後編の「教場 Requiem」が2月20日(金)より劇場公開される。そこで、第205期生・門田陽光役で本作に出演する綱啓永へのインタビューを敢行。本作への思いや見どころをたっぷり語ってもらった。

――本作で、門田陽光という人物を演じる上で意識したことは?
「門田は、純粋で正直な人で、飾り気がない。そして嘘をつかない。そんな人間だと思います。『教場』の生徒全員に共通すると思うのですが、皆が覚悟をもってあそこにいるんですよ。だから演じる僕ら自身も覚悟を持って作品に臨むことで、役に同化できるはずだと。でも本当は、『教場』という大きな作品に出演するという時点で、覚悟を持っていない人はいないはずですけどね。それほど大きな作品ですから。『教場』の現場についての話は、自然と耳に入るので、怖いなと思っていました(笑)。過去の作品を観ても、画面からすごい緊張感が伝わってきますしね。ただ、俳優としてこの作品に出演できることは本当に光栄なことです。出演が決まった時は、心からうれしかったし、もう大興奮しました。ここから飛び立っていくぞ!という思いでした」

――脚本を読んでの印象と、実際に現場に入った時はどんな感じでしたか?
「最終章にふさわしい、きれいな終わり方だなと。ただ、続きがあるのかどうかは分からないですけど...。僕ら205期の生徒たちの思いとしては、これをファイナルにしてほしいなと(笑)。僕たちが最後の生徒として完結すればいいなと、みんなで話していました。現場入りしてから、クランクインの前にひたすら訓練という日々だったので。かなり厳しかったですけど、後から聞いた話では、シーズン1、2の時はこんなもんじゃなかったと...。でも、訓練を続ける中で、毎日が戦いに出向くようなあの感じは、初めての感覚でしたね。生徒役の皆も、訓練で顔を合わせる中で絆が深まっていくような感じだったと思います。僕自身は、訓練段階では個人練習が多くて、クランクインしてから少しずつみんなと打ち解けていった感じでした」
■木村拓哉さんから、作品に対する"本気度"を学んだ

映画「教場 Requiem」
(C)フジテレビジョン (C)長岡弘樹/小学館
――木村拓哉さんとの共演でしたが、どんな思いでしたか?
「木村拓哉さんは、本当に憧れの方ですし、大好きな俳優さんです。実際に共演してみると、言葉一つにも本当に重みがあるし、すごくパワフルな人だと感じました。掛け合いの場面では、すべてのセリフが球速150キロの剛速球のように刺さってくる。やっぱりすごい方だなと感じました。自分もいつかはあんな風になりたいと思いますよね。本当にスター過ぎる人なので、憧れますし、真似をしたい気持ちはあるんですが、絶対に真似できない部分が多いんですよ。あれだけの経験値を持って、しっかり結果を残し続けてきた方だからこそ、言葉にも説得力がありますし。作品への向き合い方や本気度は見習いたいですし、大いに刺激を受けました。あの熱量を見て、『僕らも負けていられない』と。今後も木村さんに負けない本気度で、作品に向き合っていこうと思っています!」

――綱さん自身にとって、風間教官のような"人生の師"はいるのでしょうか?
「やはり父親ですね。小さい頃はとても怖くて、風間教官のように厳しく育ててくれました。今はもう怒られることはないですけど、何か曲がったことをすれば叱ってくれます。数年前に僕が仕事のことで弱音を吐いたことがあったのですが『だったら、俳優をやめてしまえ!』と言われて、すごく刺さりましたね。僕が俳優の仕事をするモチベーションの一つが、父の存在なんです。家族は皆応援してくれますけど、一番応援してくれるのも父だし、誰よりも気にかけてくれる。そんな父に『やめてしまえ』と言われたことがとても悔しかった...。だからこそ、父に認めてほしい気持ちは人一倍強い。まさに父は、僕にとっての風間教官のような存在なんです」

――生徒役の共演者の人たちの印象は?
「205期の生徒役の皆は、クセが強くて個性的で、面白い人が多かったですね。僕にはない感覚を持っている人が多く、変わった人ばかりだったなぁ(笑)。氏原役の倉(悠貴)くんは、急に軍手を使ってお手玉を始めたりするし(笑)。どうやら別の現場での役作りで、お手玉をするのが流行っていたらしいんですけど、ちょっと驚きました。でも彼は本当に面白い人ですね。僕は大好きです(笑)。猪狩(蒼弥)くんは、現場でも特に気を遣っていました。気配り上手だし、いい人の代名詞のような感じですね」
■金子大地さんとの"泣き"のシーンは、絶対に響くと思う

映画「教場 Requiem」
(C)フジテレビジョン (C)長岡弘樹/小学館
――本作で、特に見てほしいお気に入りの場面は?
「金子(大地)くん演じる笠原が、ある告白をする場面があるのですが、いわゆる"泣き"の芝居で、僕と木村さんと金子くん、3人だけのシーンです。ものすごい緊張感があり、張り詰めたような空気の中で、僕は2人の芝居を俯瞰して見るような立場でした。試写を見た時も、僕はこのシーンが一番グッときたし、思わず泣いちゃったんですね。金子くんに『最高でした』とLINEもしました。彼から『木村さんと啓永と3人で作ったシーンだから、そう思ってもらえて、最高だぜ!』と、アチアチの返事がきました(笑)。彼も僕と同様に、人見知りするタイプで、共演者と積極的に話すタイプではないのですが、後半ではすごく打ち解けて。結構話をしましたね。彼は普段はとてもお茶目なんです。ボケることも多くて、思っていたイメージとは随分違う。そんなギャップも魅力で、大好きになりました。あのシーンはきっと皆さんにも響くんじゃないかなと思うので、ぜひ注目していただきたいですね」
――今回の「教場 Reunion/Requiem」に出演して、今後の糧になったことはありますか?
「木村さんとの共演を一つの目標にしていたので、まずはそれが叶ったことが大きいです。先ほど言ったように、共演させていただいて、学んだことも多かったです。今回の撮影では、訓練をしてから撮影に入ったことで、本当の警察学校の生徒のように自然に現場に入ることができました。そのおかげか、自分自身が役と重なる瞬間がすごく多かったんですね。この感覚を得られたことは、今後の俳優人生の大きな糧になると思います」

――では、最後に本作の視聴者に対して、作品からどんなことを感じてもらいたいですか?
「警察官にふさわしい人間かどうか、それをふるいにかけるのが『教場』という作品です。"正しい人"が残るわけではなく、成績のいい人も落ちていく。では、どんな人が残るのかというと、"覚悟を持っている人"だと思うんです。まさに、門田が風間教官に『お前はどんな覚悟を持ってここにいるんだ』と、言われる場面があります。"覚悟"が作品のひとつのキーワードになっていると思います。視聴者の人それぞれに、どんな覚悟を持って人生に臨んでいるのかを問いかける作品だと思いますので、そんな風に見てもらえたらうれしいです」

PROFILE
1998年12月24日生まれ。千葉県出身。第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。代表作は映画『女神降臨Before/After』『ネムルバカ』『WIND BREAKER』など。
取材・文/渡辺敏樹 撮影/梁瀬玉実
ヘアメーク/牧野裕大 スタイリスト/三宅剛




