映画『火喰鳥を、喰う』配信記念!水上恒司×山下美月特別インタビュー
映画 見放題インタビュー
2026.01.20
かつてない驚きが待ち受ける先読み不能ミステリー『火喰鳥を、喰う』
それは「死者の日記」から始まった...
信州で幸せに暮らしていた久喜雄司(水上恒司)と夕里子(山下美月)のもとに、戦死した先祖・久喜貞市の日記が届く。最後のページに綴られていたのは「ヒクイドリ、クイタイ」の文字。それ以来、幸せな夫婦の周りで不可解な出来事が起こり始める。超常現象専門家・北斗総一郎(宮舘涼太)の力を借りて知った、驚愕の真相とは...。
「第40回 横溝正史ミステリー&ホラー大賞」大賞を受賞した原浩氏の同名小説を「超高速!参勤交代」シリーズや「シャイロックの子供たち」などを手掛ける本木克英監督が実写映画化。この超話題作が、2/1(日)からJ:COM STREAMで見放題最速配信!これを記念して、本作で夫婦役を演じた主演の水上恒司さんと山下美月さんに話を聞いた。
――謎と怪異が交錯するような物語ですが、初めて脚本を読まれた時にどんな印象を持ちましたか?
水上「今までに読んだことのない脚本でした。これまで僕が出演した作品では、自ら何かを仕掛けることは少なく、周りの人たちの発言や行動を受け止めた上で何を思い、自分がどう変わっていくのかを見せていく人物の役が多かったのですが、今回の作品はミステリー&ホラーだけでなく、様々な要素が複雑にからんでいるので、受け止めるだけではなくどこか自分の意思も強く出す攻めの要素もあるので、自分が演じる雄司がどんな思いに到達していくのかをイメージしながら読みました」
山下「脚本を読むと、観客を直接的に驚かせる描写がないんです。ということは、私たちのお芝居の仕方一つで、恐怖感や謎、不気味さを出すことが委ねられているので、脚本に書かれている表現を正しく理解して演技に落とし込むことを意識しました」
――今回、水上さんは映画単独初主演ですが、そういった点でこれまで出演された作品とは違った意識で臨まれたり、何か重視されたことはありますか?
水上「特に違いはないですね。僕としては、雄司が周囲の人たちの発言や行動の受け止め方によって、観客が感じる恐怖感も変わってくるという大事な部分を担っているので、その辺りを意識して演じなくてはと思いました。たとえば、夕里子が投げてきたボールは全部受け取りたい。投げようとしていないものまで全部受け取りたい。それによって妻への愛を表現しようと。一方、北斗からのものは全部受け取りたくない。何なら捨てたいというような思いを明確にしていこうと思いました」

――山下さんは夕里子を演じるに当たって、意識されたことはありますか?
山下「夕里子は少し古風なところがある女性だと感じました。だから、東京から地方都市に来た彼女は周りの目を気にして、夫を支える妻という役割を全うしなくてはいけないと思っています。芯の強い女性なのに、自分の本当の気持ちをさらけ出すことができず、その結果、夫の雄司とかつての恋人でもある北斗(宮舘涼太)に揺さぶられてしまう不安定さのあるキャラクターと考えて演じました」
――お2人は初共演ですよね。でも、夫婦らしさがうまく醸し出されているように感じました。
水上「話し合いは特にしてないよね。たぶん、それぞれが思う夫婦像を相手に求めて、自分もそれをやっていた感じがするんですけど」
山下「それこそ、夕里子は妻として夫を支えるという女性だから、現場で水上さんのお芝居を見て合わせていけば夕里子らしさが出ると思っていました。あと、この2人は大学に勤めている知的カップル。だから、日ごろから感情的にならない夫婦という感じも意識しました」
水上「そうそう。喧嘩とかしていない感じ。良くも悪くも自分の気持ちをきちんと話していない。愛し合っているのに、確かなものがない。だから、本当なら何事もなく共に老いていったであろう2人の人生が、ちょっとしたきっかけで大きく変わってしまった...。でも、こういうことってどんな人にも起こることじゃないですかね」
――幸せだった夫婦を引っ掻き回す役どころとして北斗が登場しますが、演じた宮舘さんの印象はいかがだったでしょうか。
水上「山下さんにも通じるんですが、お2人ともアーティストとアイドルという道を歩まれてきて、今は役者にも集中されている。僕も同じ芸能人ですが、台本がないと、うまく表現できないし、カメラの前にも立ちたくないんです。お2人は自分自身の肉体と声と表情で人々を魅了していく。今回、宮舘さんは東京からやってきた"超常現象専門家"である北斗を演じましたが、はたで見ていてすごく説得力がある。北斗の胡散臭さも表現してしまうオーラみたいなものを持っている。太刀打ちできないなと思いました」
山下「アイドルと役者では時の流れが一番違うと思うんです。たとえば、役者は撮った作品が半年後、1年後という期間で出る。でも、アイドルの活動は秒単位やその場ですぐに出る。だから、気持ちの準備やメンタルを整える時間って、アイドルは少ないんです。でも、宮舘さんはとても落ち着いて見えて気品があるじゃないですか。それはアイドルを長年続けてきた中で、瞬発力や柔軟な対応を数多く培ってきたからじゃないかと。北斗の長いセリフの中にもバリエーションを出したり、カット割りをせずに演じ切れるのかなと思いました」

水上「なるほど...。アイドルからアイドルを見ると、また違って見えるんですね(笑)」
――本作のテーマとして、人間の強い執着心ということが描かれていると思いますが、執着という言葉から、お二人はどんなことを感じますか?
水上「僕は高校時代に甲子園を目指したことがありますが、人間って何かを成し遂げたいという夢や目標だって、言葉が違うだけで"執着"の表れですよね。なりふり構わずやっていくことが執着でもあるし、人のことも考えながら目指すことだって執着だし。今回の映画でいうと、120%に近い純度で僕は演じましたが、26歳ながらの執着が出ていると思うんです。大体、執着って人間の欲求みたいなもので。それが願いや祈りを表現している気がするんですね。だから、僕は執着心に怖さを感じなかったですし、むしろその牙をむき出していく、頑張って見せていくことが楽しかったですね」
山下「私自身は執着というと1番に出てくるのはやっぱり仕事。今回の作品で北斗が『執着が強いものが勝つんだ』と言っていますが、確かに思いが強かったり、粘り強く戦った方が最後は残る。でも、中には運や生まれ持った時からの才能もあるし、時には執着を手放してしまいそうになる瞬間もある。例えば、お仕事を絶対続けたいと思っていても、何かの拍子に別の道に行った方がいいんじゃないかと考えることもあって。その執着を手放す瞬間も怖いというか、執着心も強ければいい、弱ければいいというものではなくて、要は本人が何を信じるかだなと思っています」
――最後にこの作品をすでに劇場で見た方や、これから配信で初めて見る方へメッセージをいただけますか。
水上「本木監督がおっしゃっていましたが、みなさんが『見たことのない新しい映画』になっていると思います。僕ら三人で面白い化学反応が生まれた作品でもあるので、まだご覧になっていない方は何かしら感じていただける部分があると思いますし、劇場で見られなかった方には、是非、配信で見てほしいですね」
山下「本作は斬新な設定も多く、謎要素が多い作品です。配信ですから、一回と言わず、何回も繰り返し見て、いろんな気づきや新たな解釈みたいなものを楽しんでもらえたらと思います。映画の作り手は、ここを目指して作ったというものがありますが、見ていただく方には正解は一つじゃありません。色々な見方で何度も楽しんでほしいなと思います」




